平成22年 6月11日(金):初稿 |
○「さすっているようで叩いている政治家同士の関係2」で平成22年6月4日の民主党代表選挙について「樽床氏と言う若くて全国的には知名度の低い方が菅氏の対抗馬として代表戦に出馬しましたが、これも無投票では密室で選んだ等批判を避けるための出来レースの一環」と推測していましたが、その後のマスコミ報道等を見ると菅氏の裏切りを知った小沢氏が狼狽して原口総務相、海江田氏、さらに田中真紀子氏にまで代表戦立候補を要請したが全て拒否され、最後に樽床氏立候補が決まったもので出来レースではないとされる論調が多いようです。 ○政治家同士の関係は「叩いているようでさすっており、さすっているようで叩いている」との表現は大変見事で表面的に見える部分はごくごく一部分で、真実は、実は当事者すら判らない複雑怪奇なものと思われます。通常、人間としての様々な欲求が並外れて強い方々である政治家同士の関係は、最高の人間学を提供してくれ、複雑怪奇に見えて実は単純明快なところもあるような気もします。 ○鳩山・小沢ダブル辞任についてマスコミの殆どの論調は、鳩山氏が自分に辞任と引換に小沢氏を辞任に追い込んだもので、中には鳩山氏の短い在任中での業績で、小沢氏を辞任に追い込んだことが唯一のものだと評価する報道もありました。 ○私自身は選挙のプロ小沢氏が7月の参議院選挙情勢の厳しさから自分自身が辞任して民主党執行部内閣の人心一新しなければ民主党は大負けすると判断し選挙前のどこかで辞めるだろうと思っていました。しかし幹事長は辞めても総理の鳩山氏が僅か8ヶ月で辞めるのは余りに短かすぎ、前言を翻し、「辺野古」への移転を明記する日米共同声明を発する図々しさに結構タフな方と感歎して、何とか頑張れとの思いもありました。 ○ところが両院議員総会での辞任会見の内容にガッカリしましたが、小沢氏を辞任に追い込んだのは、マスコミ報道等の鳩山氏であり、鳩山氏の小沢氏道連れ辞任説には、ずっと疑問を感じ、その後のニュース報道等を注意して見ていました。その後もこの鳩山・小沢道連れ辞任説は結構根強く残っていますが、なかなか真相はハッキリしません。 ○小沢氏としては鳩山氏と一緒に辞任し、菅氏を代表に立て、小沢氏自身については表に出ないで民主党人心一新の外形を取り、民主党支持率回復を図って来るべき参議院選挙で何とか参議院でも民主党単独過半数達成勝利で乗り切り、9月の代表戦で民主党だけの単独本格政権を作りたかったのではと思っていました。ところが菅氏は小沢氏の思惑を外れて完全に小沢外しに動いたと一般に報道されています。 ○この表面的には明らかな菅氏の小沢氏への裏切りですが、支持率回復のための2人の連係プレーだったら面白いなとも感じております。小沢氏は菅氏の裏切りに怒って携帯電話にも一切でなくなったとの報道もありますが、これほどまでに菅氏と小沢氏の亀裂の深まりを見せて、菅氏も小沢氏を徹底排除することで国民の拍手喝采を得て支持率V字型回復を実現したことに何となく裏があるような気もします。「叩いているようでさすっており、さすっているようで叩いている」のかただ単に「叩いているだけ」なのか、2人の関係が今後どうなるか興味あるところです。 以上:1,325文字
|