平成22年 6月 6日(日):初稿 |
○「さすっているようで叩いている政治家同士の関係1」の続きです。 鳩山前首相が民主党両院議員総会で辞任表明して辞任した6月2日夜のNHKニュースに山岡前国対委員長がゲスト出演して僅か2日後の4日には新内閣がスタートすると解説したのには驚き、なんだ、なんだ、これは鳩山氏に辞任を迫った小沢氏と菅直人氏の出来レースだったのかと確信しました。おそらく多くの国民もそのように感じたと推測しています。 ○その後、樽床氏と言う若くて全国的には知名度の低い方が菅氏の対抗馬として代表戦に出馬しましたが、これも無投票では密室で選んだ等批判を避けるための出来レースの一環に過ぎず、おそらく今度の参議院選挙と党運営の要の幹事長には小沢氏の息のかかった方が任命され、実質は小沢氏主導の下に進むのだろうと推測していました。 ○ところが菅氏は、新代表に選ばれるやいなや小沢氏はしばらく静かにしていた方がご本人のためと排除の方針を鮮明にして何と幹事長に反小沢急先鋒の枝野氏を、また内閣の要の官房長官には仙石氏を検討していると発表し、これまた驚きました。しかし私は、枝野氏幹事長案は観測気球というか出来レース観測排除のための目くらましで、いずれ別な方がなるのだろうと思っていました。ところが菅氏は5日夜に枝野幹事長を正式決定しました。 ○菅氏のこの動きは誰しも菅氏は、完全に小沢氏叩きの方向に転換したと思うでしょう。思えば鳩山新内閣発足時菅氏は官房長官希望を排除され、訳のわからない国家戦略室長と言う名目の役職につけられ、マスコミにはやることがない菅氏と揶揄されており、この時の恨みが今回の小沢外しに繋がったとの見方も出来ます。 ○菅氏の小沢氏に対するこれらの言動は、正に「叩いている」ように見えます。しかし、小沢氏がここでしばらく静かにして、謹慎と称して参議院選挙も静観・傍観し、検察審査会で強制起訴されることなく、且つ、参議院選挙で民主党が躍進できなかった場合、一気に小沢待望論がわき起こり、復権することも可能です。結果として「さすった」ことになります。 ○マスコミの報道による小沢氏に対する国民全般の評価は大変厳しいものがあり、小沢・鳩山体制で参議院選挙結果予測は、民主党にとって悲惨なデータになっているとの報道もあります。小沢氏はマスコミ予測なんて当たった試しがないと強がりを言っていたとの報道もありますが(あくまで報道で真偽は不明)、小泉旋風選挙も昨年の政権交代選挙もマスコミ予想通りと言うか、マスコミ予想以上の結果になりました。 ○小沢・鳩山体制でボロ負けするよりはしばらく謹慎して、菅・枝野体制として小負けに留めて民主党政権を延命し、9月の代表戦で巻き返しを図る小沢戦略通りになるかどうかは、参議院選挙での民主党の成績如何によるもので、選挙結果は大変興味あるものになりました。 以上:1,166文字
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