平成21年12月19日(土):初稿 |
○「弁護士収入平成19年は大激減どころか?」で2009年版弁護士白書の弁護士の収入(経費控除前)と弁護士の所得(経費を控除したもの)の円グラフ画像を紹介しました。この統計は、平成20年6月に当時の約2万5000人全員を対象とした平成19年の実績についてのアンケート調査の集計であり、総回答数4661件ですから、アンケート回収率は、約18.6%で5人に1人弱の回答結果です。5人に1人しか回答がないアンケートの信頼度は,どの程度なのか統計学不勉強な私には不明ですが、素人考えでは、収入の多い方の回答割合が高くなりそうに感じています。 ○この収入(経費控除前)と弁護士の所得(経費を控除したもの)のアンケート調査結果は、日弁連HPでの公表部分では、回答者全体の割合を示していますが、2009年版弁護士白書では、5年未満から始まり、弁護士経験に分けて記載しています。私が一番興味を持ったのは、おそらく弁護士としてはアブラが乗り切って一番稼ぎが多いと思われる経験年数20~30年未満の統計結果でした。 ○この経験年数20~30年未満の統計結果は、大別すると 収入(経費控除前)で 4000万円未満が45.2% 4000~8000万円未満30.8% 8000万円以上が15.6%(内1億円以上9.6%) 所得(経費を控除したもの)で 1000万円未満が18.2% 1000~3000万円未満が50.5% 3000万円以上22.9%(内5000万円以上8.4%) です。 ○弁護士業務は売上に対して商品の仕入れに相当するものは殆どなく、その総売上である収入(経費控除前)がは、普通の企業で言うと売上から仕入れを差し引いた粗利益額に該当するもので粗利益率はおそらく90数%になります。上記数字は全て弁護士1人当たりのものですから、その数字から見ると弁護士はまだまだ随分恵まれていると感じました。経験20~30年で、2人に1人が申告所得で1000~3000万円未満に入り、5人に1人強が3000万円以上なんて業界は、弁護士業界以外にあるだろうかとも感じます。 ○この数値で驚いたのは経験20年以上になっても売上2000万円未満が17%あるところ、売上1億円以上が9.6%もあったことです。ごく大雑把に言うと5人に1人が2000万円未満であるところ、10人に1人が1億円以上になり、弁護士業界でも収入格差が相当開きつつあります。平成19年当時はHP等による宣伝広告活動が盛んになりつつある時代で,その後、更にTV・ラジオ等による弁護士業務宣伝も急激に増えており、おそらく派手に営業活動をする弁護士としない弁護士では一層の収入格差が出ているだろうと実感しているところです。 以上:1,108文字
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