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整形外科各種検査法-肩関節

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平成21年12月20日(日):初稿
○交通事故による傷害に基づく各障害についての検査法紹介を続けます。今回は肩部分です。むち打ち症による頚部捻挫症候群から肩部分に障害を残す例も時々見られます。

肩上部(胸郭出口部)
肩甲帯正常自動関節可動域
「肩甲帯」とは、肩甲骨、肩関節、胸鎖関節(鎖骨と肋骨の継ぎ目部分)の総称
屈曲(前) 20°
伸展(後) 20°
挙上 20°
引下げ 10°

・アレンテスト(Allen Test)
検査法:一側の腕を横に水平に上げ、肘を90°屈曲。橈骨動脈の拍動を触診、次に頚を反対方向に回旋する。
理論的根拠:橈骨動脈の脈拍減弱か消失→斜角筋群による鎖骨下動脈の圧迫を示唆する。

アドソンテスト(Adoson's Test)
検査法:座位.。橈骨動脈の脈を取りながら、両手背を膝の上におき、深呼吸で息を止め、頚を過伸展し患側に回旋。
理論的根拠:橈骨動脈の脈拍減弱か消失→斜角筋群や鎖骨下筋などによる鎖骨下動脈の圧迫を示唆する。

・ライトテスト(Wright's Test、過外転テスト)
検査法:座位 橈骨動脈を触診しながら肩関節過外転させた時の脈拍の変化と再現性をみる。
理論的根拠:橈骨動脈の脈拍減弱か消失→小胸筋か鳥口突起に付く筋の腋窩動脈の圧迫を示唆する。

・ルースの三分間挙上負荷テスト(Roos Test)
検査法:座位。両肩90°外転、肘は90°屈曲。この肢位を保ちながら手を握ったり開いたりの動作を三分間繰り返す。
理論的根拠:健常者であれば続行が可能。早期に上肢の疲労や疼痛が誘発される場合や三分間耐えられない場合は、斜角筋群による鎖骨下動脈の圧迫を示唆する。

・エデンテスト(Eden Test)
胸郭出口症候群の検査法にひとつで、患者の上肢を後下方に引き下げて、頭部を健側に回旋させることによって、肋鎖間隙を狭くする。これによって疼痛や放散痛が生じ、橈骨動脈の微弱化がみられれば陽性となる。

肩関節
肩関節正常自動関節可動域
屈曲 180°
伸展 50°
外転(側方挙上) 180°
内転 0°
外旋 90°
内旋 90°
水平屈曲 135°
水平伸展 30°

・棘上筋腱炎テスト(Supraspinstus Tendiniyis Test)
検査法:肩関節を外転を指示しながら抵抗し棘上筋に負荷をかける(側方挙上90°で抵抗)。
理論的根拠:棘上筋腱付着部に痛みが出た場合、腱炎をあらわす。

・アプレー・スクラッチ テスト(Apley Scratch Test)
検査法:腕を持ち上げ、手を後頭部から反対側の肩甲骨上部に触れるよう指示する。
     腕を下げ、手を背中に廻し肩甲骨に下部に触れるよう、反対方向も指示し、この動きを繰り返す。理論的根拠:肩の痛みが増大するとき、主に棘上筋腱炎を示唆する。

・ヤーガソン テスト(Yergason's Tast)
検査法:座位 肘関節90°屈曲、患者の一方の手で固定、もう一方の手で手首を外側に押す、患者はこれに抵抗する。
理論的根拠:肩の痛みが出るとき、上腕二頭筋長頭付着部の腱炎を示唆する。

・スレッチテスト(Arm Stretch Test)
検査法:患者に上腕を持ち、そのまま腕(肩関節)を伸展する。肩に痛みが出たら肘を曲げてもらい痛みが消えるか確認する。
理論的根拠:肩の痛みが出るとき、肘の屈曲で痛みが消え伸展で出ると、上腕二頭筋短頭付着部の腱炎を示唆する。

・ドロップアームテスト(Drop Arm Test)
検査法:肩に激痛がある場合。座位。他動的に肩関節90°外転。手をはなしゆっくり下ろすよう指示。
理論的根拠:腕をゆっくり降ろせなかったり、急に落ちるようであれば、腱板の損傷・断裂を意味する。
以上:1,506文字

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