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事務員の育て方-1事件1事務員担当制

平成20年12月10日(水):初稿
○私が弁護士になったおよそ30年前は法律事務所の事務員というと、弁護士が鉛筆で起案した書面原稿の清書作業が主な仕事でした。私の司法修習時代の昭和53年はまだワープロと言う便利なITツールはなく、和文タイプライターが清書作業の主役でした。私が弁護修習したN事務所にも和文タイプライターが2台以上置いてあり,いつも事務員さんがタイプ入力するガチャンガチャンと言う音が響き渡っていた記憶があります。

○私は昭和55年4月に弁護士資格を得て司法修習先のN事務所に勤務弁護士として入所し、N先生には2年1ヶ月お世話になった後、昭和57年5月に独立開業しました。当初事務員は、アルバイト学生を数名採用し交代で勤務して貰いましたが,採用に当たっては文字を綺麗に書く能力を重要視しました。訴状、準備書面等業務書面の清書作業が主な仕事で、独立に当たり和文タイプライターを1台購入しましたが、入力に時間がかかり急ぎの書面は手書きで作成する方が多かったからです。

○当初、事務員の仕事というとお茶くみ、掃除、裁判所等外回り等の雑務に最重要仕事として文書清書作業と捉え、頭を使って考える仕事は原則私自身が全て行っていましたが、独立して少しずつ仕事が増えてくると弁護士は可能な限り弁護士でないと出来ない仕事に限定し、弁護士業務の多くを事務員に分担して貰う方が合理的と考えるようになりました。

○そこで独立数年後には「これからの弁護士-三大特権喪失の時代に備えて」記載の通り、「勤務弁護士を雇う経済力のない私には事務局に勤務弁護士並みの仕事をして貰う」との方針を建てました。その実現の第一の方法として当時3名いた事務員の仕事分担を、1事件1事務員として最初の催告書発送の示談交渉から、訴訟手続、執行手続、最後の回収精算業務に至るまで1人の事務員が継続して担当し、文書表示には担当事務員名欄を設けて担当事務員名を明記しました。

○他の事務所では法律事務処理の段階毎に担当事務員を決める事務所もありましたが、法律事務処理の流れ全体を理解して貰うには最初から最後まで1人の事務員が一貫して担当した方が合理的でありまた事務員自身の責任感も強まり何よりお客様も専属担当の事務員が居た方が連絡等で喜ばれるのではと思い、1事件1事務員担当制を取りました。

○訴状、準備書面等に担当事務員名を記載したのは、仙台弁護士会では私の事務所が初めて試みたと自負しておりますが、当初は弁護士法上問題はないか、弁護士でない者が弁護士の仕事をすると評価されて非弁問題にならないかと心配してくれる方も居て、当時の弁護士業界の考え方の狭さには呆れたことがあります。兎に角、当時の弁護士業界は、弁護士業務は特別な仕事であり、弁護士自身が行うことが大原則で、事務員は所詮事務員だから重要な仕事を任せることは控えるべきとの考えが強く、私はこの「事務員は所詮事務員」との考えに猛反発を感じました。
以上:1,202文字

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