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私が弁護士として仕事依頼をお断りする場合2

平成20年11月28日(金):初稿
○私が弁護士としての仕事をお断りする場合の話を続けます。
先ずご依頼内容が①私の不得意分野の場合、②私の信念・価値観・世界観等に反する内容の場合について説明しましたが、問題は
③そのお客様のご説明が信用できず、信頼関係を築くのは困難或いは不可能と思う場合
④そのお客様とはどうも相性が悪いな、衝突しそうだなとの思いを強く感じる場合、
と思います。

「弁護士増員反対論をある社長さん」のご意見に、弁護士は「気にくわない仕事は全部断ると言うではありませんか。まさに独占企業です。」との批判があり、上記③、特に④の場合にお断りする場合のことを指摘されているものと思われます。普通の多くの事業者は、たとえ嫌な客だなと思っても食べるためにはやむを得ず我慢し、断らずに仕事を受けているのに弁護士だけは気にくわない客は断ることが出来る殿様商売が可能であり、これも弁護士の数が少なくて独占企業だからであるとの批判でしょう。

○このようにずばり指摘されると忸怩たるものがありますが、一つ弁解すると弁護士の仕事は、お客様との強い信頼関係が必要とされることが多いことです。物を売る仕事であれば、お金を頂いて売った物を引き渡すことで9割方仕事が終わりますが、弁護士の仕事は殆どが一定期間の継続的サービス提供が必要となります。

○特に難しい訴訟事件となると長い場合5~10年の付き合いとなることもあります。しかも裁判手続中必要に応じて多数回の打合せも必要になり、そこには相互の信頼関係が必要で、信頼関係が築けず,更にお互いに相性が悪いと思いながらの仕事継続となると弁護士だけでなくお客様自身が不愉快な思いをしながら仕事依頼を続けなければならず、最悪の場合は裁判途中で弁護士への依頼を止める場合も生じます。

○と言うことで特に長い付き合いになりそうな事件の場合、その説明がなかなか信頼できず,或いはどうも相性が悪そうだと強く感じる場合は、希にですが事件依頼をお断りすることもあります。これを「気にくわない仕事は断る」と表現されることに、いささか抵抗は感じますが、このような理由で断る場合もあると言うことは、弁護士以外の事業をされている方には、業者間の競争が少ないための贅沢に見えることもやむを得ないかも知れません。

○確かに今月は事件が少なく売上が少ないなと感じれば,相性が悪いなと思うお客様の事件も受けることも多くなるはずで、弁護士が増え競争が厳しくなれば「気にくわない仕事を断る」余裕もなくなります。しかし最近の弁護士急増で、このような時代は直ぐそこまで来ているようにも感じているところです。
以上:1,070文字

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