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旧61期司法修習生642人中33人不合格

平成20年 9月 3日(水):初稿
○2回試験(司法研修所卒業試験)ですが、「旧60期司法修習生1468人中71名不合格」でしたが、旧61期司法修習生は後記NIKKEI NET記事によると642人中33人が不合格だったようです。不合格率は旧60期が4.8%で旧61期が5.1%ですからさほど増えたわけではありません。

○従前の合格者500名時代は司法試験受験者全体の上位500番に入らなければ合格出来なかったものが、現在は新旧併せて上位2000人以上が合格する時代になっていますので、レベルが多少下がるのは当然で、100人中5名前後の不合格率は、それほど悪い数字とは思えません。

○合格者が増えているのだから、全体的なレベルが下がって当然と思っていますが、後記週刊朝日9月号記事によると「政府の失政でおバカ弁護士が増殖中」と随分大げさな表題で、新制度導入で合格者数が増えてからの弁護士のレベル低下ぶりを記載しています。

○しかし東京弁護士会の会誌「LIBRA」平成20年7、8月号特集「司法修習と修習生の現状」によると、新60期の新規登録弁護士について、採用した事務所側の評価は「決して悪くはない」とのことで、長所としては、事件に熱心に取り組む、調査能力が優れている、口頭での表現能力が高いといったことが挙げられ、特に、口頭での表現能力は、旧試験時代の新人弁護士より数段高いという声もあるとのことです。

○2000名を超える合格者が居れば上位500名のレベルと下位500名のレベルに大きな差があることは当然で、後記週刊朝日9月号記事は、下位500名を対象とした評価のような気がします。「合格すべき水準に達していない答案の割合が過半数を上回って」いるとの評価もありますが、半数近い答案が合格水準に達しているわけで上位レベル合格者は合格者500名時代のレベルと変わらないと思われます。

○合格者が増えれば従前は合格レベルに達しないでも合格出来るようになるのは当然のことで、そのレベルの低い実務法曹は、最終的にはユーザーによって淘汰されるだけです。その間、ユーザー側に迷惑をかける機会も増えるでしょうが、合格者数増加はユーザー側の希望でもあったわけで、ユーザー側から合格レベルを上げるべく合格者数を減らせと言う声が上がるのを待つしかないと思っています。

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司法修習卒業試験、33人が不合格 最高裁発表
平成20年9月1日 NIKKEI NETより
 最高裁は1日、司法修習を終えた642人の修習生を対象に卒業試験を実施し、33人(約5.1%)が不合格になったと発表した。

 今回受験したのは2006年の旧司法試験に合格した569人のほか、過去の卒業試験で不合格となった73人の再受験者。再受験者に限ると、13人(約17.8%)が不合格だった。

 卒業試験は8月、「民事裁判」や「刑事弁護」など全5科目で実施。1科目でも合格水準に達しなければ不合格となる。 (01:12)

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政府の失政でおバカ弁護士が増殖中
週刊朝日9月12日号34頁より
実例として,法廷の居眠りを裁判官に注意され逆ギレした60期弁護士が挙げられています。

古川俊治慶応ロー教授「司法試験の合格者は以前の倍くらいに水増しされているのではないかというくらいレベルが低い。とにかく合格者の人数ありきになっている。」

某司法試験採点者「全体答案の4分の1を採点したが,核心的問題をきちんととらえ,論じている答案は1通もなかった。」

某司法試験採点者「合格すべき水準に達していない答案の割合が過半数を上回っており,実務修習を受けるに至る能力を備えていないような合格者が多数出てしまう。」

2回試験(民裁)のひどい答案についての最高裁のコメント「社会通念,常識がまったくない。」

刑弁でも,「弁護人が検事のように被告人を断罪するという,信じがたい答案」があったそうです。

河井克行衆議院議員(元法務副大臣)「法務省に入って,司法関係者の表向きの発言と現場の本音に大きなギャップがあることに驚きました。役人は,一度決めたことは,まずいと思っても絶対に変えない習性がある。司法はもはや崩壊状態にある。」

以上:1,749文字

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