平成20年 7月11日(金):初稿 |
○岡口裁判官のボツネタ経由で,司法試験予備試験なるものがあることを初めて知りました。法務省の司法試験予備試験解説サイトによると 「予備試験は,法科大学院を経由しない者にも法曹資格を取得する途を開くために設けられるもので,これに合格した者は,法科大学院修了者と同等の資格で新司法試験を受験することができます(受験回数制限も同様に適用されます。)。予備試験には受験資格の制限等はありません。 予備試験は,法科大学院修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし,短答式(択一式を含む。)及び論文式による筆記並びに口述の方法により行われます(新法第5条第1項)。」 とのことで、同サイトの司法試験予備試験の仕組みに判りやすく図解されています。 ○繰り返し記載してきましたが,私自身は法科大学院構想には猛反対でした。大学を卒業した上に更に高い授業料を支払って法科大学院を2~3年かけて卒業しなければ司法試験受験資格を得られないとなれば、お金持ちの子弟しか司法試験を受験できなくなり、司法試験が万人に開放された試験とは言えなくなると危惧したからです。 ○しかしこの司法試験予備試験に合格すれば法科大学院卒業資格がなくても司法試験受験資格を得ることが出来ますので、旧司法試験時代のように働きながらでも司法試験に挑戦できることになります。この司法試験予備試験は,平成14年に改正された司法試験法第5条に規定されており、ここにきて新たに認められた制度ではなく、新司法試験制度誕生と同時にこの制度を補完する制度として規定されたようです。 ○旧司法試験時代においても大学教養課程を卒業することが受験資格要件でしたが、司法一次試験はこの資格がなくても受験でき、極端な例は確か15歳で司法一次試験に合格し、大学入学前に司法二次試験合格目指して頑張っている子供がいるとの報道を大部以前に聞いたような記憶があります。その子供がその後どうなったかは不明ですが。 ○いずれにしても司法試験予備試験は「受験資格の制限はありません」とのことで、大学教養部卒業の資格も不要であり、極端な場合、高校生でも受験できます。とすれば、この司法試験予備試験が広く認知されると優秀な人は法科大学院など入学せず、司法試験予備試験で新司法試験受験資格を得て挑戦することが可能になり,こちらの道を選ぶ人も増えるような気がします。 ○と言っても現在の弁護士就職難騒動を見ると弁護士の職業としての魅力は,従前に比較して大きく低下していることは間違いありません。高い山に挑戦したいとの意欲を持った若者が挑戦してくれるかどうかは疑問です。しかし弁護士の仕事自体は、その人の工夫、努力次第で大きく化ける可能性を秘めていますので、その可能性を探りたい希望する若者には挑戦意欲を持ち続けて貰いたいものです。 以上:1,186文字
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