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裁判員制度-障害者拒まないで

平成20年 5月16日(金):初稿
○私は、幼児時代から20代半ばまで患っていた慢性中耳炎のため、両耳とも聴力損失75~80dbの難聴者で、身体障害6級の身体障害手帳を保持する障害者の1人です。聴力損失100dbを超えると殆ど聞こえなくなり、健聴者、普通の聴力保持者は聴力損失0~20db程度ですので、80db近く聴力損失のある私の聴力は普通の人の4分の1程度です。

○私はまだ4分の1の聴力が残っているおり、補聴器を使用すれば何とか仕事もこなすことが出来ることに感謝の気持を持つように努めていますが、現実には、小さな声でぼそぼそ話す方を相手にするときは大変苦痛を感じます。特に裁判所で、ぼそぼそと何を言っているか判らない裁判官、検察官、相手方代理人等に出会った時は、聞くことに神経を集中しても何を言っていることが判らない場合もあり、大変疲れます。

「聴覚障害者の権利-裁判の情報保障」に記載したとおり、平成17年春、日弁連業務改革委員会のサンフランシスコ法曹事情視察旅行で初めてアメリカのサンフランシスコを訪れ、サンフランシスコ裁判所見学をした時、そこでの「聞こえについての配慮」に大感激しました。

○詳しくは「サンフランシスコ報告5-法廷の補聴システムに大大感激」に記載したとおりです。この旅行で大変お世話になった鈴木淳司弁護士のご解説では、「補聴システムの充実は陪審制度が元になっているとのことです。陪審員の中には高齢の難聴者も居て難聴の陪審員でも良く聞こえる様に補聴システムの充実が図られた」とのことで、この時の経験で、日本の裁判員制度に好感と期待を持つようになりました。

○ところがこの期待は破られそうです。民の国アメリカと違って日本はまだまだ「お上の国」で、上から民を見下し、障害者排除の姿勢が残っています。以下、毎日新聞ニュースを備忘録として残します。

<裁判員制度>「障害者拒まないで」連絡会が最高裁に要請
5月14日21時7分配信 毎日新聞

 東京都内の障害者団体などでつくる「障害をもつ人の参政権保障連絡会」のメンバーが14日、最高裁を訪れ、来年5月に始まる裁判員制度で障害者の参加を安易に拒まないよう要請した。

 最高裁は身体障害者が裁判員に選ばれた際には、選任手続きの書類を点字翻訳したり、審理・評議で手話や要約筆記を利用する方針を決めている。ただ、図面や録音テープなどを見聞きすることが不可欠な場合は、裁判員法の欠格事由に当たるとして選任しないケースもあり得るとしている。

 連絡会事務局の芝崎孝夫さんは「裁判所のバリアフリーについても障害者の目線で点検してほしい」と話した。

最終更新:5月14日21時7分

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