平成19年11月18日(日):初稿 |
○「弁護士は儲かる仕事ではない?とも言えないか」で、「平成17年の札幌、仙台等高裁所在地の弁護士でおそらく売上で3000~3500万円、経費を差し引いた申告所得で1500万円程度が平均的」で、「2006年事務年度仙台国税局個人課税調査で、宮城県の弁護士が報酬を除外して申告し、約1億5500万円の所得を隠し、約7500万円の追徴課税を受けた例があった」なんて景気の良い話をしました。 ○ところが本日平成19年11月18日日経新聞社会面トップに「弁護士の就職厳しく-新人『ノキ弁』増加中」と言う大見出しの記事が掲載され、私の所属するMLで、御大弁護士から、「(弁護士が)新聞の3面に就職が出来ない資格なんて記事が出る。(中略)今後、中学生がなりたい商売には(弁護士は)選ばれなくなります。」なんて嘆きの投稿があり、議論を呼んでいます。 ○私が弁護士を目指した昭和50年代当時の司法試験合格者は年間500人以下で合格率は2%を切り、50人に1人も合格しない超難関でしたが、合格後は三大特権によって事実上生活保障されているとの認識がありました。それ故、大学卒業後も弁護士を目指して就職せず司法試験受験勉強を続けました。 ○合格者が3000人の多数となり、且つ大学法学部を出た後に更に高い授業料での法科大学院2年間も通って卒業しなければ司法試験を受験できず、挙げ句に資格取得後の就職先もままならないとしたら弁護士になることのメリットが少なく弁護士志望を断念していたかも知れません。 ○しかし平成20年3月で弁護士生活28年を経過しますが、弁護士稼業を続ける内にたった1回の試験合格で生涯の生活が事実上保障される如き超難関試験には疑問を感じてきました。資格を取ってもそれだけでは安泰とならず、死ぬまで勉強が必要とされる仕組みの方が良いのではとも感じております。 ○その意味で現時点では、弁護士大量増員時代到来はやむを得ないところかとも思っております。弁護士志望の若い方には、折角、狭き門が広くなったのですから、資格取得後も死ぬまで勉強が必要との覚悟を持って志望継続して貰いたいものです。 ***************************************** 弁護士先輩事務所の机借り給料はなし、新人「ノキ弁」増加中 先輩の事務所の机を借りるだけで給料はもらわない「軒先弁護士(ノキ弁)」になる新人弁護士が増えている。司法試験の合格者が段階的に増え、就職先が減ったための苦肉の策だ。自宅を事務所として登録せざるを得ない“タク弁”の新人も目に付き始めており、日弁連は1人事務所に新規採用を促すなど、就職先の確保に努めている。 司法試験に合格後、司法修習を終えた新人弁護士は、まず先輩弁護士の事務所に就職し、給料をもらいながら仕事を覚える「居候弁護士(イソ弁)」になるのが一般的だった。(13:06) 以上:1,188文字
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