平成17年 8月 4日(木):初稿 |
○昨日、弁護士業務の有償周旋について、キチンとルールを定めて普通の遵法精神ある企業家も参入できるようにして整理屋等の餌食になる範囲を狭めるべしと言うのが私の考えですが賛同者が殆どいませんと記載しました。 ○しかしごく僅かですが、私の考えに同調していただける方もいて、ある弁護士は以下のように述べています。 ・現在、弁護士法72条により、弁護士は、営利の目的で弁護士を周旋することは禁じられ、その提携も提携弁護士として非難の対象となっている。しかし、弁護士人口が急激に増加し、顧客の需要を取り込むためには、弁護士のみが行うのではなく、民間の会社との共同ないしは民間の会社から弁護士が有料で事件を引き受けることも、適切に行われれば、アクセス障害の解消に繋がるのではないかとの意見が一部にある。 ・現に、大規模なコールセンターと共同して事件を受任している法律事務所もあり、また、顧問先から事件を紹介されることも多い。弁護士のマーケティングを弁護士が行うのも必要であるが、マーケティング専門の会社と提携する、弁護士紹介を業とする会社と提携することも、きちんとしたルール作りさえできれば、弁護士と顧客の需要をつなぐ機関として有用ではないかとの意見をこれから検討すべきである。 ○私もこのご意見に大賛成です。 どのような事業でも、仕事を紹介されたなら紹介料を支払うことはごく当たり前のことで、このことに罪悪感を持つ業界は、弁護士業界以外にはあり得ないはずです。 ○弁護士の仕事内容は、普通の売買等と異なり、紛争を抱えて困っている方々のいわば救済的仕事が多く、このような仕事の有償周旋を認めるといわば人の弱みにつけ込む事態が生じると言うことが弁護士業務の有償周旋禁止原則の根拠の一つです。 ○無制限に弁護士業務有償周旋を認めることは確かに弊害が発生する恐れもあり、この弊害発生抑止のためのキチンとしたルールが必要です。 そのルールとしては、大別して①参入事業者の資格制限、②勧誘方法、営業方法等の行為規制、③周旋報酬規制等が考えられます。 ○余り規制を強くしたのでは解禁の意味がなく、その調整が難しいところです。しかし現時点では、このような問題提起をすること自体許されないとするのが日弁連の大勢で、私が所属する日弁連業務改革委員会でさえ解禁のためのルールの検討すら出来ないのが歯痒いところです。 以上:975文字
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