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新司法試験制度-法科大学院について

平成16年10月10日(日):初稿 平成17年 5月15日(日):更新
昨日に引き続き、新司法試験制度-法科大学院についての話題です。
現行司法試験制度は、昭和24年から実施されていますが、年間僅か4~500人しか合格せず、合格率1~2%台と言う超難関時代が長く続き、難関と引換に特権的地位が与えられ、一生の安泰が事実上保証されました。

弁護士に関して言えば、独占(法律業務独占)、寡占(少人数で市場支配)、競争排除(統一料金と宣伝広告禁止)の3大特権で他業種のような営業努力をしなくても一生食べていける時代が続いてきました。

この制度に対し大きな批判の声が上がり、司法制度改革の名の下に、独占、寡占、競争排除の3大特権の何れもが徐々に剥奪されて来ました。その中で寡占排除制度が、新司法試験制度-法科大学院構想です。

私自身は、これまでの弁護士稼業は余りに恵まれすぎており、寡占排除即ち合格者数増員はやむを得ないと思っていました。
しかし、法科大学院構想は断固反対でした。大いなる無駄と思ったからです。

現行司法試験で単に合格者を増やし、司法研修所制度は、2年から3~6ヶ月程度に短縮して基礎研修をし、研修終了後、弁護士補資格を与えて、3~5年程度、弁護士事務所で実務経験を経て、本試験を受けて合格すれば、正弁護士、裁判官、検事になれると言うシンプルな制度を理想としていました。

法科大学院なんてお金をかけた机上の勉強より、実社会で生の人間相手の勉強の方がずっと身に付きます。今でも法科大学院なんて反対ですが、出来てしまった以上どうにもなりません。

○法科大学院について続けます。

私が法科大学院構想に猛反対した理由の一つは、余計なお金がかかることです。
法科大学院卒が司法試験受験資格になると、結局、お金がないと受験できなくなるからです。

私は、持病の中耳炎悪化で大学卒業と同時に気仙沼の実家に戻り、卒業3年目で合格するまで3年間実家で勉強しました。実家に戻ったのは、耳その他健康状態の不安と、部屋代節約のためでした。

父が65歳まで漁船員の激務を続けて「俺も頑張るから、お前も頑張れ」と励ましてくれたこと、又、気仙沼高校先輩のO弁護士のご紹介で、U修習生(当時)が、全く見ず知らずの私を全く無償で2年間、懇切丁寧に受験通信指導をしてくれたお陰で合格できました。

受験勉強中は無償の図書館に通い、かかったのは食費だけでしたが、法科大学院では、年間100万円近くの授業料が取られ、何より、地方から出た場合部屋代がかかり、2年間の法科大学院卒業まで5~600万円のお金がかかるそうです。

私のような立場の人間は、今の法科大学院制度では法曹の道を断念しなければならなくなります。要するに新司法試験制度では、親が医者などのお金持ちでないと医者になれなくなったように、お金持ちでないと弁護士になれなく時代が来る、だから絶対反対と表明してきました。

その法科大学院がスタート早々揺れています。

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