令和 7年 5月10日(土):初稿 |
○令和7年から17年近く前に記載した記事ですが「弁護士への債務整理依頼とブラックリスト」に、自己破産、個人再生、任意整理等の事故情報は原則として7年間保存され、その間、金融機関からの新たな融資を受けることはできなくなる旨記載していました。自己破産申立に限らず債務整理等を弁護士に依頼し、当初の約束通りの返済ができなくなるといわゆるブラックリストに登録され、債務整理終了後、少なくとも7年間は金融機関からの借入はできなくなると覚えていました。 ○しかし、今般、あるお客様から、日本政策金融の再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)制度の存在を教えられました。 その制度趣旨は 一旦事業に失敗した起業家の経営者としての資質や事業の見込みなどを評価することにより、再起を図るうえで困難な状況に直面している方の再挑戦を支援します。 とあり、 ご利用頂ける方の要件として 新たに開業する方または開業後おおむね7年以内の方で、次のすべてに該当する方 ①廃業歴等を有する個人または廃業歴などを有する経営者が営む法人であること ②廃業時の負債が新たな事業に影響を与えない程度に整理される見込みなどであること ③廃業の理由・事情がやむを得ないものなどであること とあり、 「廃業歴などを有する経営者」とは破産・債務整理等による廃業歴も含むそうです。 ○この制度趣旨を解説している「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)とは? 自己破産・廃業経験者のための融資制度」というサイトによると 「自己破産した方や廃業経験者の方のためにある、意外と知られていない融資制度「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」をご紹介します。」として、 「負債を抱えた廃業は、自己破産した場合も当てはまります。負債を返済できず自己破産してしまうと、通常は融資の申し込みが難しくなるかもしれません。再挑戦支援金は自己破産による廃業も含むため、自己破産した人でも条件に当てはまります。」 「自己破産してから再挑戦支援資金に申し込む場合は、自己破産後に「免責」されてから手続きしてください。免責されていないと、返済能力に問題があると判断される恐れがあります。」 と説明されています。 ○利用要件としてブラックリストに登録された事業者でも、「③廃業の理由・事情がやむを得ないものなどであること」が要件として最も重要で、且つ、これをクリアすることが難しそうです。債務超過に陥る原因として、浪費や無謀な借入の繰り返しが明らかな場合は、この要件を満たさず、利用は不可能と思われます。コロナ過での予想外の急激な売上低下等事業者本人の努力ではどうにもならない倒産原因であれば利用は可能と思われます。 ○日本政策金融公庫にこのような融資制度があることは全く知らず、不勉強を恥じ入りました。これからは事業倒産整理の相談に来られた方には必ずお伝えします。 以上:1,170文字
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