平成19年 7月22日(日):初稿 |
○私は、弁護士1年生の秋、たまたま郷里気仙沼のある企業K社が負債総額約5億円を抱えて返済が極めて厳しい状況になっているとのことで、その事業倒産整理相談を受けたことがありました。当時、沼波法律事務所の勤務弁護士をしていましたが、司法試験受験勉強を郷里気仙沼で2年間続けて、その間、気仙沼で司法書士試験を目指して受験勉強をされている方2名とゼミを組んで一緒に民法の勉強をした関係で、弁護士になってからそれらの方々から事件を紹介され、沼波先生のお許しを得て1週間に1日は気仙沼に帰り、気仙沼の方々の法律相談を受けていました。 ○その中の相談の一つが上記負債総額5億円もの事業債務整理事件で、当時の私としては大型の倒産事件相談であり、到底、1年生弁護士の私の手には負えず、「仙台市長選雑感」で紹介した私が弁護士になることが出来た恩人の一人である小野寺信一弁護士に相談して、同弁護士に任意整理を依頼しました。 ○当時、小野寺信一弁護士は、事業任意整理事件に積極的に取り組んでおり、事業整理においては、財務関係の計数処理が必要なため同弁護士の気仙沼高校の同級生で仙台で税理士事務所を開業していたH税理士とタッグチームを組んで事業債務整理に当たっていました。 ○そこでK社の任意整理事件は、小野寺信一弁護士とH税理士に依頼することとなり、一応、私も代理人の一人となって小野寺信一弁護士とH税理士の事業債務整理事件のやり方を見せていただくことになりました。そしてこれが後に私が事業任意債務整理事件に取り組むきっかけとなりました。 ○小野寺信一弁護士は当時弁護士6年目の若手弁護士でしたが、既に10数件の事業任意債務整理事件をこなしていました。同弁護士は、事業任意債務整理事件は、事件毎にそれぞれ違った顔があり、ケースバイケースでその事件処理に当たることが重要であるとお話になり、K社の場合、任意整理を円滑に遂行するには2名の大口債権者を押さえることが必要だと言うことで、型通りの一斉受任通知は出さず、大口債権者2名と秘密裏に接触することから始まりました。 ○そして2名の大口債権者に状況を詳細に説明し、今後のK社倒産による債務整理方針について2名の大口債権者の協力を取り付けることに成功して、その後、全ての債権者にK社の倒産整理についての通知を出し、2名の大口債権者の協力の元にK社の任意債務整理事件を遂行しました。 ○私は当時全く駆け出しの弁護士で正に事業整理について正に右も左も判らない状況でしたが、小野寺信一弁護士について回って同弁護士のやり方を見て大変貴重な勉強をさせていただき、この事件がきっかけでその後、私自身も好んで事業者の任意整理事件に積極的に取り組むようになりました。この意味でも小野寺信一弁護士は私の大恩人です。 以上:1,145文字
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