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73歳主婦基礎収入を約207万円と認定した地裁判決紹介

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令和 5年10月 4日(水):初稿
○主婦が交通事故で後遺障害を残した場合の基礎収入は、賃金センサス女子全平均年収約386万円を基準に1か月約32万円として請求します。しかし女年代別賃金センサスでは、年収が60~64で約338万円、65~69で307万円、70歳以上286万円と全平均を下回り、この金額を基準に基礎収入を主張しなければなりません。高齢になると身のまわりの世話をする家族が居なくなり、居ても夫一人だけになると、加害者側保険会社は基礎収入をさらに小さく主張して争いになります。

○73歳主婦が、自賠責後遺障害14級を認定された場合の基礎収入について争いとなり、身のまわりの世話をする家族が75歳の夫一人の場合、基礎収入を70歳以上の年収286万円の70%相当額207万円と認定した令和4年1月11日大阪地裁判決(自保ジャーナル2140号104頁)関連部分を紹介します。夫が75歳で退職し、本件事故当時は無職で、特に日常生活に支障を生じるような心身の問題等はなかったので夫が自身の身の回りのことや原告が担っていた家事の一部を分担することは可能であったことが減額の理由で、高齢主婦にとっては厳しい認定です。

○原告側過失相殺を30%と認定され、治療費が約203万円と大きかったことから大幅損益相殺となり請求額約547万円が認定額約50万円と大幅減額認定となりました。

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主   文
1 被告は,原告に対し,49万9055円及びこれに対する令和元年6月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し,その9を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

事実及び理由
第一 請求

 被告は,原告に対し,547万2966円及びこれに対する令和元年6月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第二 事案の概要

     (中略)

第三 当裁判所の判断
1 争点(1)(事故態様及び過失割合)について


     (中略)

3 争点(3)(原告の損害額)について

     (中略)

(5)休業損害 30万0188円
 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,本件事故当時73歳であり,配偶者である夫(昭和15年○○月○○日生)と2人で暮らしており,原告が家事全般を担っていたことが認められる。他方,原告の夫は75歳で退職し,本件事故当時は無職で,特に日常生活に支障を生じるような心身の問題等はなかったことを踏まえれば,原告の夫が自身の身の回りのことや原告が担っていた家事の一部を分担することは可能であったというべきである。これらの事情を考慮すれば,原告の基礎収入については,平成30年賃金センサス女子70歳以上学歴計の平均賃金296万2200円の70%に相当する207万3540円(日額5680円)と認めるのが相当である。

 また,原告は,本件事故後2日間入院し,事故後約1ヶ月間は疼痛やめまいの症状が強く出ていたが,次第に症状が回復し,平成30年6月2日以降は自転車で通院することができる状態になったこと(上記(4))といった原告の症状の内容や経過等を考慮すれば,入院日の2日は100%,退院後1ヶ月である平成30年3月16日から同年4月15日までの31日は60%,同月16日から同年6月1日までの47日は30%,同月2日から同年9月30日までの121日は15%の限度で家事労働に支障が生じたと認めるのが相当である。

 したがって,原告の休業損害は,5680円×(2日+31日×0.6+47日×0.3+121日×0.15)=30万0188円と認められる。

(6)傷害慰謝料 83万円
 原告の傷害の程度や入通院期間等を踏まえれば,傷害慰謝料としては83万円が相当である。

(7)後遺障害逸失利益44万8869円
 上記2(3)のとおり,原告には,後遺障害等級14級に相当する腰痛や右肘痛の後遺障害が残存していることが認められるところ,その程度や内容等を踏まえれば,原告は,その労働能力を5年間にわたり,5%喪失したものと認められる。原告の基礎収入は,上記(5)のとおり,207万3540円とするのが相当であるから,後遺障害逸失利益は,207万3540円×0.05×4.3295(労働能力喪失期間5年に対応するライプニッツ係数)=44万8869円と認められる。

(8)後遺障害慰謝料 110万円
 原告の後遺障害の程度や内容等を踏まえれば,後遺障害慰謝料としては110万円が相当である。

(9)小計 455万7187円

(10)過失相殺後の金額 319万0031円

(11)損益相殺後の金額 45万9055円
ア 原告は,被告側から,治療費等として合計202万7106円の支払を受けているところ(争いなし),これを上記(10)から控除すると,残元金は116万2925円となる。

イ また,原告は,令和元年6月5日に自賠責保険金として75万円の支払を受けているところ(争いなし),同額について本件事故日から令和元年6月5日までに発生した遅延損害金は,75万円×0.05×449日÷365日=4万6130円である。
 そして,自賠責保険金75万円について,上記遅延損害金,元金の順に充当すると,残元金は45万9055円となる。

(12)弁護士費用 4万円
 本件事案の内容,訴訟の経過,認容額等を考慮すれば,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用としては4万円が相当である。

(13)合計 49万9055円
以上:2,307文字

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