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平成27年日本交通法学会参加-講義は受講者のためにあると自覚すべき

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平成27年 5月25日(月):初稿
○「平成27年日本交通法学会参加-初参加以来11年目になりました」を続けます。
平成16年日本交通法学会定期総会定期総会参加の理由は、交通事故実務第一人者の高野真人弁護士から日弁連業務改革委員会新分野PT一員として交通事故分野弁護士取戻策の協力を取り付けることが目的で、懇親会にも参加してその旨お伝えしました。しかし、高野先生は、交通事故業務開拓に関してはあまり興味をお持ちでないように感じました。

○このように日本交通法学会定期総会初参加の目的は、交通事故法分野の学識を得ることではありませんでした。しかし、その時高野先生の講演を聴いて、「日本交通法学会初参加感想」に「初めてごく一部に参加しただけで実務的に大変勉強になる学会と実感し、今後は出来るだけ参加しようと思った次第」でした。

○平成27年5月22日開催定期総会のシンポジウムテーマは「損害賠償の調整」として、立命館大学法学部教授石橋秀起氏の「過失相殺法理の今日的課題」、小樽商科大学商学部准教授永下泰之氏の「訴因減額の本質と現状」、愛知学院大学法学部准教授前田太朗氏の「損益相殺的調整の現代的意義と課題」の3つでした。

○上記3人の若い研究者の講義を聴いて実感したことがあります。3番目の愛知学院大学法学部准教授前田太朗氏の「損益相殺的調整の現代的意義と課題」は、「労災遺族年金と相殺・損賠算出法巡る弁論再開最高裁大法廷判決紹介」で紹介した平成27年3月4日最高裁判決に関するもので、大変重要なテーマです。同准教授は、詳細なレジュメを準備され、相当力を入れてこの講義に臨んだことがうかがえました。

○しかし、その講義は、先ずマイクから離れて声が小さく、且つ、結構な早口で、難聴者の私には大変聞き取りづらいというか、殆ど話の内容が頭に入らないものでした。何より、早く話すことを意識されて早口で話されるのは、講義を聴くものにとっては大変辛いものだと実感しました。1番目の石橋秀起教授の話は、声をもよく通り、発音も明瞭なところに、ゆっくり落ち着いて話すことを心がけて、大変聞き取りやすい講義だったので対照的でした。

○前田太朗氏の講義に関して、質疑・応答の時間に長老の大先生から、「あなたの話はサッパリ判らなかった」と厳しく指摘されていました。懇親会の挨拶で、ご本人から講義準備中に話すべき内容が増えすぎてレジュメも長くなり、全部話すために早口になってしまった旨弁解されていました。講義は、講義者の自己満足のためのものではなく、聴講者に話の内容を伝えるためにあるべきと実感しました。

○私自身も、セミナー等他人の前で話す機会がありますが、これまでの経験を振り返ると、聴講者に伝えるとの意識が欠けていたのではないかと反省すべきことを痛感しました。私の話も、いつも早口すぎると文句を言われることが多かったからです。相手に伝えるためには、特に重要なポイントについては、噛んで含めるようなじっくり落ち着いて話すことの重要性を実感し、反省しました。

○6月に久しぶりの桐初心者講義を予定していますが、従前はあれも伝えたい、これも伝えたいと短時間に早口でまくし立てて、受講者から「頭がパンクしそうです」と苦情を言われたことがあります。これを反省して、じっくり、ゆったりとやりたいと思っております。
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