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聴覚障害と自賠法施行令別表第2後遺障害等級

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平成23年 7月27日(水):初稿
○交通事故による傷害を原因として聴覚障害を残して後遺障害認定された例は、余り聞いたことがありません。むち打ち症候群で、耳の聞こえが悪くなったとの例は多数ありますが、後遺障害を認定される程になった例を取り扱ったことはありません。交通事故で顔面や頭部に衝撃を受け、聴覚神経の集まる内耳に損傷を受けたような場合、聴覚障害が発生すると思われますが、私が取り扱った例では、未だありません。

○おそらく交通事故による傷害での聴覚障害後遺障害等級認定例は少ないものと思われますが、私自身聴覚障害者と言うこともあり、自賠法施行令別表第2での聴覚障害の程度による後遺障害等級を軽い方から概観します。

○14級
1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

これは1耳の平均純音聴力レベルが40db以上70db未満のものをされています。
きこえとことばの発達情報室」の「難聴の程度の分類について」に日本医師会雑誌2000/3/15(第123巻・第6号)小寺一興帝京大医学部耳鼻咽喉科教授の論文での分類から始まって各機関の分類を解説しています。

私自身は、3,4歳頃患った右耳化膿性慢性中耳炎で右耳の鼓膜が3分の2程失われ、更に小学生頃から始まった左耳滲出性中耳炎のため、高校時代までは耳鼻科通いが年中行事となっており、小学時代から難聴と言われてきました。しかし30歳頃までは、平均純音聴力レベルは、30dbから40db程度でいわゆる軽度難聴で、補聴器も使っていませんでした。
それが30代半ば過ぎた頃から、裁判官の言葉が聞き取りづらくなり、補聴器を使用するようになりました。この補聴器が必要と感じた時期は、聴力レベルが40dbを超えた時期と思われます。補聴器が必要になって初めて後遺障害等級が認められることになります。

○11級
・両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

この説明は上記の通りです。

・1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

この「40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度」とは、1耳の平均純音聴力レベルが70db以上80未満のもの又は、1耳の平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のものとされています。
語音明瞭度検査は、検査語に収録した語音表を、一定の大きさの声で読み上げ、これを被検者に聞き取ってもらい、正しく答えられた語数を%で表すもので、全部正解すれば最高明瞭度100%になります。
私の場合、語音明瞭度検査結果は良い方でしたが、30代半ば右耳が50db前後、左耳も40db前後になっていたところ、聴力レベルは加齢と共に低下し、40代半ばで右65db前後、左60db前後になり、50代に入ると右75db、左70dbになり、50代初めに身体障害福祉法で聴覚障害6級が認定され、障害手帳を受領し、身体障害者の仲間入りしました。
まもなく還暦になる現時点では右耳80db、左耳75db程度になっており、補聴器無しでは、耳元で大きな声で話して貰わない限り、会話が不可能です。

○10級
・両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの


・1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの


○9級
・両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・1耳の聴力を全く失ったもの


○7級
・両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの


○6級
・両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
・1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの


○4級
・両耳の聴力を全く失ったもの

以上:1,758文字

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