平成22年 4月20日(火):初稿 |
○「交通事故後後遺症脳脊髄液減少症-学会希に認める」の続編です。 この記事を見た読者の方から、「いつも楽しくHPを拝見させていただいております。さて、低髄液圧症候群についての最近の報告が、日本脳神経外傷学会HPにおいて、平成22年4月9日より公開されています。 https://www.neurotraumatology.jp/#10_report 診断基準については画像の取扱いがより明確化されたのかなぁ(ただし別添(参考資料)を見ていませんが)、などと感じております。」 との情報を頂きました。有り難うございました。 ○同HPは、「頭部外傷に伴う低髄液圧症候群作業部会」からのお知らせの下に、「頭部」が取れた「外傷に伴う低髄液圧症候群診断のフローチャート、低髄液圧症候群の診断基準」との表題になっていることが重要で、「『頭部外傷に伴う低髄液圧症候群』の診断基準に関する報告と、外傷に伴う低髄液圧症候群診断のフローチャート、その他を公開しました。下記リンクよりダウンロード出来ます。(2010.4.9)」と記載されています。 ○その要旨を備忘録として残します。 1.「頭部外傷に伴う低髄液圧症候群」の診断基準などについて」平成22年3月吉日 ・、医療費の支払いなどについて社会的な問題点が指摘されている“外傷に伴う”低髄液圧症候群(他の呼称も知られている)に関して、専門学会または専門医としての意見を少なからず求められていた。 ・、作業部会は平成20年から21年にかけて前向き調査を行ない、平成22年3月に行なわれた第33回本学会・学術集会(東京,千葉県循環器病センター院長小野純一会長)において、その結果を速報として発表した。 ・“外傷に伴う”低髄液圧症候群は我が国においても存在するが、極めてまれであることも確認することができた。更に、診断の為のフローチャートと症候学的並びに神経放射線学的なポイントについての解説も加えている。 2.作業部会まとめ(平成22年3月) 外傷に伴う低髄液圧症候群前向き調査を引き続き継続した。2009年8月31日に登録が締め切られた。全登録症例数は12施設から登録された25症例だった。全ての症例について主治医とのカンファレンスを含めて詳細な検討を行った。その結果の詳細については次年度に学会誌にて報告を予定しているが、その概要については本作業部会報告内にて掲載する。 3.前向き調査結果報告(速報)(平成22年3月) 全登録症例数: 25例 全登録施設数: 12施設 全登録症例の作業部会における最終判断 外傷に伴う低髄液圧症候群 確診例 4例 非確診例 19例 非確診例と判断した症例の特徴について 受傷機転 ・ 交通事故が多い 発症や診断までの時間 ・ 受傷から発症までの期間が長い ・ 受傷から診断までの期間が長い 症状 ・ 起立性頭痛が非典型的な例が多い 画像 ・ MRI硬膜増強像を呈する症例がない ・ 直接的に髄液の漏出を示す画像は殆んどない ・ 腰部からの漏出が多い 治療と経過 ・ 安静・補液を行った症例が少ない ・ EBPから効果発現までが長い ・ 完治例が少ない 4.診断基準、フローチャート(平成22年3月) 以上:1,297文字
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