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交通事故による傷害での視力低下検査法-ERG検査

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平成22年 1月21日(木):初稿
○交通事故で眼球或いは眼球周辺部に傷害を受け、傷害治癒後に視力低下・視野障害等の視神経機能が低下した場合、自賠責保険が外傷性視神経障害を認めるのは、眼球自体或いは視神経に器質的損傷がある場合に限られます。この器質的損傷が認められない場合、いくら視力が低下した或いは視野狭窄となったとの視神経機能の低下を訴えても、ホントは見えているのに見えないふりをしている詐病と決め付けられ、或いは交通事故とは無関係として視機能低下による後遺障害は認定されません。

○このように本人が訴える視力障害が、視力低下原因の調査において前眼部、中間透光体、眼底部等或いは視神経自体に器質的損傷が認められない場合、電気生理学的検査ERG(electroretinogram)、更には視覚誘発電位検査(VEP、visual evoked potentials)が必要になります。視覚誘発電位検査(VEP)は、フラッシュVEPとパターンVEPの2種があり、その検査結果の解読もまた結構難しいもので、今回はこのホントに見えないのかどうかの検査方法についての備忘録です。

○先ず網膜電図検査(ERG検査)は、光刺激によって網膜全体から発生する電位を記録する検査方法です。わかりやすく言うと、網膜に強い光を当てその電位変化を記録、その波形から網膜の働きが正常かどうか調べる検査です。このERGが有用である対象は次の通りです。
・中間透光体の混濁により眼底が見えない場合

・夜盲性疾患の診断と鑑別

・網膜全体に機能以上があるかどうかの鑑別

・網膜血行不全

・乳幼児の網膜機能検査

○ERGの検査方法は次の通りです。
 被験者は、仰臥用枕の寝かされ散瞳薬(瞳孔を拡大する薬)を点眼されます。
 暗順応開始前に明室で電極を準備し、不関電極は前額部中央、接地電極は耳たぶに設置する。
 続いて30分の暗順応の後、暗所の赤色光下でペプシノールを点滴して局所麻酔をし、角膜電極の内側にスコピゾールを2,3滴落として角膜上に装着。
 その後、キセノンフラッシュを発光して波形計測等記録する。

 この検査を具体的にリアルに解説しているのが、視能訓練士のヒトリゴト◇眼科でも心電図みたいな検査!?◇です。

○検査成績の判定は以下の通りです。
 強い白色閃光刺激によるERGでは、正常でa波、b波、律動小波(OP)が観察され、振幅はa波よりb波が大きいとのことです。a波(視細胞由来)、b波(双極細胞由来)、OP全て平行して減弱している場合、網膜剥離、ぶどう膜炎が、a波の振幅が正常でb波の振幅がa波のより、小さくなるnegativERGを示す疾患には先天停止性夜盲、先天網膜分離症などがあります。





















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