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平成21年 3月10日(火):初稿 |
○「H19.2.13福岡高裁脳脊髄液減少症否定判決解説2-衝撃と傷害程度内容」に続いて、裁判所の判断について、便宜上、H17.2.22福岡地裁行橋支部脳脊髄液減少症初認容判決を認容判決、H19.2.13福岡高裁脳脊髄液減少症否定判決を否定判決と呼んで説明します。 認容判決では 原告は、本件事故により、以下の損害を被った。 ア 治療費 109万5,341円 イ 入院雑費 14万4,000円 ウ 通院交通費 33万3,060円 エ 文書料 2万8,400円 オ 休業損害 560万6,640円 原告は、本件事故の前、母親の看病をしていたものである。 カ 傷害慰謝料 230万円 キ 弁護士費用 90万円 の合計金1040万7441円の請求について 認容判決は ア 治療費 109万5,341円 イ 入院雑費 14万4,000円 ウ 通院交通費 33万3,060円 エ 文書料 2万8,400円 カ 傷害慰謝料 230万円 については、原告主張金額を全額損害と認めました。 ただし、オ休業損害金560万6,640円については金35万4767円しか認めず、その結果、キ弁護士費用も金40万円を認め、合計で金465万4338円を損害と認めました。 ○これに対し否定判決では ア 被控訴人 (ア) 治療費 109万5341円 (イ) 入院雑費 14万4000円 (ウ) 通院交通費 33万1830円 (エ) 文書料 2万8400円 (オ) 休業損害 559万4042円 (カ) 傷害慰謝料 230万円 (キ) 弁護士費用 90万円 (ク) 合計 1039万3613円 の請求に対し、 (ア) 治療費 106万7341円(認容判決から2万8000円減) (イ) 入院雑費 7万2000円(認容判決から7万2000円減、心因性減額あり) (ウ) 通院交通費 8万円(認容判決から25万3060円減、心因性減額あり) (エ) 文書料 2万8400円(変わらず) (オ) 休業損害 190万7233円(認容判決から155万2468円増、心因性減額あり) (カ) 傷害慰謝料 75万円(認容判決から155万円減、心因性減額あり) (キ) 弁護士費用 40万円(変わらず) の合計金430万4974円を損害と認めました。 ○上記の通り、結論だけ見ると被害者請求額に対する認容金額の割合は、認容判決が44.7%、否定判決41.4%で僅か3.3%減になっただけです。確かに認容判決に対し、否定判決は「被控訴人の頚椎捻挫の症状が長期化した背景には,被控訴人の心因的要素があると考えざるを得ない」として心因性減額をしていますが、認容判決で否定した休業損害部分を認めてバランスを取っています。実務においては、当該症状によって現実に生じた損害を丹念に、きめ細かに主張立証することが極めて重要であることが示唆されています。 以上:1,207文字
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