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2025年03月01日発行第384号”シャイロックの弁護 ”

令和 7年 3月 1日(土):初稿
○横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和7年3月1日発行第384号「シャイロックの弁護 」をお届けします。

○大山先生、「還暦を過ぎても新しいことにトライしようと思い、生成AIを勉強し、これまでの演劇シリーズのニュースレターを読み込ませて、「ヴェニスの商人を題材に同じような文章を作ってください」と指示しました。CHATGPTとGoogleGeminiで、10秒もしないで出てきた文章も添付しておきます。」とのことで、その生成AI作成の「偽大山ニュースレター」も後記しました。

○私は生成AIは、全く勉強したことはありませんが、僅か10秒以内で出てきたという「偽大山ニュースレター」の文章を見て驚嘆しました。いかにももっともらしい記述の本文に加えて、「弁護士より一言」もいかにも大山先生らしく記載されて居ます。凄いものです。

○しかし、内容の正確性といい、文章の自然な流れといい、本物の大山ニュースレターには、到底、かないませんね。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

シャイロックの弁護

シャイロックといえば、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」に出てくる、ユダヤ人の高利貸です。恨みを持っているキリスト教徒にお金を貸すにあたり、約束通りに返済できないときには、胸の肉1ポンドをもらい受けるという契約をします。そして、本当に返済ができなくなるや、胸の肉1ポンドを求めてヴェニスの裁判所に訴訟を提起します。この借主を助けるために、裁判官に扮した女性がシャイロックを言い負かせて、やっつけるという劇です。全体的に、ユダヤ人に対する差別に満ち溢れています。シェイクスピアの時代のキリスト教徒たちは、無邪気に楽しんでいたんでしょうが、今となっては大問題になりそうな内容です。

そこで現代では、内容はそのまま同じでも、作る方も見る方も、劇全体を「ユダヤ人の悲劇」としてとらえることになっています。劇の中でシャイロックは主役であり、私が見たお芝居では猿之助や草彅剛が演じていました。それまでに散々迫害されてきたユダヤ人のシャイロックの苦しみや、絶好の機会をとらえてキリスト教徒に仕返ししてやろうという思いをうまく表現していたのです。この劇の見どころは、なんといっても法廷の場面です。シャイロックは、契約を盾に「正義」を求めます。当時の常識では、相手はユダヤ人ですから、権力で押さえつければ解決しそうです。

しかし当時のヴェニスは一大貿易都市です。いろいろな人達が活躍している。多民族国家のアメリカでは契約が大切なのと同じで、法による安定性がないと、国として成り立たない。契約が守られないとなると、多くの商人たちが寄り付かなくなるという問題があったそうです。ちなみに、こんな契約が現代日本の裁判所で審議された場合は、解決はとても簡単です。胸の肉1ポンドをとるなんていうのは「公序良俗」に反するから無効ということで、直ぐに解決してしまうんです。

しかし、ヴェニスの商人の芝居の中で、こんなに簡単に解決してしまったら面白くもなんともない。芝居を盛り上げるように色々なやり取りがなされます。裁判官は、まずはシャイロックに対し、情に訴えて説得しようとします。相手に対して慈悲の心を持つようになんて言うわけです。慈悲は義務じゃないだろうなどと反論するシャイロックに「慈悲は義務によって強制されるものではない。天から降ってきて大地をうるおす、恵みの雨のようなものなのだ」なんて有名なセリフが出てきます。

現代日本でも、裁判官が情に訴えて和解を目指すことはよくあります。しかし、シャイロックは、こんな言葉には動かされない。あくまでも、契約通りの「正義」を求めます。そこで裁判官は、契約書の文言通りに執行すると言い出します。それを聞いたシャイロックは喜びますが、裁判官の言葉には続きがあります。胸の肉1ポンドと契約書には書いてあるのだから、取ってよいのは「肉」だけであり、血は一滴も流してはいけない。1ポンドと書いてあるので、わずかでも多くても少なくてもいけないといわれます。この屁理屈?でシャイロックがやり込められるという劇です。

これを見て、多くの人はスカッとしたのでしょうけど、法律家の間ではかなりの議論が起こったそうです。こんな理屈が通用するなら、通常の商取引なんてできなくなるというわけです。土地を借りた人が、靴底についた砂を一粒でも外部に持ち出したら契約違反となってしまいます。牛肉1キロ購入した人が、「買ったのは肉だから、血が一滴でも入っていたら契約違反」というのは確かにおかしい。私がシャイロック側の弁護士だったら、こんな風に弁護したいと思うのです。シャイロックの一番の失敗は、訴訟に弁護士を付けなかったことだと思うのでした。

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◇ 弁護士より一言

息子から、「LGBTQの『Q』ってなんだっけ?」と質問されました。とっさに、「オバケに対する差別禁止だよ」と答えたのです。案の定白けたんですが、別に「おやじギャグ」だからというわけではなくて、単純に何を言っているのか、分からなかったそうです。オバQを知らないなんて、かなりショックを受けたのでした。降る雪や オバケは遠く なりにけり。。。


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GOOGLE GEMINI 作 偽大山ニュースレター
弁護士のシャイロック


シェイクスピアの喜劇「ヴェニスの商人」に登場するシャイロックは、金貸しであり、ユダヤ人という、当時としては偏見の対象となる人物として描かれています。彼は、主人公アントニオとの間で、奇妙な契約を結びます。アントニオが友人のために借金をする際、担保として自分の肉1ポンドを提供するというものです。

現代の法律家から見れば、人体の肉を担保にするなど、契約として成立するはずがありません。しかし、シャイロックはアントニオに個人的な恨みを抱いており、その復讐のためにこの契約を利用しようとします。

やがてアントニオは約束の期日にお金を返済できなくなり、シャイロックは契約に基づき肉1ポンドの権利を主張します。裁判の場において、シャイロックは「契約は絶対である」と主張し、アントニオの肉を切り取ろうとします。

しかし、アントニオの友人の恋人であるポーシャが男装して弁護士として登場し、機転を利かせた論法でシャイロックを追い詰めます。ポーシャは、契約では肉1ポンドの提供のみが定められており、血を流すことは許されていないと指摘します。血を流さずに肉1ポンドを切り取ることは不可能であるため、シャイロックの要求は認められないと結論付けます。

この裁判の結果、シャイロックは敗訴し、財産を没収されることになります。彼の強欲さと復讐心は、法廷で思わぬ形で裏目に出たのです。この物語は、一見すると勧善懲悪の単純な喜劇のように思えますが、実際には差別や偏見、法の限界といった現代社会にも通じるテーマを含んでいます。

シャイロックは、悪役として描かれてはいますが、その背景にはユダヤ人に対する差別や偏見が存在し、彼の行動はそうした社会状況に対する反発として解釈することもできます。法的な観点から見ると、シャイロックの契約は、現代社会では到底許容されるものではありません。しかし、彼の行動は、法の条文だけでなく、その背後にある社会的な文脈や個人の感情を考慮することの重要性を示唆しています。

弁護士として、依頼人の権利を守るためには、法的な知識だけでなく、社会状況や個人の感情に対する深い理解が必要となります。「ヴェニスの商人」は、単なる喜劇としてだけでなく、現代社会における法と倫理、正義と寛容といった問題を考えさせる作品としても、その価値を再認識することができます。

◇ 弁護士より一言
先日、法廷で傍聴席に座っていたら、後ろの席の女性から話しかけられました。 「先生、先生ですよね?いつもニュースレター、楽しく拝読しています!」 うれしいやら恥ずかしいやら、複雑な気持ちになりましたが、これも弁護士冥利に尽きるというもの。 今後とも、読者の皆様に楽しんでいただけるようなニュースレターを執筆していきたいと思います。


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CHAT GPT 作 偽大山ニュースレター
弁護士の「ヴェニスの商人」

シェイクスピアの「ヴェニスの商人」は、法廷劇としても有名な作品です。あるユダヤ人高利貸シャイロックが、商人アントーニオにお金を貸す際に「期限までに返せなかったら、お前の胸の肉1ポンドをいただく」という契約を交わします。そして、いざ期限が過ぎると、シャイロックは法廷で契約の履行を求めます。
これは、契約と正義、そして慈悲の物語。法廷を舞台にしたこの劇は、弁護士の世界にもそのまま当てはまります。
商売における契約の重要性、そして冷徹な法の運用が、時に正義を超えてしまう危険性を私たちに教えてくれるのです。

第1幕『契約とリスク』
ヴェニスの商人アントーニオは、友人バッサーニオのためにお金を借りることになります。しかし、資産はすべて商船に投資中。仕方なく、高利貸シャイロックから借金をします。シャイロックは金利を取らない代わりに、「もし返せなかったら、お前の胸の肉1ポンドをもらう」という異常な契約を提案。アントーニオは「どうせ払えるから大丈夫」と軽く考え、契約書にサインしてしまいます。
一方、新人弁護士アントーニオも、ある企業と顧問契約を結ぶことになりました。相手は業界で有名な手強いクライアント。「細かい契約条項はあとで確認しますから」と、十分に内容を精査せずに契約を交わしてしまいます。「どうせ問題は起きないだろう」と楽観視していたのですが…。

第2幕『危機の到来』
悲劇は突然訪れます。アントーニオの商船が嵐で沈み、資金が返せなくなってしまうのです。シャイロックは容赦なく契約の履行を求め、裁判へと持ち込みます。「契約は契約。情けは無用!」と主張し、法廷は騒然となります。
弁護士アントーニオもまた、気がつけば窮地に立たされていました。顧問契約を結んだ企業が、想定外のトラブルに巻き込まれ、その責任を押し付けられそうになったのです。
「先生、契約書のこの部分、確認しましたか?我々に不利な条項があるんですけど」
「え…そんなはずは…」
細かい部分を精査せずにサインしたことが仇となり、彼は法廷で追い詰められていきます。

第3幕『法と抜け道』
裁判で、シャイロックは一歩も譲りません。「契約を守らないなら、法律の意味がない」と主張します。誰もが「アントーニオ、終わったな…」と思ったその時、バッサーニオの恋人ポーシャが変装して法廷に現れます。彼女は「契約書には『肉 1ポンド』とあるが、『血』については書かれていない」と指摘。つまり、「一滴の血も流さずに肉を取ら
なければならない」と詰め寄ります。シャイロックはこれに対応できず、敗北を喫します。
弁護士アントーニオも、必死の策を練ります。契約書の文言を精査し、「クライアントの責任範囲を超える要求は無効」とする判例を持ち出して反論。なんとか相手側の主張を覆し、窮地を脱します。
法は、解釈次第で大きく変わるもの。「契約は絶対」ではなく、時にその厳格さが不公平を生むこともあるのです。

第4幕『正義と慈悲』
裁判で敗れたシャイロックは、逆に財産を没収され、ユダヤ教からキリスト教へ改宗させられるという屈辱を受けます。契約の執行を求めた彼が、最後には「慈悲を受ける側」になってしまうのです。
弁護士アントーニオも、事務所内での評価が変わります。勝訴したものの、「そもそも最初に契約をちゃんと確認しなかったのが問題では?」と上司に指摘され、信頼を失います。
「契約と正義、そして慈悲」。どこにバランスを取るべきか。弁護士としての仕事は、単なる法の執行ではなく、依頼者の未来を守ることなのです。

◇ 弁護士より一言
弁護士の仕事では、「契約書をよく読め!」と何度も言われます。でも、実際には「どうせ大丈夫だろう」と思ってしまうこともあるもの。そんな油断が、後になって大きなトラブルにつながることがあります。
ちなみに、最近「俺がこの家のルールを決める!」と宣言したら、妻に「じゃあ、家事契約書を作ろう」と言われました。細かい条項を読んでみると、「週3回の食器洗い、ゴミ出しは原則あなたの担当」と書かれている…。どうやら、契約は慎重に結ぶべきだと改めて学んだのでした…。

以上:5,255文字

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