仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター3 >    

2024年09月16日発行第373号”弁護士のマイ国家(2)”

令和 6年 9月17日(火):初稿
○横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和6年9月16日発行第373弁護士のマイ国家(2)をお届けします。

○「政府とは、体裁の良い一種の義賊なんだな。大掛かりに国民から金を巻きあげる。その親分がまずごっそりと取り、残りをかわいそうな連中に分けてやれと子分に命じて渡す」との説明での一種の義賊は、財務省のことを言っているのではと感じました。ザイム真理教を書いた森永卓郎氏は、財務省では増税が勝ち、減税が負けで、増税を実現した財務官僚は高く評価されその後出世し、最終的には豪華な天下り先が用意され、数千万円の年収と個室・専用車・交際費等1億円以上の利益を得るとのことです。

○森永氏は、これは教祖や幹部の幸福が目的で、それを実現するために信者の暮らしを破壊する統一教会に代表されるカルト教団と財務省の目的は同じで、ザイム真理教と名付けたようです。星新一氏も、義賊を装って実はごっそり国民から金を巻き上げ、自らの利益のみ求めるのが政府(財務省)と見抜いていたようです。

*******************************************
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士のマイ国家(2)

「みすぼらしくも豪華でもなく、平凡な家だった」という文章から始まるのが、星新一の傑作「マイ国家」です。銀行員の青年が外廻りで立ち寄った家で、声をかけても返事がない。事故でもあるといけないと家の中に入ったところ、その家の主人に「不法入国」で捕まるという話です。主人によると、その家は独立国家(マイ国家)だというのです。「一定の領土と、国民、それに政府つまり政治機構、この三つがそろっているもの」が国家だと、主人は青年に説明します。「領土とはこの家、国民とはわたし、政府もわたし。小さいといえども、立派な国家だ」と、妙に説得的なんです。

民主国家の理想は、治者と被治者の同一だなんて、政治の教科書に書いてありました。マイ国家では、この理想が完璧に実現されています。国民の財産も、100%国民のために使われています。それに対して、普通の国家というのは、「政府とは、体裁の良い一種の義賊なんだな。大掛かりに国民から金を巻きあげる。その親分がまずごっそりと取り、残りをかわいそうな連中に分けてやれと子分に命じて渡す」なんだそうです。これまた説得的です。読んでいて笑ってしまいました。これだけにとどまらず、マイ国家の主人は、「建国神話」まで作っているので、芸が細かい。ここまで言われたら、私なんかマイ国家を国家として承認してよいと思ってしまいます。

実際のところ、世界最小の国はバチカン市国ですよね。面積は東京ディズニーランドくらい、国民は800名程度だそうです。それでも国家と認められているのですから、もう一歩進めれば「マイ国家」でも問題ないでしょう。ちなみに、バチカン市国はスイス傭兵による軍備があります。「マイ国家」でも、不法侵入者には刃物をもって対抗していました。「そんなぶっそうな凶器」を出さないでと言われると、「凶器とはなんだ。軍備と言え。自衛権は国家固有のもので、そのために必要な軍備の所持と行使が認められている。」と反論してきます。

「国家」の安全保障という意味では、国際的に認められたもっともな主張ですが、私みたいな「平和主義者」としては、国の武力行使には違和感があります。しかし、国内で山口組が暴れた場合には、警察が出てきて、必要に応じて銃も使用し、武力で制圧するのは当然です。その一方、どんなに酷い相手でも、それが「国家」であれば、たとえ攻めてこられても、日本が武力を使うこと自体許されないというのは、確かに変な気もします。はっきり言って、北朝鮮なんて、山口組よりましなのか怪しい、かなり酷い「国家」ですよね。それでも「国家」である以上、抵抗してはいけないとなりますと、仮に山口組が「マイ国家」として独立宣言したらどうなるのかと考えてしまいます。

バチカン市国と同様に、「国民(組員)」「領土(縄張り)」「政府(組長や若頭)」は揃っているので、国家になるのに不足はない。「国家」になった山口組に対しては、取り締まりは「戦争」になるから「憲法違反」だという主張は、確かに納得できないものがあります。さらに考えてみますと、多くの国家が独立するときは大変な紛争が起こっています。アイルランドの独立のなんか、本当に凄かった。IRA(アイルランド共和国軍)がイギリスでテロ行為(独立戦争)をするたびにニュースになっていました。パレスチナの人たちも、イスラエルに対して「独立戦争」を仕掛けています。

日本だって、例えば明治政府に国を奪われたアイヌの人たちが、「独立戦争」を仕掛けてきても、全くおかしくないように思えます。ARA(アイヌ共和国軍)なんて組織して、テロ行為をされたら、生きた心地もしません。アイヌへの補助金について批判的な見解を聞くこともあります。現状だけ見れば、批判に全く理由がないとは思いません。しかし私としては、独立のためのテロなんかしない、平和を愛するアイヌの方たちに感謝して、気持ちよく補助金を支払うべきだと思うのでした。

*******************************************

◇ 弁護士より一言

中山道を歩いていたとき、車で旅をしている80過ぎの方と話しました。「お兄さん、歩いてるなんてすごいな! だからそんなにお腹がへっこんでいるんだ」なんて褒めてくれました。「これって嫌味なんだろうか?」と、肥満体の私は悩んでしまいましたが、その人のお腹は見事に出ています。「それで元気に旅をしているなんて凄い!」と、私も感動しちゃいました。
以上:2,375文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック
※大変恐縮ながら具体的事件のメール相談は実施しておりません。

 


旧TOPホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター3 > 2024年09月16日発行第373号”弁護士のマイ国家(2)”