仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター2 >    

2020年03月16日発行第265号”弁護士のマスク”

令和 2年 3月17日(火):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和2年3月16日発行第265号「弁護士のマスク」をお届けします。

○「怪傑ゾロ」は、小学生の頃、テレビで熱心に観た記憶があります。吹き替え声優は、低音の魅力の若山弦蔵さんだったように記憶していましたが、ネットで調べると金内吉男さんとのことで記憶は当てになりません。昭和60年代のTVは、ライフルマンを初めとして、名犬ラッシー、ララミー牧場、ボナンザ、ローハイド等アメリカの映画が目白押しで声優の記憶が混同していますが、どの番組も熱心に観ていました。

○マスク不足が叫ばれていますが、マスクでコロナウィルスは防御できないと思ってしていませんでした。しかし、昨日3月16日弁護士会の相談担当となり、マスク着用が義務化されておりやむを得ずマスクをしていきました。珍しく相談者が多かったのですが、マスクをしていた方は、まだ半分くらいでした。仙台では、まだマスクをしていないと白い目で見られる状況ではありません。

○世の中、コロナウィルスで大騒ぎです。私も懐疑派でしたが、友人の医師から「このままではコロナが世界を滅ぼす状況になりかねないですね。」なんてメールを頂いて、少々認識を改めました。

*******************************************
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士のマスク


Maskof Zoroといえば、「怪傑ゾロ」です。悪の総督の圧政に対抗して、マスクを付けて正体を隠した、民衆の味方ゾロが活躍する話です。ミュージカルや映画にもなっていますから、観た人も多いと思います。私も、ゾロのような、人々の役に立つ弁護士になりたいと思ってきたのです。(ほ、本当です。)

怪傑ゾロの「マスク」は、正体を隠すために、顔の上部を隠した、カッコいいものです。しかし、現代日本でマスクと言いますと、コロナウイルス対策で付ける、口と鼻を覆うマスクを指すのが常識でしょう。マスクをしないで咳をした人が、周りから非難されたなんて事件もありました。それほど、マスクをすることは、エチケットになっているようです。

その一方、何のためにマスクをしているのかな?と、疑問に感じる人もいます。咳やクシャミをするときにはわざわざマスクを外して、終わるとまたマスクをする人がいました。「な、なんなんだ、これは!」と思っちゃいました。現在マスクが入手困難ということで、高い金額で購入する人もいるみたいです。そんな貴重なマスクの内側に、唾や鼻水がつくのを避けようとしているのかもしれません。しかし、「それならそもそもマスクなんか必要ないじゃんか!」と思ってしまったのでした。

しかし考えてみますと、これは、「マスクの役割」に対する考え方の違いなんだと思い至ったのです。マスクの役割が、「自分のウイルスから社会を守る。」だとすれば、この人のしたことはメチャクチャです。マスクが一番必要な、咳をするときにマスクを外してますから。一方、マスクというのは、「社会のウイルスから自分を守るもの。」だと考えれば、この人の行動は非常に合理的に思えます。(なんだかそういう人、沢山いそうです。。。)「何から何を守っているのか」自体、意見が分かれることはよくあります。

ウイルス蔓延を恐れて、多くの国が他国民の入国制限をしたそうです。その国にしてみれば、外国人のウイルスから、自国民を守るという意図ですね。しかし、他国民の立場からすると、「ウイルスの蔓延している国に自国民が行かなくて済んで、有難い!」くらいの気持ちでしょう。

ということで、弁護士の仕事についてです。弁護士法によりますと、弁護士は「正義のために尽くす」職業だそうです。そうしますと、正義の味方として、社会を守る仕事のように思えてきます。しかしながら実際は、問題を起こしてしまった顧客からも依頼を受けて、その人のために闘います。社会のために活動するわけではなく、依頼者のために活動するわけです。

刑事事件の場合は、こういうことはさらに言えます。警察や検察は、社会のために、犯罪者を捕まえ処罰しようとします。一方弁護士は、「せっかく捕まえた犯罪者を弁護して、罪を軽くしたり、場合によっては罪をまぬかれさせたりするのが仕事だ。」なんて、多くの人に批判されてもいます。もちろん、弁護士の側にも言い分はあります。「自分が無罪の罪で逮捕されたと考えてみて下さい。」なんて言うわけです。これは確かにそのとおりです。

しかし、「弁護士は悪人から社会を守るのではなく、社会から悪人を守るのだ!」という、多くの人の考えも十分に理由があるように思えます。「怪傑ゾロ」が闘った「権力」は、明らかな「悪」でした。ことさら、無実の人を犯罪者に仕立て上げます。それに対して現代日本の警察は、社会を守っているのが原則で、冤罪事件を起こすのが例外です。例外に軸足を置いた弁護士の活動が理解されないのは、ある意味当然でしょう。弁護士が「怪傑ゾロ」のように、社会や民衆を守る存在だと理解して貰えるよう、さらに工夫と努力が必要だと思うのです。

*******************************************

◇ 弁護士より一言
個人的に話していると、7割くらいの人は、コロナウイルスへの対応に否定的です。「毎年のインフルエンザでも同じような被害が出ているのに、なんで今回だけ特別なんだ?」ということです。

でも皆さん、表立っては、そんなこと口にしません。私も似たようなものです。。。何にしましても、インフルエンザもコロナウイルスも、早く終焉することを祈ってます。
以上:2,342文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック
※大変恐縮ながら具体的事件のメール相談は実施しておりません。

 


旧TOPホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター2 > 2020年03月16日発行第265号”弁護士のマスク”