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政治家の寄付禁止に関する公職選挙法・政治資金規正法条文備忘録

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令和 7年 3月22日(土):初稿
○石破首相が新人議員に10万円商品券を渡した行為が、政治資金規正法あるいは公職選挙法で禁止されている寄付に該当するかどうかが問題となり、連日、報道されています。刑事事件を扱わない民事弁護士実務で、政治資金規正法あるいは公職選挙法を読む機会はありませんが、法律専門家備忘録として条文を確認します。

○政治家の寄附で問題になるのは選挙区民に対する寄附の禁止で、政治家は選挙区民に対しては、政治家本人が出席する結婚披露宴祝儀・葬式香典以外の寄付は一切禁じられています。たまに問題とされる秘書が出席しての政治家としての寄付は公職選挙方違反行為です。秘書が秘書名義で祝儀・香典を出すのは問題ありませんが、政治家の代理出席として政治家名義で祝儀・香典を出すのは公選法違反行為になります。

○石破首相の10万円商品券問題は、新人議員への贈呈なので、公選法規制寄付には該当しませんが、政治活動に関する贈呈と評価され、渡した石破首相、受け取った新人議員いずれも政治資金規正法違反として1年以下の禁錮こ又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。石破首相は政治活動ではなく、お土産で公選法違反ではないと主張していますが、微妙なところです。受け取った新人議員は受け取った時点で違法な受領行為となりますが、直ぐに返していますので、大目に見られるでしょう。

○「寄附」とは、政治資金規正法では「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいう。」と、公職選挙法では「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものをいう。」と定義されています。

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公職選挙法
第199条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)

 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならないただし、政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会(参加者に対して饗きよう応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)が行われるようなもの、当該選挙区外において行われるもの及び第199条の5第4項各号の区分による当該選挙ごとに当該各号に定める期間内に行われるものを除く。以下この条において同じ。)に関し必要やむを得ない実費の補償(食事についての実費の補償を除く。以下この条において同じ。)としてする場合は、この限りでない。

第249条の2(公職の候補者等の寄附の制限違反)
 第199条の2第1項の規定に違反して当該選挙に関し寄附をした者は、1年以下の禁錮こ又は30万円以下の罰金に処する。
2 通常一般の社交の程度を超えて第199条の2第1項の規定に違反して寄附をした者は、当該選挙に関して同項の規定に違反したものとみなす。
3 第199条の2第1項の規定に違反して寄附(当該選挙に関しないもので、かつ、通常一般の社交の程度を超えないものに限る。)をした者で、次の各号に掲げる寄附以外の寄附をしたものは、50万円以下の罰金に処する。
一 当該公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)が結婚披露宴に自ら出席しその場においてする当該結婚に関する祝儀の供与
二 当該公職の候補者等が葬式(告別式を含む。以下この号において同じ。)に自ら出席しその場においてする香典(これに類する弔意を表すために供与する金銭を含む。以下この号において同じ。)の供与又は当該公職の候補者等が葬式の日(葬式が二回以上行われる場合にあつては、最初に行われる葬式の日)までの間に自ら弔問しその場においてする香典の供与

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政治資金規正法
第21条の2(公職の候補者の政治活動に関する寄附の禁止)

 何人も、公職の候補者の政治活動(選挙運動を除く。)に関して寄附(金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。)をしてはならない。
2 前項の規定は、政党がする寄附については、適用しない。

第21条の3(寄附の総額の制限)
 政党及び政治資金団体に対してされる政治活動に関する寄附は、各年中において、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる額を超えることができない。
一 個人のする寄附
 2000万円

第22条の2(量的制限等に違反する寄附の受領の禁止)
 何人も、第21条第1項、第21条の2第1項、第21条の3第1項及び第2項若しくは第3項又は前条第1項若しくは第2項の規定のいずれかに違反してされる寄附を受けてはならない。

第22条の8(政治資金パーティーの対価の支払に関する制限)
 政治資金パーティーを開催する者は、一の政治資金パーティーにつき、同一の者から、150万円を超えて、当該政治資金パーティーの対価の支払を受けてはならない。

第26条 次の各号の一に該当する者(団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)は、1年以下の禁錮こ又は50万円以下の罰金に処する。
一 第21条第1項、第21条の2第1項、第21条の3第1項及び第2項若しくは第3項又は第22条第1項若しくは第2項の規定に違反して寄附をした者
二 第21条第3項の規定に違反して寄附をすることを勧誘し、又は要求した者
三 第22条の2の規定に違反して寄附を受けた者
以上:2,431文字

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