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労働者派遣と請負との違いの基礎の基礎-厚労省通達紹介

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令和 2年12月10日(木):初稿
○「労働者派遣法の基礎の基礎-労働者派遣の構図」を記載した平成25年6月当時労働者派遣法をキッチリ勉強しようと思っておりましたが、その後、忘却の彼方になっていたところ、建設業務についての労働者派遣が問題になる事案の相談を受けました。

○うろ覚えでしたが、建設業務での労働者派遣は禁止されていると思っておりました。派遣が禁止されている業務は以下の通りで、シッカリ覚えておきます。
・港湾運送業務
・建設業務
・警備業務
・病院診療所等における医療関連業務
・弁護士社会保険労務士等いわゆる「士」業務


○ところが、特に建設業務では、建設労務者が不足している現場等で事実上の労働者派遣が行われています。その場合、労働者派遣ではなく、請負だと主張できれば良いのですが、請負と労働者派遣との違いについては、平成24年厚生労働省告示第518号の通達がありました。請負と認定されるためには「業務の遂行方法に関する指示」から「労働者の配置等の決定及び変更」まで、その管理を「自ら行うこと」など厳しい要件が要求されています。「請負」の名で、事実上「労働者派遣」を行うことを厳しく戒めている感がします。

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準
(昭和 61 年労働省告示第 37 号)(最終改正 平成 24 年厚生労働省告示第 518 号)


第1条
 この基準は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「法」という。)の施行に伴い、法の適正な運用を確保するためには労働者派遣事業(法第2条第三号に規定する労働者派遣事業をいう。以下同じ。)に該当するか否かの判断を的確に行う必要があることに鑑み、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分を明らかにすることを目的とする。

第2条
 請負の形式による契約により行う業務に自己の雇用する労働者を従事させることを業として行う事業主であつても、当該事業主が当該業務の処理に関し次の各号のいずれにも該当する場合を除き、労働者派遣事業を行う事業主とする。

一 次のイ、ロ及びハのいずれにも該当することにより自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するものであること。
イ 次のいずれにも該当することにより業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行うものであること。
(1) 労働者に対する業務の遂行方法に関する指示その他の管理を自ら行うこと。
(2) 労働者の業務の遂行に関する評価等に係る指示その他の管理を自ら行うこと。

ロ 次のいずれにも該当することにより労働時間等に関する指示その他の管理を自ら行うものであること。
(1) 労働者の始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する指示その他の管理(これらの単なる把握を除く。)を自ら行うこと。
(2) 労働者の労働時間を延長する場合又は労働者を休日に労働させる場合における指示その他の管理(これらの場合における労働時間等の単なる把握を除く。)を自ら行うこと。

ハ 次のいずれにも該当することにより企業における秩序の維持、確保等のための指示その他の管理を自ら行うものであること。
(1) 労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと。
(2) 労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。

二 次のイ、ロ及びハのいずれにも該当することにより請負契約により請け負つた業務を自己の業務として当該契約の相手方から独立して処理するものであること。
イ 業務の処理に要する資金につき、すべて自らの責任の下に調達し、かつ、支弁すること。

ロ 業務の処理について、民法、商法その他の法律に規定された事業主としてのすべての責任を負うこと。

ハ 次のいずれかに該当するものであつて、単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。
(1) 自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な工具を除く。)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。
(2) 自ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理すること。

第3条
 前条各号のいずれにも該当する事業主であつても、それが法の規定に違反することを免れるため故意に偽装されたものであつて、その事業の真の目的が法第2条第一号に規定する労働者派遣を業として行うことにあるときは、労働者派遣事業を行う事業主であることを免れることができない。
以上:1,820文字

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