平成25年 6月23日(日):初稿 |
○ある顧問先から、労働者派遣基本契約書のチェックを依頼されました。しかし、30条近い条文数があり、細かい文字でビッシリと10数ページに渡って記述されており、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)の条文が随所にちりばめられ、この法律をシッカリと勉強していない私には目の眩むような内容です(^^;)。 ○そこで、労働者派遣法についてのにわか勉強が必要になり、平成16年初版購入済みの安西愈弁護士著作「労働者派遣法の改正点と実務対応」を引っ張り出して、読み始めています。これは、購入当時何かの必要があり購入して、少しばかり読んで、赤線を引いてありました。しかし、内容は忘却の彼方でした(^^;)。 以下、労働者派遣法備忘録です。 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(略称労働者派遣法、以下、法と言う) 労働者派遣とは、 法第2条(用語の定義) 1.労働者派遣 自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。 労働者派遣とは、事業主(派遣元)、労働者に、派遣先事業主が加わった三面契約関係-派遣労働関係 ①派遣元事業主と派遣労働者との間に派遣就労を目的とする雇用契約関係 ②派遣元と派遣先との間に労働者派遣契約 ③派遣先事業主は、②派遣契約に基づき派遣された派遣労働者に指揮命令して派遣先事業業務に従事させる 派遣元事業主は、派遣先事業主に派遣労働者に対する指揮命令権を委託(労働力の賃貸借類似契約)する関係 ①派遣元事業主と派遣労働者との間に雇用契約関係成立 労基法第9条(労働者)、同第15条(労働条件)は、派遣元事業主と派遣労働者との間に成立、 但し、派遣元事業主が賃金支払義務を負うが、派遣労働者の労務提供は、派遣先事業主に対し、その指揮命令に従ってなされる 「雇用」は派遣元事業主で、「使用」は派遣先事業主という、「雇用」と「使用」の分離が特徴 ②派遣元と派遣先間の労働者派遣契約が労働者派遣の基礎でこれによって労働者が派遣される 労働者派遣契約とは、「当事者の一方が相手方に対し労働者派遣をすることを約する契約」(法第26条1号) 派遣元事業主が、その雇用する労働者を派遣先事業主に雇用させることを約することなく、派遣元と労働者の雇用関係の下に、派遣先の指揮命令の下に、派遣先のために労働に従事させることを約した契約で、派遣先は、その契約に定められた就業条件に従って、派遣労働者をその指揮命令の下に労働させ、その対価として派遣料金を派遣先が派遣元に支払う取引契約 ③派遣先事業主と派遣労働者との関係 派遣労働者は、派遣先事業主の指揮命令に従う義務を負うが、両者間には雇用契約はない 派遣先事業主の派遣労働者に対する指揮命令権の根拠は、派遣元が派遣先に派遣労働者の労働力を使用、収益なさしめる賃貸借類似の無名契約が成立し、派遣元の指揮命令権が派遣先に貸与されたと考える(安西愈弁護士説)。 2.労働者派遣契約 ①基本契約-派遣取引基本契約(民事法=取引契約)で派遣人数と対価(派遣料金)を定める ②個別契約-派遣個別契約(労働法=労働者保護契約)で、法第26条(労働者保護)による義務を負う 法第26条(契約の内容等) 労働者派遣契約(当事者の一方が相手方に対し労働者派遣をすることを約する契約をいう。以下同じ。)の当事者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣契約の締結に際し、次に掲げる事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣労働者の人数を定めなければならない。 1.派遣労働者が従事する業務の内容 2.派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所の名称及び所在地その他派遣就業の場所 3.労働者派遣の役務の提供を受ける者のために、就業中の派遣労働者を直接指揮命令する者に関する事項 4.労働者派遣の期間及び派遣就業をする日 5.派遣就業の開始及び終了の時刻並びに休憩時間 6.安全及び衛生に関する事項 7.派遣労働者から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項 8.派遣労働者の新たな就業の機会の確保、派遣労働者に対する休業手当(労働基準法(昭和22年法律第49号)第26条の規定により使用者が支払うべき手当をいう。第29条の2において同じ。)等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担に関する措置その他の労働者派遣契約の解除に当たつて講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項 9.労働者派遣契約が紹介予定派遣に係るものである場合にあつては、当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の当該紹介予定派遣に関する事項 10.前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項 以上:2,025文字
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