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パワハラ防止法成立とのニュースで関係法令調査報告

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令和 1年 5月31日(金):初稿
○以下の日経新聞ニュースのとおり、パワハラ防止のための改正が令和元年5月29日成立しました。いかなる法律が改正されたのか調べると、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」との長たらしい名前の法律の第30条以下に第30条の2乃至8が加えられたようです。

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パワハラ防止法が成立 企業に防止義務
政治 日経新聞2019/5/29 11:35


職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止を義務付ける関連法が29日午前の参院本会議で可決、成立した。これまで明確な定義がなかったパワハラを「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動」などと明記。企業に相談窓口の設置など新たに防止措置を義務付ける。

2020年春にも施行される見込みだ。セクシュアルハラスメント(セクハラ)や妊娠・出産した女性へのマタニティーハラスメント(マタハラ)はすでに企業に防止措置を講じる義務があるが、パワハラは明確な定義がなく対策は企業の自主努力に委ねられていた。

改正したのは、労働施策総合推進法や女性活躍推進法など5本の法律。改正女性活躍推進法は、女性登用の数値目標を策定する対象企業についてこれまでの従業員301人以上から101人以上に広げる。


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労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律

第八章 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等


第30条の2(雇用管理上の措置等)
事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

2 事業主は、労働者が前項の相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

3 厚生労働大臣は、前2項の規定に基づき事業主が講ずべき措置等に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において「指針」という。)を定めるものとする。

4 厚生労働大臣は、指針を定めるに当たつては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴くものとする。

5 厚生労働大臣は、指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

6 前2項の規定は、指針の変更について準用する。

第30条の3(国、事業主及び労働者の責務)
国は、労働者の就業環境を害する前条第1項に規定する言動を行つてはならないことその他当該言動に起因する問題(以下この条において「優越的言動問題」という。)に対する事業主その他国民一般の関心と理解を深めるため、広報活動、啓発活動その他の措置を講ずるように努めなければならない。

2 事業主は、優越的言動問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。

3 事業主(その者が法人である場合にあつては、その役員)は、自らも、優越的言動問題に対する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならない。

4 労働者は、優越的言動問題に対する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる前条第1項の措置に協力するように努めなければならない。

第30条の4(紛争の解決の促進に関する特例)
第30条の2第1項及び第2項に定める事項についての労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成13年法律第112号)第4条、第5条及び第12条から第19条までの規定は適用せず、次条から第30条の8までに定めるところによる。

第30条の5(紛争の解決の援助)
都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

2 第30条の2第2項の規定は、労働者が前項の援助を求めた場合について準用する。

第30条の6(調停の委任)
都道府県労働局長は、第30条の4に規定する紛争について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があつた場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第6条第1項の紛争調整委員会に調停を行わせるものとする。

2 第30条の2第2項の規定は、労働者が前項の申請をした場合について準用する。

第30条の7(調停)
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)第19条から第26条までの規定は、前条第1項の調停の手続について準用する。この場合において、同法第19条第1項中「前条第一項」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)第30条の6第1項」と、同法第20条中「事業場」とあるのは「事業所」と、同法第25条第1項中「第18条第1項」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の4」と読み替えるものとする。

第30条の8(厚生労働省令への委任)
前2条に定めるもののほか、調停の手続に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。


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第二 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の一部改正

一 国の施策(第4条第一項関係)

国の施策として「職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実すること」を規定すること。

二 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主が講ずべき措置等(第30条の2関係)
1 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととすること。

2 事業主は、労働者が1の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととすること。

3 厚生労働大臣は、1及び2の事業主が講ずべき措置等に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めることとすること。

三 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務(第30条の3関係)
1 国は、労働者の就業環境を害する二の1の言動を行ってはならないことその他当該言動に起因する問題に対する事業主その他国民一般の関心と理解を深めるため、広報活動、啓発活動その他の措置を講ずるように努めなければならないこととすること。

2 事業主は、当該問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる1の措置に協力するように努めなければならないこととすること

3 事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)は、自らも、当該問題に対する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならないこととすること。

4 労働者は、当該問題に対する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる二の1の措置に協力するように努めなければならないこととすること。

四 紛争の解決(第30条の4から第30条の8まで関係)
1 紛争の解決の促進に関する特例

二の1及び2に定める事項についての労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第四条、第五条及び第12条から第19条までの規定は適用せず、2及び3によるものとすること。

2 紛争の解決の援助
(一)都道府県労働局長は、1の紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができることとすること。

(二)二の2は、労働者が(一)の援助を求めた場合について準用することとすること。

3 調停
(一)都道府県労働局長は、1の紛争について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があった場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、紛争調整委員会に調停を行わせるものとすることとすること。

(二)二の2は、労働者が(一)の申請をした場合について準用することとすること。

(三)(一)の調停の手続については、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の規定を準用することとするとともに、その他調停の手続に関し必要な事項は厚生労働省令で定めることとすること。

以上:3,981文字

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