平成28年 2月 4日(木):初稿 |
○平成22年10月20日初稿の「嗚呼!胃ガン発見か?-覚悟の自筆証書遺言作成」で、自筆証書遺言を作成したことを報告していますが、その中で、「現世での肉体は絶対者からの借り物、預かりものと考えています。この論理では、霊魂はいずれ転生し、また預かりものの肉体は用が済んだら絶対者に帰すべきとなり、結局、お墓は要らないとの結論に達しました。」として、その上で、「葬式の類は一切無用です。弔問、供物の類はすべて固辞します。火葬後遺骨は、海山大地のどこかに散骨して下さい。」と遺言書に書いたことも報告しました。 ○今般、この「散骨」について、法律的に問題が無いのでしょうかと、質問を受け、自信を持って答えることができませんでした(^^;)。そこで、散骨に関係すると思われる法律・政令・省令・条例等について、調査しました。取りあえず、以下の通りです。今後、これらの条文等を検討しながら法的問題を検討していきます。 刑法 第190条(死体損壊等) 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。 ※散骨は、遺骨を砕いて粉状にしたものを散布する行為ですが、これは、形式的に見ると、「遺骨」を粉末状にすることは「損壊」に該当し、さらにどこかに散布することは、「遺棄」に該当する可能性があります。従って、「散骨」は、刑法の死体損壊罪と言う恐ろしい犯罪行為に該当する可能性がありますので、注意が必要です(^^;)。 墓地、埋葬等に関する法律 第2条 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠4箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。 2 この法律で「火葬」とは、死体を葬るために、これを焼くことをいう。 第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。 2 火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。 第5条 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。 2 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあつては死亡若しくは死産の届出を受理し、死亡の報告若しくは死産の通知を受け、又は船舶の船長から死亡若しくは死産に関する航海日誌の謄本の送付を受けた市町村長が、改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なうものとする。 第13条 墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない。 墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第1条 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号。以下「法」という。)第5条第1項の規定により、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の埋葬又は火葬の許可を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を、同条第2項に規定する市町村長に提出しなければならない。 一 死亡者の本籍、住所、氏名(死産の場合は、父母の本籍、住所、氏名) (中略) ○散骨場に関する条例がありました。 御殿場市散骨場の経営の許可等に関する条例 平成21年3月9日条例第19号 第1条(目的) この条例は、御殿場市における散骨場の経営の許可の基準について必要な事項を定めることにより、公衆衛生の向上及び生活環境の保全を図り、もって市民の健康で快適な生活を確保することを目的とする。 第2条(定義) この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1) 散骨場 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第2条第2項に規定する火葬により生じた骨の粉末(その形状が顆粒状のもの及び遺灰を含む。)を地表等へ散布を行うための区域として、市長の許可を受けた事業区域をいう。 (2) 散骨事業 散骨場を経営することをいう。 (3) 散骨事業者 市長の許可を受けて散骨場を経営するものをいう。 第3条(事前説明会の開催) 散骨場を経営しようとするもの(以下「計画者」という。)は、第6条第1項の許可を得るための申請(以下「許可申請」という。)を行う前に、規則で定めるところにより関係人に対し、当該散骨事業の計画について、説明及び協議するための説明会を開催しなければならない。 第4条(隣接土地所有者の同意) 計画者は、許可申請を行う前に、あらかじめ、当該散骨場と境界を接する土地所有者の同意を得なければならない。 第5条(事前協議) 計画者は、許可申請を行う前に、当該散骨事業の計画について、あらかじめ市長と協議しなければならない。 2 市長は、前項の規定による協議があった場合には、計画者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。 第6条(経営の許可) 計画者は、散骨事業を行おうとするときは、市長の許可を受けなければならない。 2 市長は、前項の規定により許可をしたときは、計画者にその旨を通知する。この場合において、必要があると認めるときは、許可に当たって必要な条件を付することができる。 第7条(許可の基準) 市長は、散骨事業の計画が、次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、前条第1項の許可をすることができない。 (1) 散骨場は、計画者が所有し、かつ、地上権、抵当権、賃借権その他の権利が設定されていないものであること。 (2) 散骨事業者は、散骨場の土地の所有権の一部を計画者以外の者に譲渡しないこと。 (3) 散骨場及びその周辺地域の災害の防止、公衆衛生、環境の保全その他良好な生活環境の確保に関して規則で定める必要な措置が講じられていること。 (4) 散骨場の設置場所及び構造設備が、規則で定める基準に適合していること。 (5) 当該散骨事業の実施について、第4条に規定する同意が得られていること。 第8条(工事完了の届出等) 散骨事業者は、当該許可に基づく工事が完了したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。 2 散骨事業者は、当該工事について市長の検査を受け、その施設が第6条第2項の条件又は前条各号のいずれの規定にも適合していることの確認を受けた後でなければ、当該散骨場を自ら使用し、又は散骨事業者以外の者に利用させてはならない。 第9条(報告の徴収) 市長は、この条例の施行に必要な限度において、散骨事業者に対し、当該散骨場の経営状況その他必要な事項の報告を求めることができる。 2 散骨事業者は、前項の規定により報告を求められたときは、その日から起算して10日以内に市長に報告しなければならない。 第10条(立入検査) 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に散骨事業者の事務所又は散骨場若しくはその付属施設に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は関係人に質問させること(以下「立入検査等」という。)ができる。 2 前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、あらかじめ、これを提示しなければならない。 3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 第11条(改善勧告) 市長は、散骨事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、散骨事業者に対し、当該条件、基準及び手続に適合するよう必要な改善措置を勧告することができる。 (1) 偽りその他不正な手段により第6条第1項の許可を受けたとき。 (2) 第6条第2項の許可の条件又は第7条の許可の基準に違反しているとき。 (3) 第8条第1項の届出をせず、又は同条第2項の確認を受けずに散骨場を自ら使用し、又は散骨事業者以外のものに利用させたとき。 (4) 第9条第2項の報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。 (5) 第10条第1項の立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は虚偽の答弁をしたとき。 第12条(改善命令) 市長は、散骨事業者が前条の規定による改善勧告に従わないときは、散骨事業者に対し、期限を定めて、必要な改善措置を命じることができる。 第13条(許可の取消し等) 市長は、散骨事業者が前条の規定による改善命令に従わないときは、散骨事業者に対し、当該散骨場の全部又は一部の使用を制限し、若しくは使用の禁止を命じ、又は第6条第1項の許可を取り消すことができる。 第14条(中止命令) 市長は、第6条第1項の許可を受けずに散骨事業を行っている者に対し、当該散骨事業の中止を命ずるものとする。 第15条(原状回復命令等) 市長は、第13条の規定により許可を取り消したとき、又は前条の規定により事業の中止を命じたときは、散骨事業者に対し、期限を定めて、原状回復その他必要な措置を命ずることができる。 第16条(変更又は廃止するときの準用) 散骨事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第3条から第8条までの規定を準用する。 (1) 散骨場の所有者を変更するとき(地位の継承を含む。)。 (2) 散骨場の区域面積を変更するとき。 (3) 散骨の実施方法を変更するとき。 (4) 散骨場の維持管理方法を変更するとき。 (5) 散骨場を廃止するとき。 第17条(委任) この条例の施行に関し、必要な事項は、規則で定める。 第18条(罰則) 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。 (1) 第6条第1項の規定による許可を受けずに散骨事業を行った者 (2) 第15条の規定による原状回復その他必要な措置を講ずる命令に従わなかった者 2 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。 (1) 第9条第2項の報告をせず、又は虚偽の報告をした者 (2) 第10条第1項の立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は虚偽の答弁をした者 第19条(両罰規定) 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の罰金刑を科する。 附 則 この条例は、平成21年4月1日から施行する。 以上:4,121文字
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