平成24年 6月30日(土):初稿 |
○「原本・謄本・抄本・正本・副本の正確な意味の違いは?」に引き続き、株式会社ぎょうせい法制執務研究会編著「図説文書事務入門」(新版)の紹介を兼ねた私自身の備忘録です。業務で作成する訴状・準備書面等の書面作り、このHP作りの参考にします。 □文法・構文上注意すべき点 ・主語と述語をシッカリ対応させる (例)消費税の特徴の一つは、納税義務者と担税者が異なり、平成元年度から実施される。 ↓ 消費税の特徴の一つは、納税義務者と担税者が異なるところにある。この消費税は,平成元年度から実施される。 ・中止法により意味が曖昧になる場合、中止法は避ける。 (例)該当するものを丸で囲み、いずれにも該当しない場合は「その他」を丸で囲み、右の欄に理由を記入して下さい。 ↓ 該当するものを丸で囲んで下さい。いずれにも該当しない場合は「その他」を丸で囲み、右の欄に理由を記入して下さい。 ・修飾する語句が何を修飾するのかハッキリさせること。 (例)充実した資料の管理→A充実した資料 B充実した管理 ・否定形では、打ち消されるものが何かをハッキリさせること。 (例)先決は委任のように権限の委譲はない。 ↓ A先決は、委任と異なり、権限の委譲はない。 B先決は、委任と同じように、権限の委譲はない。 C先決は、委任ほど権限の委譲はない。 ※例文は、A、B、Cいずれにも解釈できるので、Aのように表現すべき。 (例)公園内では、立入禁止区域に立ち入り、竹木を伐採しないで下さい。 ↓ 公園内では、立入禁止区域に立ち入ったり、竹木を伐採したりしないで下さい。 (「たり」は、対句を示す助詞であり、片方だけ用いるのは誤り。) ・何と何が並列の関係にあるのかをハッキリさせること。 (例)研修には、課長補佐と課長の半数を出席させること。 ↓ A研修には、課長補佐全員と課長の半数を出席させること。 B研修には、課長補佐と課長のそれぞれ半数を出席させること。 ・受身形は、なるべく用いないこと。また、抽象的な主語にすることも、なるべく避けること。 (例)このような状態は、速やかに改善されなければならない。 ↓ このような状態を速やかに改善しなければならない。 ・語句を省略しすぎないこと 必要な主語、述語、助詞を落とさないこと。 □数字使用法 漢数字(一、二、三)、アラビア数字(1,2,3)、ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)の3種類あるが、公用文にはローマ数字は殆ど用いられない。 左横書きの場合 原則アラビア数字 日付は原則元号-平成24年6月30日 時刻は原則12時間単位-午前6時30分 期間-歴月と期間との混同を避ける場合、「か」または「箇」をいれる-3か月 ※午前と午後 午前12時=午後0時=正午、午後12時=午前0時 「0時」、「12時」は午前でも午後でもないとの考えもある。 夜中の0時(午後12時)を「午前0時」、昼の零時(午前12時)を「正午」と呼べば紛れがない。 正午を10分過ぎた場合、「午後12時10分」でも「午後0時10分」のいずれも間違いではない。「午後0時10分」の方が誤解は避けられる。 以上:1,307文字
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