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多数相続人相手の登記訴訟での注意事項-事前説明必要

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平成23年12月12日(月):初稿
○「死者名義に登記されたままの不動産に権利登記する方法」で、所有者が死者のままに放置された登記の所有権移転登記手続請求は、その死者の相続人全員から印鑑登録証明書付き実印押印委任状を貰う必要があるところ、相続人が数十名に及び且つ全国に散らばっている場合は不可能であり、訴えを提起して判決を得て、この判決に基づき所有権移転登記手続を行うことを説明していました。

○私は、弁護士歴の浅い内からこの多数相続人相手の所有権移転登記手続請求の訴えを依頼されることが多く、相当件数扱ってきました。依頼は多くの場合、司法書士さんからで、当初、任意に相続人全員から印鑑登録証明書付き実印押印委任状を貰うことで移転手続を行うことを試みるも、途中で断念して弁護士に依頼してきた例も多くあります。

○当初この多数相続人相手の訴え提起を、被告となられる方々に何ら事前説明もせず行っていたところ、いきなり、訴えを出すとは何事だ!、訴訟費用を負担せよ!とは、何事だとお叱りを受けることが多く、2,3件取り扱った後は、訴えを提起する前に、被告となられる全相続人の方に必ず事前説明をお願い文書という形で郵送しておくことにしました。

○この事前説明文書は、事案毎に異なりますが、基本は同じで、以下、会社が原告の場合のサンプルを紹介します。

 突然、誠に恐縮ですが、当職は、仙台市青葉区○○の株式会社A(以下、当社と言います)の代理人として、貴殿に対し、以下の通りご協力のお願いを申し上げます。

1)当社は、昭和○年○月○日、亡B様を代表者とする別紙不動産目録記載の土地(以下「本件土地」と言います。)の共有持分権者各位から本件土地を代金○○万円で買い受け、以降、本件土地を含めた仙台市青葉区○○の一帯約○万平方メートル(約○万坪)の土地で○○を経営して利用してきました。

2)当社は昭和○年○月○日売買契約により本件土地所有権を取得しましたが、買受後、所有の意思を持って占有を継続してきたことから遅くても20年を経過した平成○年○月○日には取得時効も完成しております。

3)ところが本件土地の不動産登記簿上の所有名義は種々の事情で現在も貴殿を含めた合計○名近い方々の共有となっており、今般、○○の為本件土地所有名義移転登記手続を行うことになりました。

4)土地所有名義移転登記手続には、通常、貴殿を含めた合計○名近い方々全員から実印を押印し、印鑑登録証明書を添付した書面を頂く必要があり、通常の手続では皆様に、ご負担・ご迷惑をおかけします。

5)そこで、大変恐縮ながら、当社は、本件土地共有者各位に対し、別添訴状の通りの訴えを仙台地方裁判所に提起し、判決書により時効取得を原因とする所有権移転登記手続をすることにしました。何れ仙台地方裁判所から貴殿らに訴状が送達されて、答弁書の提出を求められます。

6)そこで、大変恐縮ながら、当社としては、上記事情により、皆様におかれまして、本件土地についての当社への所有権移転登記手続をすることを争わず、答弁書も提出せず、裁判所にも出頭されないようお願い申し上げる次第です。
 皆様が、答弁書も提出せず、裁判所にも出頭されなければ、当社主張の通りの判決が出されます。訴状の請求の趣旨には、「訴訟費用は被告らの負担とする」との記載がありますが、当社は皆様に訴訟費用の負担を求めることはなく、この点は全く気にする必要はありません。

7)何卒、本件土地について判決による当社への時効取得を原因とする所有権移転登記手続にご協力頂きたく切にお願い申し上げます。
 尚、不明点・疑問点等御座いましたら、ご遠慮なく当職事務所まで可能であれば書面に疑問店を記載してご連絡お願い申し上げます。

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