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母の再婚相手と子が養子縁組した後の面接交渉2

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平成20年 7月17日(木):初稿
「母の再婚相手と子が養子縁組した後の面接交渉」で離婚した前妻が再婚し、子連れで再婚し、再婚相手が前妻の子供と養子縁組をした場合、前妻が子供の父である前夫の子供との面接交渉を、再婚や養子縁組を理由に拒むことが出来るかどうかは、難問であり、私が前夫の立場の場合、我が子の幸せを思い、痩せ我慢して面接交渉を遠慮すると述べました。

○この点について京都家裁平成18年3月31日審判(家月58巻11号62頁)を紹介します。
事案は、AB夫婦が3年半前に夫Aが長男C3歳頃を引き取って離婚し、Aは2年前からDと同居し、結婚後、DはCと養子縁組をして、A・D・C3人家族として暮らしていたところ、Cの実母Bが7歳になったCとの面接交渉を求めて審判を申し立てたものです。

○この申立に対し審判は、現時点での直接の面接を否定し、将来の面接実現のため長男Cの写真やCの通う学校の通知表の写しの送付を命じました。AとBはAが親権者となって協議離婚したものの、離婚後も厳しい対立関係が残り、長男Cをめぐっての人身保護請求事件、親権者変更申立事件、貸し金請求事件、養育費請求事件等多数の事件が係属していたとのことです。

○長男Cに対する実母Bの思いは相当堅固なところ、再婚したAD夫婦間にもまた子Cの心身状態にも特に問題はないが、養母DとCとの心理的結びつきは実親子間と同等を言えるまで強固ではなかったとのことで、担当した裁判官は実母Bの思いに如何に答えるべきか相当迷ったものと思われます。

○このような面接交渉申立事件において何より重視すべきは子の福祉であり、この観点から面接交渉が子の監護状況に悪影響を与える場合には、面接交渉が制約を受けて当然です。しかし面接交渉が子の監護状況に悪影響を与えるかどうかの判断は極めて難しいと思われます。

○従前は再婚や養子縁組がなされている場合、この現状を重視して面接交渉を認めない審判例が多かったようですが、近時は、子の年齢、成長度合いなどから個別具体的に面接交渉が新しい家庭環境における子の福祉に与える影響を検討し、面接交渉をできる限り認める方向の審判例が増えているようです(横浜家審平成8年4月30日家月49巻3号75頁、大阪高決平成18年2月3日家月58巻11号47頁)。

○近時は、実証的な研究の成果等から、面接交渉は可能な限り実施させることが子の精神的な成長発達にとって望ましいという理解が定着しつつあり、現時点での面接交渉を否定する場合においても、子の成長や時間の経過による両親間の対立の緩和を念頭に置いて将来的面接交渉の可能性を見据えた審判例が少なくないとのことです。冒頭での私のやせ我慢は古い考えのようになってきているようで、まだまだ勉強が必要です(^^;)。
以上:1,132文字

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