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ある覚醒剤事件1

平成16年 8月 1日:初稿
■始めに-覚醒剤使用事件
それ以前の覚醒剤使用裁判で執行猶予判決を受け釈放されて1週間目に暴力団Bの事務所で逮捕されたAは、当初、誰かが自分のウイスキーに覚醒剤を入れたのを知らずに飲んだと主張し、裁判になると、B事務所台所で白い米粒のようなものを発見し口にしたが、それが覚醒剤だったと明らかに嘘と判る主張を繰り返し、一審有罪となり、あくまで無罪を主張し控訴し、私が控訴審でのAの国選弁護人となりました。
Aは、最初の接見では、覚醒剤使用を認めたものの、2回目以降の接見では、使用していないので無罪を主張して欲しいと言い張り、どうするか悩みました。

■執行猶予とは
Aは、以前の裁判で懲役1年執行猶予3年の刑を言い渡されていました。これは、一応、懲役1年の刑を言い渡すが、今後3年間、懲役刑の執行を猶予し、犯罪を犯さず3年を過ごせば、懲役1年の刑は言い渡しが無かったことにすると言うものです。執行猶予がつかずそのまま刑務所に送られる刑を実刑といい、実刑か、執行猶予かは、刑務所に行くか、行かずにそのまま社会で生活できるかの違いがあり、その被告人(犯罪者)にとっては、正に死ぬか生きるかの大問題です。
殺人・強盗・強姦等の重大犯罪以外の犯罪は、例えばAのような覚醒剤取締法違反の様な犯罪は、普通、最初の裁判では、執行猶予がついて、刑務所行きは猶予され、2回目以降の裁判で実刑になります。但し、執行猶予期間中に再度犯罪を犯すと、執行猶予は取り消され、従前宣告された懲役1年の刑に加えて、更に今回の犯罪の例えば1年6ヶ月が加わった2年6ヶ月の刑を受けなければなりません。

■覚醒剤は常習化しやすい
従ってAは、今回の覚醒剤で有罪になると前回の刑も受けなければならず、何としても今回の覚醒剤は無罪を主張しなければなりませんでした。覚醒剤は、一旦その味をしめると病み付きになりなかなか抜けられません。最近のニュースで以下のような記事がありました。
「俳優清○健○郎容疑者(51=本名・○田巌)が自宅に覚せい剤を隠し持っていたとして、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕されていたことが(平成16年)5月31日、分かった。29日、東京・浅草の自宅マンションの机の中からビニール袋入りの0・24グラムの覚せい剤が見つかり、現行犯逮捕された。清○容疑者は大麻、覚せい剤で過去に3度逮捕され、実刑判決も受けた。今回が4回目の逮捕となる。」
清○容疑者は、覚醒剤常習者の疑いがあり、Aの場合も、同様でした。

■私の方針
私は、刑事事件での弁護人の役割は、最終的には、被告人の真の更生、立ち直りを手助けするものと理解しております。
従って、いくら被告人が無罪を主張しても、真実は有罪と確信した場合、正直に罪を認め、心から償いをして、真の更生、立ち直りの切っ掛けを掴むようにアドバイスしていきます。又有罪の場合でも、弁護人の役割は、単に被告人の刑を軽くするだけではなく、たとえ刑が重くなっても、被告人が、自己の犯した犯罪の重大性をシッカリ自覚して、心から反省して、2度と犯罪を行わない人間に生まれ変わる切っ掛けとなる弁護を心がけてきました。従って考え方の甘い被告人にはそのことを厳しく指摘して、認識を改めて頂くような厳しいアドバイスもします。
Aに対しては、覚醒剤常習犯と化して居たようですから、そのことを心から反省して貰うべくアドバイスしましたが、Aは何としても無罪だと言い張ります。私は、ほとほと困って、高裁の裁判長に辞任を申し出ました(以下、次号に続きます)。
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