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事故日から20年以上経過後訴え提起を認めた平成25年10月11日判決紹介3

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平成26年 7月31日:初稿
○「事故日から20年以上経過後訴え提起を認めた平成25年10月11日判決紹介2」の続きです。
平成25年10月11日水戸地裁下妻支部渡辺力裁判官の判決(判時2222号83頁)は、具体的事案の解決としては極めて妥当な結論です。しかし、民法第724条後段除斥期間の規定を形式的に適用すれば請求棄却をせざるを得ないところで、担当裁判官としては、具体的に妥当な結論との狭間で相当迷ったと思われます。

○渡辺力氏は、弁護士任官の裁判官で具体的妥当な解決のために大胆な結論を出される方です。「追突事故での統合失調症発症との因果関係を認めた判例概要紹介」で紹介した平成24年3月23日仙台地方裁判所判決(自保ジャーナル第1882号) も渡辺力裁判官でした。この事案は、単なる追突事故で頭部外傷が全くない事案で統合失調症発症した希有な事例で、それでも事故との因果関係が認めた極めて大胆な画期的判断でしたが、諸般の事情を考慮した具体的事案の解決としては実に適正なものでした。

○「加害者請求権消滅時効理由での保険会社への直接請求否認判例全文紹介1」で紹介した平成25年10月11日仙台地裁判決の事案も、4年半の審理で3人目の裁判官に形式的消滅時効適用で全部棄却されましたが、2人目の裁判官が渡辺力氏でした。同裁判官に判決まで担当して頂ければ、結論が違っていたことを確信しています。渡辺氏は、形式的法適用より実質的妥当な解決を目指す方だったからです。

○渡辺氏の平成25年10月11日水戸地裁下妻支部判決(判時2222号83頁)で思い出したのが、私が平成17年に提訴した事件です。事案は以下の通りでした。
・昭和55年6月4日、Aさん(当時4歳)が自動車に左足を轢かれて、左下腿骨骨折の傷害
・同年6月4日から同年7月17日まで44日間入院し、その後相当日数通院
・同年11月20日、一旦、一応の示談契約を締結
・昭和62年5月6日、脚延長手術のためB病院に同年7月25日まで81日間入院
・入院中の同年7月7日、「左下肢を5㎝以上短縮したもの」として8級5号後遺障害認定、7月23日自賠責保険金672万円受領
・当時Aさんは12歳で、その後の成長経過によって完全成長後、再手術を行う可能性があったため損害未確定として示談契約締結せず
・その後、Aさんは成長に連れて両下肢の差は縮まるも、左下肢の脛骨変形及び腓骨歪みによる左足首関節の機能障害発生
(平成12年6月4日除斥期間満了)
・平成13年11月27日小松事務所に相談、今後の手術の推移を見る、この時点で小松弁護士は除斥期間満了に全く気付かず、
・平成14年1月(当時Aさん25歳)、左脛骨変形矯正骨切り及び脚延長手術目的で平成15年8月1日までの間に合計95日入院
・平成16年3月10日、症状固定の診断を受け、同年10月28日、小松弁護士に依頼して自賠責保険金請求、平成17年6月21日、後遺障害等級併合7級認定、自賠責保険金164万円(8級との差額)受領
・平成17年9月1日、7級を前提に約8000万円の支払を求める訴え提起


○昭和55(1980)年6月の事故で平成12(2000)年6月で除斥期間満了になるところ、その後、平成13年に3度目の手術を受け、平成16年3月に最終的症状固定となって、事故から25年目の平成17年6月最終的自賠責後遺障害認定がなされて最終的自賠責保険金を受領したとの希有な事案です。私は、自賠責後遺障害認定が出て追加自賠責保険金も受領したことから、恥ずかしながら除斥期間に全く思いが至らず提訴すると、相手方実質保険会社も消滅時効の抗弁は出すも、除斥期間経過の抗弁は出さず、先ず熾烈な消滅時効論争が続きました。

○提訴して半年程経たところで、担当裁判官から、この事件は明らかに除斥期間を経過しているとの余計な口出しがあって(^^;)、その後、除斥期間論争に入りました。私は、除斥期間が適用されなかった公害裁判等の例を出して本件でも除斥期間は適用にならないと力説しましたが、担当裁判官から判決になったら除斥期間適用で棄却せざるを得ないと強く促されて、不本意な和解金で和解しました。形式的な法適用より具体的事案毎に具体的妥当な解決を目指す渡辺裁判官なら如何なる判断をしたか興味あるところです。

○この事件は、Aさんが初めて当事務所を訪れたときは既に除斥期間経過後でした。しかし、私は除斥期間に思い至らず、自賠責請求をして後遺障害等級アップとなり、追加保険金を受領しました。提訴後、半年経過した時点で、除斥期間に気付かされ、一時慌てました。もし除斥期間満了間際に相談を受け、除斥期間を失念していたら弁護士過誤として損害賠償請求をされたかも知れません。以来、交通事故等不法行為相談については、先ず除斥期間をシッカリ確認するようになりました(^^;)。

○しかし交通事故自賠責保険に関しては事故との因果関係が認められれば除斥期間不問で自賠責保険金が支払われるようです。また、渡辺力裁判官の除斥期間修正判決も出ました。除斥期間経過で安易に諦めず食い下がる価値があります。なお、近々予定されている民法改正では除斥期間制限は撤廃も検討されているようです。
以上:2,126文字

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