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加害者請求権消滅時効理由での保険会社への直接請求否認判例全文紹介1

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平成26年 4月15日(火):初稿
○「謹告!約款6条②(3)での保険会社への直接請求訴訟に黄色信号」、「同2」で紹介を予告した平成25年10月11日仙台地裁判決全文を数回に分けて紹介します。先ず事案の概要です。
OCRソフトの不備で文字間違いがあるはずで、気付き次第徐々に訂正していきます。

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主  文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は、原告の負担とする。

事実及ぴ理由
第1 請求

1 被告三井住友は、原告に対し、149万円を支払え。
2 被告三井住友は、原告に対し、原告が訴外Aに対する損害賠償請求権を行使しないことを同人に対して書面で承諾することを条件に、1686万9712円及びうち1420万8688円に対する平成24年10月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告共栄は、原告に対し、1 4 9万円を支払え。
4 被告日新は、原告に対し、原告が訴外Bに対する損害賠償請求権を行使しないことを同人に対して書面で承諾するこどを条件に、313万2763円及びうち295万6522円に対する平成24年10月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5 仮執行宣言

第2 事案の概要等 
 本件は、原告が、平成17年11月18日、原告が運転する普通乗用白動車(以下「原告車」という。)と訴外Aが運転する普通貨物自動車(以下「A車」という。)との聞で発生した交通事故(以下F第1事故)という。)により負傷し、さらに、平成18年7月3日、原告車と訴外Bが運転する普通乗用自動車(以下「B車」という。)との間で発生した交通事故(以下「第2事故」という。)により負傷し、第1事故及び第2事故(以下「本件各事故」という。)が競合して低髄液圧症候群を発症し、後遺障害等級12級相当の後遺障害が残存したと主張して、訴外Aが第1事故に関し、また、訴外Bが第2事故に関し、原告に対し、それぞれ民法709条又は自動車損害賠償保障法(以下、「自賠法」という。)3条に基づく損害賠償義務を個別に負うことを前提に、
①第1事故のA車について白動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)契約を締結していた被告三井住友に対し、自賠法16条に基づく損害賠償額(以下「自賠法の損害賠償額」という。)の支払請求として自賠法施行令の定める’後羞障害保険金額の不足分1 4 9万円の支払(請求の趣旨1項)、

②A車について一般自動車総合保険(以下「任意保険」という。)契約を締結していた被告三井住友に対し、原告が任意保険の直接請求権に基づく損害賠償として訴外Aに対する損害賠償請求権を行使しないことを同人に対し書面で承諾することを条件に1686万9712円及ぴうち1420万8688円に対する症状固定日の後である平成24年10月10日(被告三井住友から第1事故に係る自賠法の損害賠償額が支払われた日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払(請求の趣旨2項)、

③第2事故のB車について自賠責保険を締結していた被告共栄に対し、自賠法の損害賠償額の支払請求として同法施行令の定める後遺障害保険金額の不足分149万円の支払(請求の趣旨3項)、

④B車について任意保険を締結していた被告日新に対し、原告が任意保険の直接請求権に基づく損害賠償として訴外Bに対する損害俯償請求権を行使しないことを同人に対し書面で承諾することを条件に313万2763円及びうち295万6522円に対する症状固定日の後である同年10月6日(被告共栄から第2事故に係る自賠法の損害賠償額が支払われた日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払(請求の趣旨4項)をそれぞれ求めた事案である。

1 前提事実(末尾に証拠等の掲記のない事実は、当事者間に争いがない。)
(1)原告は、昭和37年10月13日生まれ(第1事故の当時は43歳)の女性であり、本件各事故当時、専業主婦として稼働していた。

(2)次のとおり第1事故が発生し、これにより原告は負傷した。
 ア 発生日時 平成17年11月18日午後3時10分ころ
 イ 発生場所 仙台市宮城野区○○付近路上
 ウ 加害車両 A車(宮城○○ふ○○○○)
 エ 被害車両 原告車(宮城○○ぬ○○○○)
 オ 事故の態様 A車が、赤信号ないし渋滞で停止中の原告車に追突した。

(3)次のとおり第2事故が発生し、これにより原告は負傷した。
 ア 発生日時 平成18年7月3日午後5時25分ころ
 イ 発生場所 仙台市宮城野区○○付近路上
 ウ 加害車両 B車(宮城○○の○○○○)
 エ 被害車両 原告車(宮城○○ぬ○○○○)
 オ 事故の態様 原告車が信号機による交通整理のされていない十宇路交差点を右折進行中、B車が,原告車が交差点を通過し終えたと即断し、交差点進入時の原告車からみて左方から交差点内に進入したため、B車前部のバンパー左前角付近が、原告車後部のバンパー左角付近に接触した。(弁論の全趣旨)

(4)保険契約
 ア 第1事故関係
(ア)自賠責保険
 被告三井住友は、訴外Aとの間で、A車について、遅くとも平成17年11月18日の第1事故の発生より前に、自賠責保険契約を締結した。
(イ)任意保険
 被告三井住友は、訴外Aとの聞で、A車について、遅くとも平成17年11月18日の第1事故の発生より前に、保険契約者及び被保険者を訴外Aとし、対人賠償責任条項を含む任意保険契約(乙11)を締結した。

 イ 第2事故関係
(ア)自賠責保険
 被告共栄は、訴外Bとの間で、B車にっいて、遅くとも平成18年7月3日の第2事故の発生より前に、自賠責保険契約を綿結した。
(イ)任意保険
 被告日新は、訴外Bとの間で、B車について、遅くとも平成18年7月3日の第2事故の発生より前に、保険契約者及び披保険者を訴外Bとし、対人賠償責任条項を含む任意保険契約を締結した。

(5)原告は、平成21年5月1日、被告三井住友及び被告共栄に対し、甲事件に係る本件訴えを提起し、その後。同月25日、被告日新に対し、乙事件に係る本件訴えを提起した。(当裁判所に顕著な事実)。
 なお、原告は、第1事故の加害者である訴外A及ぴ第2事故の加害者である訴外Bに対しては、いずれも本件各事故に関して何らの請求を行っていない。

(6)自賠法16条に基づく被害者請求
 ア 原告は、平成24年6月、第1事故の自賠責保険会社である被告三井住友に対し、自賠法16条の被害者請求を行い、同年9月、白賠法施行令別表第二の第14級9号に該当するとの後遺障害等級認定を受け、同年10月9日、被告三井住友から、自賠法の損害賠償額として75万円の支払を受けた。(甲49)

 イ 原告は、平成24年6月、第2事故の白賠責保険会社である被告共栄に対し、自賠法16条の被害者請求を行い、同年9月、自賠法施行令別表第二の第14級9号に該当するとの後遺障害等級認定を受け、同年10月5日、被告共栄から、自賠法の損害賠償額として75万円の支払を受けた。(丁1、2)


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