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追突事故での統合失調症発症との因果関係を認めた判例概要紹介

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平成25年 6月10日:初稿
○私が担当した判例が自動車保険ジャーナル第1882号に掲載されていました。株式会社自動車保険ジャーナル判例検索CD-ROM判例システムVSバージョン2013年上期版を眺めて居たらたまたま発見しました。私は、同社の判例雑誌自保ジャーナルを定期購読して、毎月、配送される度に一応目を通しているのですが、掲載された平成24年11月22日発行第1882号を眺めて気付いていませんでした(^^;)。

単なる追突事故で頭部外傷が全くない事案で統合失調症発症と事故との因果関係が認められる例は、希有な事例についての画期的判断ですので、以下、取り敢えず、判決要旨と事案の概要を紹介します。なお、残念ながら本判決は、控訴審において事故による傷害と統合失調症発症の因果関係は否認され、平成25年6月現在、最高裁への上告受理申立中です。

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平成24年3月23日仙台地方裁判所判決

追突された35歳男子に9級統合失調症10年間35%労働能力喪失を認め脆弱性で60%の素因減額を適用した

【判決要旨】
①乗用車を運転、交差点を右折中、乗用車に追突されて頸椎捻挫等から統合失調症を発症したとする35歳男子原告につき、精神科主治医の診断等から、「本件交通事故に関連した内容であること及びこの幻覚、妄想の内容からすれば本件交通事故とそれに関するその後の係争が原告にとって強度のストレスとなったことが認められることからすれば、本件交通事故と原告の統合失調症の発症との間にも因果関係が認められる」と認定した。

②保健福祉手帳障害等級1級、国民年金障害等級1級等受ける原告の症状につき、自賠責等級9級認定、35%の「労働能力喪失の期間については、頸部重苦感、両上肢痺れ感の後遺障害の程度及び統合失調症について本件交通事故に関する係争が落着すれば、ストレスから解放されて症状の改善を期待できることを考慮すると、休業期間の終期とした本件交通事故後3ヶ月経過時点である平成18年5月(原告は35歳)から10年間とするのが相当と認められる」と認定した。

③「本件交通事故の軽微な態様に照らせば、原告の統合失調症の発症には、原告の側に素から備わっていた脆弱性(統合失調症の罹患のしやすさ若しくは発病準備性のこと。)がかなり寄与していると認められ、その寄与割合は60%とするのが相当と認められることから、原告の逸失利益を計算するにあたっては、素因減額として60%を控除する」と6割減額を適用した。

仙台地裁 平成24年3月23日判決(控訴中)
事件番号 平成22年(ワ)第729号 損害賠償請求事件
<出典> 自保ジャーナル・第1882号(平成24年11月22日掲載)


【事案の概要】
 35歳男子の原告は、平成18年2月15日午後4時頃、仙台市青葉区内の交差点で乗用車を運転右折中、Y運転の乗用車に追突され、頸椎捻挫等から統合失調症を発症し、7級相当の後遺障害を残したとして、甲損保に任意保険、乙損保に自賠責保険金の被害者請求の訴えを提起した。

 裁判所は、追突された35歳男子に統合失調症発症と本件事故との因果関係を認め、9級後遺障害を残し、10年間35%の労働能力喪失による逸失利益等の損害から6割を原告の脆弱性に起因すると素因減額を適用した。

 精神科主治医の見解等から、「本件交通事故に関連した内容であること及びこの幻覚、妄想の内容からすれば本件交通事故とそれに関するその後の係争が原告にとって強度のストレスとなったことが認められることからすれば、本件交通事故と原告の統合失調症の発症との間にも因果関係が認められる」と認定した。

 原告の症状は、保健福祉手帳障害等級1級、国民年金障害等級1級等から、自賠責9級10号を認めて、35%の「労働能力喪失の期間については、頸部重苦感、両上肢痺れ感の後遺障害の程度及び統合失調症について本件交通事故に関する係争が落着すれば、ストレスから解放されて症状の改善を期待できることを考慮すると、休業期間の終期とした本件交通事故後3ヶ月経過時点である平成18年5月(原告は35歳)から10年間とするのが相当と認められる」と認定した。

 「本件交通事故の軽微な態様に照らせば、原告の統合失調症の発症には、原告の側に素から備わっていた脆弱性(統合失調症の罹患のしやすさ若しくは発病準備性のこと。)がかなり寄与していると認められ、その寄与割合は60%とするのが相当と認められることから、原告の逸失利益を計算するにあたっては、素因減額として60%を控除する」と認定した。
以上:1,901文字

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