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加害者請求権消滅時効理由での保険会社への直接請求否認判例全文紹介10

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平成26年 4月18日:初稿
○「加害者請求権消滅時効理由での保険会社への直接請求否認判例全文紹介9」を続けます。

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(4)この点,被告三井住友は,本件約款に本件行使期限条項がおかれていることを踏まえて,原告の訴外Aに対する損害賠償請求権について民法724条所定の消滅時効が完成したとしてこれを援用した上,本件行使期限条項の「損害賠償請求権者の被保険者に対する損害賠償請求権が時効によって消滅した場合」に該当するから,原告は,被告三井住友に対し,任意保険の直接請求権を行使できないと主張する。そこで,本件行使期限条項の適用の有無について検討する。

ア 前示のとおり,原告は,第1事故の加害者(被保険者)である訴外Aに対しては,これまで何らの請求をしておらず,本件訴えにおいても,訴外Aを被告とせず,任意保険会社である被告三井住友のみを被告として,本件約款の本件直接請求権条項に基づく請求をしたところ,証拠(甲13)及ぴ弁論の全趣旨によれば,被告三井住友は,平成19年3月8日,原告に対し,第2事故が発生した平成18年7月3日までの分を対象として,①治療費83万9271円,②通院費(タクシー代)74万9410円,③その他5万円(平成17年12月の仙台整形外科の通院治療費,甲55),④慰謝料74万4000円の合計238万2681円を損害賠償の額とする示談の申込みをしたこと,ただし,被告三井住友は,原告に対し,平成18年7月3日までの治療費,タクシー代及ぴその他として163万8681円,同月4日以降の治療費及ぴタクシー代(平成19年1月30日までの分。甲54)として77万3810円の合計241万2491円を支払っていたことから,この既払金と損害賠償の額とを相殺し,過払額の返還を請求しない内容での示談を申し込んだことがそれぞれ認められる(以下「本件示談提示」という。)。以上を要するに,被告三井住友は,平成1 9年3月8日,原告に対し,既払額の241万2491円を限度として第1事故に関する損害賠償債務を承認したが,残余の債務の存在については争ったというべきである。

イ ところで,本件約款には,任意保険会社の行う示談交捗等の代行について,下記の定め(以下「本件示談等代行条項」という。)がある。(乙17)
                  記
「第1章(賠償責任条項)
第5条(当会社による解決-対人賠償)
① 被保険者が対人事故にかかわる損害賠償の請求を受けた場合,または当会社が損害賠償請求権者から次条の規定に基づく損害賠償額の支払の請求を受けた場合には,当会社は,当会社が被保険者に対して支払責任を負う限度において,当会社の費用により,被保険者の同意を得て,被保険者のために,折衝,示談または調停もしくは訴訟の手続(弁護士の選任を含みます。)を行います。
(以下略)」                           以 上

ウ 前記ア及ぴイの認定事実及ぴ弁論の全趣旨を総合すると,被告三井住友は,平成19年3月8日,本件示談等代行条項に基づき,被保険者である訴外Aの同意を得て本件示談提示を行ったと認められるところ,これは代理人による債務の承認に該当するから,同日,原告の訴外Aに対する第1事故に係る損害賠償請求権の消滅時効は中断した。もっとも,前記アのとおり,被告三井住友は,原告に対し,本件示談提示により既払額の241万2491円の限度で債務を承認したにすぎず,残余の損害賠償債務は争ったというべきであるから,債務の承認の効力は,上記の既払額の限度でしか発生しないと解すべきである。

 そうすると,上記既払金を除く,原告の訴外Aに対する損害賠償請求権(第1事故関係)は,症状固定日の同年2月3日から3年が経過したことにより消滅時効が完成したと認められる。そして,被告三井住友は,原告に対し,遅くとも第1審の弁論準備手続終結までに,原告の訴外Aに対する当該損害賠償請求権について消滅時効を援用するとの意思表示をしたと認められるから(当裁判所に顕著),本件行使期限条項(「損害賠償請求権者の被保険者に対する損害賠償請求権が時効によって消滅した場合」には,損害賠償請求権者の直接請求権を行使できない。)により,原告は,被告三井住友に対し,当該損害賠償請求権につ,き本件直接請求権条項に基づく請求をすることができないというぺきである。


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