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2011/ 7/ 1 第56号 コンプライアンス弁護士

平成24年 2月29日:初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 これからは法律を守ることが、企業活動にとっても非常に重要だなんて言われていますね。コンプライアンスというやつです。このこと自体は、特に反対しようがないのですが、皆が守っていない法律の場合、自分はどこまで守るべきかというのは、やはり気になるところです。

 スピードオーバーが違法なのは、誰でも知っています。しかし、自動車の運転で、周りの車がみんな10キロオーバーで走っている場合、自分も一緒に走りますよね。これと同じようなことが、企業の法律問題でも起こることはあるのです。

 東南アジアや中国進出企業が、現地で賄賂を使っていたなどということは、公然の秘密のようです。他の企業がみんなやっている以上、自分だけやらないというのは難しいでしょうね。

 日本でも、少し前までは、株主総会は総会屋にお願いしていたなんて大手企業が沢山ありました。当時もこれは問題だったのですが、周りもみんなやっていたということで、特に罪悪感もなくやっていたようです。

 総会屋の件は、その後法律が変わって、明確に禁止されるとともに、罰則まで制定されました。こうなりますと、当然のことですけれども、ほとんどの企業はやらなくなりますね。こういう風に、法律を変えて、明確に禁止してくれるのならば、特に問題はありません。

 しかし、中には、それまで多くの企業がやっていて、行政も黙認していたようなものが、いきなり違法にされることがあるんです。それどころか、いきなり刑罰の対象になったりします。

 昨年、世間を大いに騒がせた、郵便料金の不正事件など、まさにそういう事件でした。障害者団体のための特殊郵便料金は、非常に低額なわけです。ダイレクトメールなど送る場合、数分の1の値段で送れます。世の中には頭の回る人がいますから、この特殊郵便を利用して、企業のダイレクトメールを出すことを考えたわけですね。

 このやり方は、企業の間では相当有名でして、1999年の日経新聞でも取り上げられていました。有名なコンサルタント会社でも、郵便を安く出す方法として推奨していたんですね。

 大体、郵便なんて、配達システムを維持するのにお金がかかるんです。

 だから、暇なときには大きくディスカウントしても、配達した方が全体としては儲かるに決まっています。そういうこともあるので、郵政省も見て見ぬふりをしていたわけです。事実上野放しで、ライバル企業もみんなやっている、実質的に考えても、別に誰も損をしていないとなりますと、これはやりたくなりますね。

 そうしたものが、10年以上たった時点で、いきなり違法とされたうえに、それに関与した人は犯罪者にされてしまったわけです。こういうのは本当に怖いのです。

 仮に私が1999年の時点で、顧問企業からこのようなダイレクトメールについて聞かれたら、絶対にやめるべきだと説得出来ていたのか、自信がないのです。

 これまで、「顧問弁護士」は、こういったギリギリの問題については、会社からそもそも質問されていなかったような気がします。しかし、企業のパートナーとして、本当に役立つ助言をしようとするならば、このような問題は今後避けて通ることが出来ないと感じています。

 
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 弁護士より一言

 娘の小学校で、体育のある日は、親が体温を測って報告することになっているんですね。朝の忙しいときに、そんな面倒なこと、いちいちやってられません。そこで、私が測るときには、娘のおでこに手をあてて、「今日は36.4度の平熱。はい、問題なし!」だなんて、適当にやっていたのです。

 ところが、少し前に娘から、「うちの体温の測り方って、おかしくない。弁護士がこんなことでいいの?」なんて、言われてしまったのです!「こんなのは、不正じゃなくて、社会的に認められた方便なんだよ。」と、不正が発覚したときの、違法企業の社長さんのようなことを娘には言っておきました。

 引き続きコメントを楽しみにしております。

 (2011年7月1日第56号)
以上:1,610文字

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