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震災によるマンション共用部分損壊による損害

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平成23年 4月 3日:初稿
○東日本大震災では、仙台市内の分譲マンションにも相当酷い被害が発生しています。被害程度は、おそらく建築工事程度、地盤の強弱と弱い場合の補強工事程度等の地震対策がどの程度施されていたかによって相当差があるようです。幸い私の事務所A棟、自宅がB棟にある昭和53年12月新築で32年以上経過していたマンション旭コーポラス一番町の東日本大震災による被害は、最も大きなものでB棟屋上高架貯水槽の水漏れとその下の屋上防水材損壊によるものと思われるB棟4階の一部区画への天井からの水漏れで、その他には壁の表面に多少の亀裂が入った程度で、それほど大きい被害はありませんでした。

○ところが、色々話を聞いてみるとまだ築5年程度の新しいマンションでも壁に大きな亀裂が入り、内部鉄筋がむき出しになり、部屋によっては玄関が閉まらなくなり、しばらく居住できなくなる等の大きな被害が生じたマンションもあれば、免震構造の名の通り、あの激しい揺れでも食器一つ落ちなかったと言うものまで、その被害程度は千差万別です。耐震構造とは名ばかりであったマンションもあったようです。

○「大地震発生後7日目ーマンション理事業務等で落ち着かず」に記載したとおり、マンションの水道水供給は、先ずマンションの受水槽で受け、これをモーターで屋上貯水槽に汲み上げ、屋上貯水槽から階下の各戸に給水して行うのが一般です。ですから、水道が断水にならなくても電気が止まると受水槽から屋上貯水槽に水道水を汲み上げられなくなり、マンション全体としては断水になります。私の聞いた範囲では、今回の大震災で貯水槽が損壊してしばらく断水が続いたマンションは相当数あったようです。

○当マンションでは、B棟屋上貯水槽が従前の修理跡から再度水漏れが発生し、且つ、貯水槽を支える支柱も相当揺れたためそれを支える屋上コンクリート部分に亀裂が入ったらしく、更に従前から屋上防水材が一部損壊し雨水が三重に敷いてある防水シート下部に潜り込んで溜まっていたものが、最上階の部屋の天井に漏れるという事故が発生しました。この場合、この水漏れによって階下の天井部分等に与えた損害は、「地震による工作物崩壊により他に与えた損害について1」記載のとおり、共用部分である高架貯水槽及び屋上部分防水材に瑕疵があったことにより、その所有者であるマンション管理組合が民法第717条工作物所有者責任を負います。

○マンション共有部分の瑕疵によって各専有部分に生じた損害は、原則として管理組合に賠償責任があるため、通常、マンション管理組合はその賠償責任保険に加入し、保険金によって工事費等の損害賠償金をまかなっています。建物の区分所有等に関する法律(マンション法)第18条に共有部分の管理について規定されていますが、その4項に「共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。」とされ、通常、この保険に入ることが当然とされています。マンション法第9条では、「建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。」とされ、一体どこから発生した水漏れか不明である場合なども共用部分からの発生と推定されて、管理組合に賠償責任が発生しますので、なおさら、保険加入が必要になります。

○震災関連質問として、マンション内タワーパーキングが損壊し、駐車していた自動車が落下して損害が発生した場合の賠償責任が管理組合にあるかとの質問を頂きました。上記の通り、管理組合に民法第717条工作物所有者責任があり、この責任は無過失責任です。従って、そのタワーパーキングの落下事故は、想定外の大地震による不可抗力によるものであることを主張・立証出来ない限り、管理組合に賠償責任が生じます。但し、そのタワーパーキング工事業者の工事に瑕疵があった場合、管理組合はその工事業者に対して損害賠償請求が出来ることは当然です。問題は、今回のような想定外の大震災の場合の瑕疵についての主張・立証ですが、なかなか厳しいものがありそうです。
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