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震災による行方不明者死亡保険取扱報道例と法律制度2

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平成23年 4月 2日:初稿
○平成23年4月1日、東日本大震災の津波による大きな被災地の一つでほぼ壊滅状態になった名取市閖上地区住民等の避難所になっている名取市文化会館での無料相談を担当してきました。時間は午前は10時から12時までの2時間、午後は1時から4時までの3時間で、相談担当弁護士は7名でした。午前10時開始と同時に大勢の人が相談に訪れましたが、1時間で4人ほど担当したところで途切れ、午後も3時間の内2名担当しただけで、時間的には余裕がありすぎました。

○相談場所は、1階の小さな玄関ホールで、エントランスホールと大ホールホワイエの間の三角部分でした。上記の通り、相談者数は最初の1時間こそ連続4名でしたが、その後、途切れ、時間に余裕があったので、避難場所となっているエントランスホールと大ホールホワイエ等を見て回りました。一家族畳3~6枚程度の広さに仕切られているのが判りましたが、仕切りパネル等は全くなく、プライバシーが全く守られない状況で、どうやって着替えるのだろうか、これは大変だなと言うのが第一印象でした。避難所生活の不自由さは、TVで見るより実物を見る方が遙かに迫力をもって伝わってきました。

○私が担当した6件の相談例の内4件は閖上地区で建物を流された方の相談で、住宅ローンの今後も支払義務と対処方法が2件、住宅再建支援金と地震保険の保険金額査定方法、民間アパート賃借申込と仮設住宅申込との関連等の相談でした。いずれも細かい具体的状況を確認の上、お答えしましたが、やはり知らないことの不安が大きかったようで、ある程度の情報を得ることで安心感を持って頂きました。

○但し、相談の一つに、母が津波で流され、毎日遺体安置所を回っているが発見出来ない、今後戸籍への死亡届は具体的にはどのように行うのかとの質問がありました。正に「震災による行方不明者死亡保険取扱報道例と法律制度」に記載した事項についての質問であり、その回答に当たって、具体的には一体どのように認定手続が進むのかについては、曖昧な回答に留まらざるを得ないものでした。

○まず戸籍法第89条での認定死亡の要件である「水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合」の「その取調をした官庁又は公署」による「死亡地の市町村長に死亡の報告」は、相談者のお母さんの場合どのようになされるのでしょうかと、問われ、はたと行き詰まりました。

○津波に巻き込まれる事故は「水難」に該当することは明白ですが、「その取り調べをした官庁又は公署」はおそらく警察署でしょうと答えました。宮城県警HPを見ると「行方不明者相談ダイヤル」等震災行方不明者捜索・遺体収容等は警察署が行っています。しかし、水難事故による死亡の報告は,官海官庁である海上保安庁又はその下部機関が所管し(昭和24年3月15日民事甲252号通達)ているとのことで、死亡認定は「死亡認定事務取扱規程」(昭和28年7月7日海上保安庁達17号)に基づいておこなわれるようです。

○と言うことは捜索・遺体収容までは警察が行っても、見つからない方の死亡報告は警察からの連絡で海上保安庁の東北地区を管轄する第二管区海上保安本部が行うのかとも思われますが、「東北沿岸等における行方不明者の捜索について 4月1日」によると海上保安庁は、行方不明者の捜索等を「青森県から茨城県に至る沿岸部及び沖合い海域において」、「岩手、宮城、福島の3県の沿岸部等において、自衛隊、警察及び消防と連携して」行っているとのことで、捜索の主宰者は海上保安庁のようです。すると津波被害者についての戸籍法第89条の「その取調をした官庁又は公署」は海上保安庁が正解のようにも思えます(※と記載していましたが、海上保安庁見解は、陸にいて津波で流された人は、対象外とのことで誤りでした)。

○次にいかなる要件で「死亡地の市町村長に死亡の報告」がなされるかは、人の死亡を簡単に認定できるはずがなく、おそらく、警察署にはその取扱事務規程があり、その規程に従ってなされるはずで(※と推定していましたが、警察にはこのような規程はなく、認定死亡の報告書を出すのは困難なようです)、おそらく行方不明期間が3ヶ月以上は必要と思われますと回答しました。やはり、海上保安庁には、以下の死亡認定事務取扱規定があり、3ヶ月の経過は正解でした(^^)。

死亡認定事務取扱規定
 この規定は、死亡報告のため、海上保安庁が取り調べた船舶の遭難、投身、転落その他海上における事故による行方不明者の死亡認定に関する事務を適切に処理するため、必要な取扱要領を定めることを目的としている。

第2条(死亡認定事務の重要性)
 死亡認定事務は、行方不明者の身分関係及び財産関係を確定する重要なものであるから、その処理に当っては、正確且つ慎重な調査を行い、行方不明者に関する事実の確認に努めなければならない。

第3条(書類作成上の注意事項)
 この規程に定める書類の作成に当り、文字を加え、削り、又は欄外に記人したときは、作成者がこれに認印し、その字数を記入しなければならない。但し、削った部分はこれを読むことができるように字体を残さなければならない。

第4条(死亡認定の要件)
 死亡認定は、左の各号の要件を具備する場合に限り行うことができる。
1 海上保安庁が取り調べた行方不明者であること。
2 行方不明者の親族(婚姻の届出をしないが、事実上配偶関係にある者を含む。)から死亡認定の願出があったこと。
3 行方不明者の被服又は携帯品、避難船舶、遭難船舶の破片、ぎ装品又は属具等の現存、海難の現認者の証言等行方不明者の死亡を確認するに足りる証拠がある場合か、又は行方不明者の乗船していた船舶が遭難したことが確実である場合であって、四囲の状況をも考慮するとき、その行方不明者が生存しているとは考えられないものであること(単に消息を絶ち、生死が分明でないというだけではたりない)。
4 海難発生の時から3月以上を経過したものであること。


第5条(死亡認定を行う者)
(1)死亡認定は、第2項に掲げるものを除き、行方不明の原因となった海難の発生地を管轄する管区海上保安本部長が行う。 (以下略)
(2)戦時災害である海難により行方不明となった応徴船員、及び徴よう船乗客についての死亡認定は、海上保安庁長官が行う。

第6条(死亡認定願) 死亡認定の頤出は、左の手続により行わせるものとする。
1 行方不明者の親族から、当該行方不明者の乗船していた船舶の所有者に対して、死亡認定手続願を提出させる。
以上:2,669文字

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