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後遺障害等級第11級脊柱変形労働能力喪失率20%を認めた地裁判例紹介3

○「後遺障害等級第11級脊柱変形労働能力喪失率20%を認めた地裁判例紹介2」の続きで、後遺障害等級第11級「脊柱の変形」を含む後遺障害について42歳男子会社員の逸失利益を定年まで実収入、定年後センサス同年齢で労働能力喪失20%により認めた平成25年4月26日東京地裁判決(自保ジャーナル・第1902号)の関連部分を紹介します。

○判決は、自賠責併合10級後遺障害を残す大学院卒上場企業会社員42歳男子の「原告には、後遺障害として、①後遺障害等級表11級7号に該当する第2腰椎圧迫骨折後の脊柱の変形障害及び腰痛、②後遺障害等級表12級8号に該当する右尺骨茎状突起骨折後の変形障害、右手関節の硬い感じ及び手関節背側面の頑固な疼痛が残存している」等、「本件事故により原告は20%(後遺障害等級表併合11級相当)の労働能力を喪失したものと評価するのが相当である」と認定しました。

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主  文
1 被告乙山は、原告甲野に対し、3040万7071円及びこれに対する平成19年10月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告甲野は、原告保険会社に対し、6万952円及びこれに対する平成19年12月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告甲野のその余の請求を棄却する。
4 原告保険会社のその余の請求を棄却する。
5 訴訟費用は、原告甲野に生じた費用については、これを30分し、その10を原告甲野の負担とし、その17を被告乙山の負担とし、その余を原告保険会社の負担とし、被告乙山に生じた費用については、これを3分し、その1を原告甲野の負担とし、その余を被告乙山の負担とし、原告保険会社に生じた費用については、これを10分し、その1を原告甲野の負担とし、その余を原告保険会社の負担とする。
6 この判決は、第1項及び第2項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第一 請求

1 第1事件
 被告乙山は、原告甲野に対し、4446万7980円及びこれに対する平成19年10月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 第2事件
 原告甲野は、原告保険会社に対し、60万9526円及びこれに対する平成19年12月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第二 事案の概要
1 本件は、原告甲野の運転する普通自動二輪車(以下「原告車」という。)と被告乙山の運転する普通乗用自動車(以下「被告車」という。)との間で発生した交通事故(以下「本件事故」という。)に関し、①原告甲野が、本件事故により傷害を負などして損害を被ったと主張して、被告乙山に対し、民法709条、自動車損害賠償保障法3条に基づき、4446万7980円及びこれに対する平成19年10月25日(本件事故発生の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め(第1事件)、②被告車を被保険自動車とする自動車保険契約を締結していた原告保険会社が、被告車の所有者に対して車両保険金を支払ったと主張して、保険代位により、60万9526円及びこれに対する同年12月6日(保険金支払日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(第2事件)事案である。

         (中略)

(※原告主張)
(イ) 労働能力喪失率
 原告甲野の第2腰椎の圧迫骨折の程度は、後遺障害等級表11級7号に該当すると認定されていることからも明らかであるように、わずかではないし、第2腰椎の変形により、anterior column(脊髄の前角)がつぶされている。原告甲野は、脊柱の変形障害及び腰痛により、腰に負荷がかかると激痛が走り、その後数日は痛みがとれず、また、デスクワークで腰痛が激しくなり、会議中でも定期的に退室せざるを得ず、腰に負荷のかかる荷物の運搬は困難であるなど、現実に職務遂行上の支障が生じているほか、将来の再雇用に不利に働く可能性が高い。
 また、原告甲野は、腰部のほか、右尺骨茎状突起骨折後の変形障害が行為し、利き手の右手で工具や機器をうまく扱うことが困難となった。以上によれば、原告の後遺障害による労働能力喪失率は、後遺障害等級表10級に相当する27%である。
(ウ) 労働能力喪失期間
 症状固定時42歳から67歳までの25年(ライプニッツ係数14.0939)である。

(※被告主張)
(イ) 労働能力喪失率について
 原告甲野の腰部には、第2腰椎圧迫骨折によりわずかながらでも圧潰が生じているから、「脊柱に変形を残すもの」として後遺障害等級表11級7号に該当することとなるが、脊髄には損傷がないので、労働能力に影響はない。
 腰痛についても後遺障害等級表11級7号に含めて評価されているところ、仮に、腰痛を単独で評価するとしても医療記録の内容によれば、腰痛がそれほど重いものとは考えられず、せいぜい後遺障害等級表14級9号に該当するにとどまる。
 したがって、後遺障害等級表12級8号に該当する右手関節の後遺障害と併せても、原告甲野の労働能力喪失率は14%(後遺障害等級表14級と12号の併合12級相当)とみるべきである。
(ウ) 労働能力喪失期間について
 再雇用期間が65歳までと規定されている以上、労働能力喪失期間は65歳までとするべきである。

         (中略)


第三 当裁判所の判断

         (中略)

2 争点(2)(原告甲野の損害)について

         (中略)

(9) 後遺障害逸失利益 2164万2906円
ア 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

(ア) 原告甲野は、平成4年3月、L大学大学院(工学研究科金属材料工学専攻、博士課程前期)を修了し、同年4月にH会社に入社した。

(イ) 原告甲野は、本件事故当時、H会社本社の品質保証部においてプラズマ・テレビ及びモニタ製品の設計審査、特に、新製品等の信頼性評価の業務に従事していた。同業務の過程では、重量のある検証用ディスプレイを運搬・設置する作業も必要であった。

(ウ) 原告甲野は、本件事故により受傷したため休業し、平成19年12月17日に職場に復帰した。
 原告甲野は、本件事故により受傷したため、重量のある検証用ディスプレイを運搬・設置する作業ができなくなったことから、本件事故前に従事していた信頼性評価の業務に従事することができなくなり、3回の人事異動を経て、平成23年4月1日以降は、新規事業開発部事業開発室において、新規事業の推進のための企画調査業務に従事している。同業務はデスクワークが中心であるが、原告甲野は、同じ体勢で座っていると腰痛が強くなるため、時々離席してストレッチ等の運動をすることが必要である。

(エ) 原告甲野の本件事故前年(平成18年)の給与収入は、800万7323円であったが、平成21年の給与収入は705万9550円、平成22年の給与収入は640万4206円、平成23年の給与収入は746万4971円であった。

(オ) H会社では、定年は60歳と定められているが、一定の資格要件を満たし正社員は、希望により、再雇用される定年再雇用制度がある。定年再雇用者の契約形態は嘱託又はパートタイムとされ、勤務形態はフルタイム勤務又はパートタイム勤務であり、雇用契約期間は1年(ただし、更新を妨げない。)、定年再雇用可能期間は最長で満65歳の誕生日当日までとされている。フルタイム勤務の場合の報酬は、最も高いランクの定年再雇用者でも、月額報酬18万2500円、一時払金84万円、年間合計303万円である。ただし、月額報酬及び一時払金のほかに時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日勤務手当の支給もある。

イ 基礎収入
 上記アの認定事実によれば、原告甲野の後遺障害逸失利益を算定する際の基礎収入は、①症状固定時(平成20年7月末、42歳)から定年時(60歳)までの18年間については、本件事故前年の給与収入800万7323円とし、②60歳から67歳までの7年間については、H会社の定年再雇用者の給与収入は低額であるが、①において定年までの昇給を考慮していないことも斟酌して、平成23年賃金センサス大卒男子60~64歳の平均賃金607万7500円とするのが相当である。

ウ 労働能力喪失率
 前記前提となる事実等(4)及び前記(1)で認定した治療経過によれば、原告甲野には、後遺障害として、①後遺障害等級表11級7号に該当する第2腰椎圧迫骨折後の脊柱の変形障害及び腰痛、②後遺障害等級表12級8号に該当する右尺骨茎状突起骨折後の変形障害、右手関節の硬い感じ及び手関節背側面の頑固な疼痛が残存している。

 このうち、①の脊柱の変形障害は、それだけでは直ちに労働能力に影響を及ぼすものではない。この点、原告甲野は、第2腰椎の変形によりanterior column(脊髄の前角)が潰されていると主張する。確かに、E整形外科の丁山医師が作成した後遺障害診断書には、「第2腰椎のanterior columnがわずかに圧潰しています」と記載されている。しかしながら、anterior columnは「脊髄の前角」を指す場合と「椎体の前方」を指す場合があることが認められるところ、前記(1)で認定した治療経過によれば、原告甲野が治療を受けたいずれの医療機関においても脊髄損傷の診断はなく、原告甲野には神経学的異常所見は認められないこと、上記後遺障害診断書にはanterior columnが脊柱管への影響はない状態であることが記載されていることを考慮すると、上記後遺障害診 断書のanterior columnは「椎体の前方」を指すものと解するのが相当であり、原告甲野の上記主張は採用することができない。
 他方、原告甲野には、重量物を運搬することができず、同じ体勢で座っているだけで強くなる腰痛が残存しており、これは、脊柱の変形障害に起因するものであることを考慮すると、上記①の後遺障害による労働能力喪失の程度は、後遺障害等級表12級相当と評価すべきである。
 したがって、上記②の後遺障害と併せて、本件事故により原告甲野は20%(後遺障害等級表併合11級相当)の労働能力を喪失したものと評価するのが相当である。


エ 損害額
(800万7323円×20%×11.6896)+〔607万7500円×20%×(14.0939-11.6896)〕=2164万2906円
以上:4,315文字

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