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不貞行為第三者責任を限定した昭和51年12月27日札幌地裁判決紹介

○40年以上前の古い判例ですが、妻Xから、離婚に到らせた不貞行為第三者(共同不法行為者Y2)に対する損害賠償(慰謝料)請求において、共同不法行為の成立が認められた場合にも、一方加害者夫Y1の行為の結果に対する不貞行為第三者の度合いが非常に少なく、かつ、そのことが証明されている場合には、その者については右関与の度合いに応じた範囲での責任のみしか負わすことができないとして100万円の請求を10万円と認めた昭和51年12月27日札幌地裁(判タ364号243頁)全文を紹介します。

○妻Xの夫Y1に対する離婚訴訟において、夫及び夫と不貞行為を続けたY2に対し、共同不法行為責任として慰藉料(損害賠償)を請求し、本判決は、被告Y1に対する妻Xの離婚請求を認容したうえ、Y1がXに対して支払うべき慰藉料額は300万円が相当であるとし、かつ離婚は不貞行為以外に起因する部分も相当あるとしてY1・Y2の共同不法行為に基づく部分は80万円が相当とし、両名の不法行為の関与(寄与)の実態に即し、常にY1が主導権を握つており、Y2はこれに服従していたにすぎないこと、現在Y2はY1と別れ元の夫のもとに戻つており、Y2自身の心身もかなり傷ついたこと等を考慮し、Y2の責任は共同不法行為責任額の8分の1に当る10万円に限定しました。

○一般に、共同不法行為者の責任は不真正連帯債務であり、賠償の範囲は共同不法行為と相当因果関係にある全損害であつて、ただ共同不法行為者の一人が全部の賠償をした場合には、他の者に対して、本来負担すべき責任の割合に応じて求償権を有するにすぎないと考えられ、この考え方でいく限り、本件のY2も80万円全額について責任を負うことになるのが原則です。

○これに対し、共同加害者の寄与度や違法性の強弱等によつて損害賠償義務の範囲を限定し、その限度で責任を肯定する見解もあり、本判決は、婚姻関係侵害による共同不法行為責任の問題について、この限定説に立つもので、具体的事案解決としては極めて合理的と評価します。

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主  文
一 原告と被告Y1とを離婚する。
二 原告と被告Y1との間の長男A(昭和39年6月25日生)、二男B(昭和41年6月22日生)、長女C(昭和43年8月19日生)の親権者をいずれも原告と定める。
三 被告Y1は原告に対し、金600万円(金10万円の限度で被告Y2と連帯)を支払え。
四 被告Y2は原告に対し、金10万円を被告Y1と連帯して支払え。
五 原告の被告Y2に対するその余の請求を棄却する。
六 訴訟費用中、原告と被告Y1との間に生じたものは全部同被告の負担とし、原告と被告Y2との間に生じたものはこれを10分し、その1を同被告の負担とし、その余は原告の負担とする。 

事  実
 原告は、主文第一ないし第三項(但し、第三項の( )書を除く。)と同旨ならびに「被告Y2は原告に対し金100万円を支払え。訴訟費用は被告らの負担とする。」との判決を求め、その請求の原因として、
一、原告(昭和8年4月6日生)は、昭和38年春ころ、被告Y1(昭和18年12月12日生。以下、被告Y1という。)と婚姻を前提に同棲し、同年12月挙式し、翌昭和39年6月25日婚姻の届出をした。二人の間には、長男A(昭和39年6月25日生)、二男B(昭和41年6月22日生)、長女C(昭和43年8月19日生)の三人の子がある。

二、婚姻当初、被告Y1はダンプの運転手をしていたが、昭和41年個人で土建業をはじめ、昭和44年有限会社山本産業(資本金100万円)を設立し、事業を会社組織に改めたが、右会社は昭和49年11月倒産し、その後同被告は、個人名義で土建業を営んでいる。
 原告は、同被告が土建業をはじめてから、家事のほか、自宅である札幌市西区○○○条西○丁目357番地の借家に住み込んでいた従業員(二~三人)の食事等の世話、電話の応対、伝票整理などして献身的に同被告の事業を手伝つてきた。

三、被告Y1は、女ぐせが悪く、次々と女と不貞な関係を結んだ。(原告は、被告Y1と同居中、同被告が他の女からうつされた性病をうつされ治ることがなかつたくらいである。)
1 昭和39年3月ころ、被告Y1は、原告が実家にもどつた留守中に、行きつけのガソリンスタンドの女事務員を自宅に引き入れ泊めた。
2 昭和45年ころから、同被告は、田中組という土建会社の女事務員と2年間位肉体関係を続けた。同被告は、この頃から外泊を繰り返すようになつた。
3 昭和47年ころから、被告Y1は、札幌市西区○○のキヤバレー「○○○」のミエ子というホステスと原告とは別れるなどと約束して2年間位肉体関係を続けた。右ホステスは昭和48年春ころ、原告らの自宅に乗り込んできたことがあつた。
4 昭和48年8月ころから、被告Y1は別の札幌市西区○○のキヤバレー「○○」のホステスをしている被告Y2(以下、被告Y2という。)と深い仲になり、同被告は、札幌市西区○○に借家を一軒借り同棲するようになつた。

四、被告Y1は酒好きで酩酊して帰宅しては原告にあたりちらし、原告の意見をきき入れず、しばしば原告を殴る蹴るして暴力を振つた。

五、原告は、これまで子供のためを考え、被告Y1の改心を望んで我慢してきたが、これ以上しんぼうできず、昭和50年7月28日、その前日に右被告から「出ていけ」と怒鳴られ、足蹴りにされるなどの暴行を受けたのを機会に離婚を決意し、三人の子を連れて家を出、一時○○の実兄佐藤良雄方に身を寄せ、昭和50年8月下旬から苫小牧市○町一丁目12番13号にアパートを借りて生活したが、右被告は、原告が別居した後間もなく被告Y2を自宅に引き入れて一緒に生活した。

六、以上のとおり、原告と被告Y1との婚姻関係は完全に破綻した。よつて、原告は、同被告との離婚を求めるが、3人の子供は、原告になついているし、子の幸福のために、原告がその親権者になるのが適当である。

七、ところで、原告と被告Y1との婚姻が破綻した責任はあげて被告Y1にある。したがつて、同被告は、原告に対し、原告の精神的苦痛を慰藉するために、金300万円の慰藉料を支払うべきである。

八、被告Y1は、○市西区00197番10雑種地330m2(時価500万円相当)を所有しているほか、建設用重機、車両を2、3台所有している、而して、2人の間の婚姻期間が12年余であること、今後原告が幼い3人の子供達を養育していかねばならない生活維持の困難さ等を合せ考えると、被告は原告に対し、財産分与として金300万円を支払うべきである。

九、被告Y2は、被告Y1に妻子があるのを知りながら、あえて2年以上も不貞な関係を続け、原告らの家庭を破壊し、積極的に原告の追出しをはかつた(被告Y2は、昭和50年7月中旬、原告に電話で「離婚届に印をついたか」などと言つてきた。)。

 よつて、被告Y2は原告に対し、共同不法行為者として被告Y1と連帯して金100万円の限度で慰藉料を支払う責任がある。
と述べ、〈証拠関係略〉。 

理  由
一 〈証拠〉を総合すると、請求原因第一、第二項、第三項序文および同項第1・第3号、第四項各記載のとおりの諸事実ならびに被告Y1が原告主張のとおりの財産を所有していること、原告と被告Y1との間の子供3人はいずれも原告になついていることのほか、さらに次のとおりの諸事実を認めることができる。

 昭和49年11月末、被告Y1は、キヤバレー「○○」に客として赴いたが、たまたまその頃、同被告の経営していた有限会社山本産業が倒産したため悪酔いし、物を投げつけたりしたが、当時同キヤバレーでホステスをしていた被告Y2が、「頑張つてやりなさい。」などと温かい言葉をかけて励ましてやつたため、被告Y1は、原告が勝気な性格で日頃から右被告の態度を非難するばかりで気の休まる思いを経験していなかつたこともあつていたく感激し、被告Y1と同Y2とは、以後急速に親しさを増すことになつた。

 その後、被告Y1は、同Y2をモーテルに連れて行つたところ、右Y2が入るのを嫌がつたため、被告Y1は右Y2に乱暴をし、そのため警察沙汰になつたことから、右2人の仲は、被告Y2の夫訴外Dの知るところとなつた。被告Y1は、右訴外Dに対し、被告Y2をくれと言い出し、右両者が2・3度話合つた結果、訴外Y2は被告Y1に対し被告Y2をくれてやると申向けたことから、被告Y2は、訴外Dと離婚する決意をして同人の家を出、被告Y1に妻子があるのを知つてはいたが、同人の借りてやつた○○所在のアパートに昭和50年4月から同年6月まで、同人と共に同棲した。

 一方、原告は、婚姻当初から、被告Y1の女性関係が絶えないこと等にも、子供のことを考えがまんを重ねてきたのであるが、昭和50年7月27日、原告が右被告の生活態度をとがめたこと等から大けんかとなり、右被告から「出ていけ」と怒鳴られ足蹴りにされるなどの暴行を受けたのを機会に離婚を決意し、三人の子供を連れて家を出、一時○○の実兄佐藤良雄方に身を寄せ、昭和50年8月下旬から、○市○町一丁目12番12号にアパートを借りて生活するようになつた。そして原告は、同年同月、被告Y1との離婚を求める調停の申立を行い、不調に終つたため、同年11月5日訴を提起するに至つたものである。

 この間、原告に家を出られた被告Y1は、被告Y2に対し、「原告に金を持つて出られた。今後どうしてやつていいか困つている。」等と申向けて被告Y1方に入るよう懇請し、被告Y2もこれを受けて昭和50年8月27日、被告Y1方に入つて一緒に生活するようになつた。しかし、被告Y1は酒ぐせが悪く、酒を飲むと何の理由もなく暴力をふるい、被告Y2は、肋骨4本にひびが入つたり、目をぶたれて角膜乱視になるなどしたため、昭和51年3月、被告Y2は、一たん被告Y1方を出たが、同人の懇請で再び戻つたものの、同人の暴力は治らず、被告Y2は、昭和51年6月18日再び家を出て、一時同人の姉の家に隠れたが、同年7月初め、右姉夫婦の口ききで、被告Y2は、結局、夫訴外Dの下に戻つた。

 他方、原告は、昭和51年6月、被告Y1の意を受けた訴外○○某に、被告Y1は被告Y2ときれいに別れた、子供のこともあるし戻つてやつてはなどと言われて、3人の子供を連れて被告Y1の下に戻り一緒に生活を始めた。
 しかしながら、右両者の仲はうまくいかず、夫婦関係もなく、本件口頭弁論終結時たる昭和51年11月18日に至るまで、右両者が信頼関係を構築しうる見通しは全くなく、もはや、右両者の婚姻関係は破綻したものと断定せざるを得ない。

二 右認定事実によれば、被告Y1に対して離婚を求める原告の本訴請求は、民法770条1項1号、5号に照らして理由のあることは明らかであり、3人の子供達の親権者は、右子らの幸福のためいずれも原告と定めるのが相当である。

三 次に、被告Y1に対する金員の支払請求について按ずるに、本件離婚に至るべき責任の大半が被告Y1にあることは、前示認定事実に照らして明らかであり、同被告は原告に対して、その苦痛を慰藉するため金300万円を支払うべきであり、また、右被告の財産状態、婚姻期間、今後原告が幼い子供達三人を養育していかねばならない困難さ等諸般の事情を総合考慮すると、財産分与としてさらに金300万円を原告に対して支払うべきである。

四 次に、被告Y2に対する慰藉料請求について判断する。同人は、被告Y1に妻子があるのを知りながら不貞の関係を続けたことは前示のとおりであり、右行為により原告に対して精神的苦痛を与えたことについて、被告Y1とともに、共同不法行為者としての責任を負うべきことは明らかである。

 而して、前記被告Y1の原告に対して支払うべき慰藉料金300万円のうち、被告Y2との共同不法行為に基づく部分は80万円と解するのが相当である(被告Y1の女ぐせの悪さは結婚当初からのもので、今日まで何人もの女性と不貞な関係を続けてきたこと、また被告Y1は原告に対してたびたび殴る蹴るの乱暴をしたこと等被告Y2と無関係のことに起因する部分を控除した)。

 ところで、共同不法行為の成立が認められても、ある加害者の行為もしくは結果に対する関与の度合いが非常に少い場合で、かつ、そのことが証明されている場合には、その者については、右関与の度合いに応じた範囲での責任のみしか負わすことができないものと解すべきである。これを本件についてみると、被告Y1は、被告Y2との不貞な関係の招来およびその維持について常に主導権を握つており、被告Y2はただこれに服従したにすぎないともみられること、少くとも現在は、被告Y2は被告Y1と別れ夫の下に戻つたこと、被告Y1との関係を生じたことで被告Y2自身の心身もかなり傷ついたこと等を考慮すると、被告Y2の責任は、前記共同不法行為部分の8分の1すなわち金10万円に相当する部分に限られるものというべきである。

 よつて、原告の被告Y2に対する請求は、金10万円の限度で被告Y1と連帯して支払うべきものとする限り理由があるから右の限度で認容し、その余は失当として棄却することとする。

五 〈以下、省略〉
(増山宏)

以上:5,432文字

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