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人助け意識を弁護士の思い上がりだ!と思う訳は?

平成24年 9月17日(月):初稿
○「2012年9月16日発行第85号”梅ちゃん先生と弁護士先生”」に「梅ちゃん先生」に出て来た坂下俊一郎医師の「自分が人を助けてやっているというのは医者の思い上がりだ!」との言葉を「自分が人を助けてやっているというのは弁護士の思い上がりだ!」に置き換え、シッカリ自覚せよと言い聞かせていると書きましたが、その意味は、やはり、同じ大山滋郎弁護士のニュースレター紹介記事「企業の常識・弁護士の非常識-”弁護士の通信簿”紹介」に半分程度は記載済みでした。

○「弱い人、困っている人を助けたい」と思って弁護士になったとその動機を語る方が多く居ます。それはそれで全く構いませんが、問題は、だから弁護士と言う職業は、崇高で偉い職業で、いわば聖職であり、その辺の普通の職業とは違うんだと考えを発展させて上から目線になることです。これを言うと、小松弁護士は、弁護士のくせに、以下の弁護士法の一番重要な条項を知らないのかと囂々たる非難を浴びそうです。
第1条(弁護士の使命)
 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。
第2条(弁護士の職責の根本基準)
 弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。


○私は、この条文は、以下の弁護士の最大特権-法律事務独占-の裏返しと思っております。
第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。


○司法改革以前の弁護士には、この最大特権である①法律事務独占に加えて②寡占(少人数で広域市場独占)、③競争排除(宣伝広告禁止・統一料金)の三大特権が与えられ、いったん弁護士資格を取れば、さしたる営業活動をせずとも収入が確保されて、生涯安泰生活が保障されていたようなものでした。さしたる営業活動をしなくても食べていける厚遇環境の下では殿様商売が横行するのは必然で、実際、弁護士の殿様商売ぶりに嫌気がさした一般国民からバッシングを受け司法改革に繋がりました。

○しかし、一部崩されたとはいえ、弁護士にはまだ最大特権法律事務独占の根幹部分が残されています。このような重要な特権が与えられる以上、その特権行使に制限を付けられて当然であり、それが弁護士法1,2条に特権行使の際の心構えとして注意的に明記されているだけです。別に弁護士が、他の職業とは異なる崇高な職業だからではありません。

○基本的人権擁護を第一使命とする日本国憲法の下での日本国民は全員が、人権擁護・社会正義実現の使命があり、また、人間として生まれた以上勉学に励み教養の保持と品性の陶冶に努めるべきは当然です。何も弁護士だけに限られません。弁護士だけが人権擁護の使命があると思ったら大間違いです。「弱い人、困っている人を助ける」ことによって報酬を頂くことは、サービス提供によって対価の受領しているだけであり、仕事を頂くという意味では助けて貰っています。これは他のサービス提供業務と変わりません。それを「助けてやっている」なんて上から目線で思い上がるなと私は常に自分に言い聞かせています。

○以上、独断と偏見に基づく論理の飛躍著しい小松弁護士の「自分が人を助けてやっているというのは弁護士の思い上がりだ!」の解釈です(^^)。
以上:1,545文字

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