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引渡命令に対する不服申立手段備忘録1

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平成26年10月15日(水):初稿
○膨大な広さの土地とその上の工場建物を競売で取得したのに競売された側で居座っている事案について、引渡命令を得て引渡執行を依頼された案件があります。引渡命令は簡単に出たのですが、この引渡命令に対し、執行抗告が出され、原裁判所がこれを却下したところ、仙台高裁に執行抗告がなされ、数ヶ月待たされた挙げ句に、高裁からも却下されるも、最高裁に許可抗告がなされて、民事執行法・民訴法の勉強が必要になりました。

○民事執行法は、我々の時代、大学の講義にも受験科目にもなく、実務では結構使うことがあるのですが、部分的に留まり、まとまった勉強をしたことがなく、苦手な分野です。簡単に引渡命令を取りましたが、これは確定しないと引渡執行申立ができません。競売された側の時間稼ぎですが、高裁の許可決定を得て最高裁まで争われています。「抗告許可の申立」なんて初めての経験です(^^;)。これはシッカリ取り組まなければなりません。
先ず関係する民事執行法・民事訴訟法の条文確認から始まり、勉強が必要で、そのための備忘録です。

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民事執行法第83条(引渡命令)
 執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。
(中略)
4 第1項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
5 第1項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。

民事執行法第10条(執行抗告)
 民事執行の手続に関する裁判に対しては、特別の定めがある場合に限り、執行抗告をすることができる。
2 執行抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内に、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。
5 次の各号に該当するときは、原裁判所は、執行抗告を却下しなければならない。
(中略)
 一 抗告人が第3項の規定による執行抗告の理由書の提出をしなかつたとき。
 二 執行抗告の理由の記載が明らかに前項の規定に違反しているとき。
 三 執行抗告が不適法であつてその不備を補正することができないことが明らかであるとき。
 四 執行抗告が民事執行の手続を不当に遅延させることを目的としてされたものであるとき。
(中略)
8 第5項の規定による決定に対しては、執行抗告をすることができる。

民事訴訟法第336条(特別抗告)
 地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から5日の不変期間内にしなければならない。
3 第1項の抗告及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、第327条第1項の上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定並びに第334条第2項の規定を準用する。

民事訴訟法第337条(許可抗告)
 高等裁判所の決定及び命令(第330条の抗告及び次項の申立てについての決定及び命令を除く。)に対しては、前条第1項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その裁判が地方裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。
2 前項の高等裁判所は、同項の裁判について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、決定で、抗告を許可しなければならない。
3 前項の申立てにおいては、前条第1項に規定する事由を理由とすることはできない。
4 第2項の規定による許可があった場合には、第1項の抗告があったものとみなす。
5 最高裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄することができる。
6 第313条、第315条及び前条第2項の規定は第2項の申立てについて、第318条第3項の規定は第2項の規定による許可をする場合について、同条第4項後段及び前条第3項の規定は第2項の規定による許可があった場合について準用する。

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裁判所HPから
Q9: 「特別抗告の提起」又は「抗告許可の申立て」は,どのようにすればよいのですか?

A9: 表題を「特別抗告状」又は「抗告許可申立書」とした書面を,決定又は命令をした高等裁判所に提出してください。
 決定又は命令の謄本を受け取った日の翌日から起算して5日以内に,書面が裁判所に届くことが必要です(FAXによる書面提出は認められません)。
 「特別抗告の提起」又は「抗告許可の申立て」は,いずれか片方の申立てをすることもできますし,両方の申立をすることもできます。
 両方の申立てをする場合でも,1通の書面ですることはできませんので,注意してください。

以上:2,203文字

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