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映画”影武者”を観て-4KUHDソフトでの鑑賞ながら残念の一言

令和 5年 5月28日(日):初稿
○令和5年5月27日(土)は、4KUHDソフトで黒澤明監督作品映画「影武者」を鑑賞しました。当初、主演武田信玄役は勝新太郎氏で撮影が開始されるも、黒澤明監督と勝新太郎氏の確執で、勝新太郎氏が主役を降ろされ、仲代達矢氏に交替した曰く付きの作品です。以前、一度は鑑賞していたと思っていました。しかし、今回、4KUHDソフトで鑑賞し、内容を全く覚えておらず、初めての鑑賞のようです。

○その感想は、4KUHDの映像冒頭シーンから、なんだこれはとガッカリする粗悪なものでした。1980(平成2)年制作ですから、1961(昭和36)年制作映画「用心棒」より20年も後の作品なので、映像もズッと鮮明かと期待して鑑賞したのですが、「用心棒」の4KUHD映像の方が遙かに鮮明と感じました。「用心棒」は白黒映画のところ、「影武者」はカラー映画になったからかもしれません。

○その内容ですが、私の個人的感想としては、残念の一言です。179分とほぼ3時間の長い上映時間中、殆ど感情移入ができないままに終わりました。冒頭、仲代達矢氏が二役を演ずる武田信玄の本物と後に影武者となる盗人の対面から始まりますが、仲代達矢氏はどうみても卑しい盗人には見えません。勝新太郎氏だったら両者を自然に演じ分けられたかも知れません。

○信玄の弟武田信廉役は山崎努氏でしたが、武田信廉も信玄の影武者をさせられた経験があるとのことで、意外に仲代達矢氏演ずる本物の信玄と似た表情があるのが印象的でした。影武者信玄がうなされる夢のシーンなどカラーを生かした映像美を聴衆に見せようとする意図が感じられますが、如何にも押しつけがましく感じて仕方ありませんでした。聴衆に対するサービス精神が、「用心棒」の時代とは明らかに質が変わったように感じ、昭和40年以前の黒澤明監督作品とは違うと実感するだけでした。

Kagemusha - 影武者 (1980) - Official Trailer


主演 勝新太郎 幻の影武者  Kagemusha Akira Kurosawa Shintaro Katu

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