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池上彰の世界を知る学校”紹介-中東問題の本質”は土地問題”1

平成30年10月13日(土):初稿
○「池上彰の世界を知る学校”紹介-ソ連からロシアへ3」の続きの備忘録です。

・ナチスドイツのユダヤ人虐殺を「見て見ぬふり」?
ナチスドイツはドイツ本国だけで18万人、ヨーロッパ全体で600万人のユダヤ人を虐殺、ポーランドにあるアウシュビッツ収容所が最も有名
第二次世界大戦中には、ナチスドイツのユダヤ人虐殺についてユダヤ人に手を差しのべる動きは国家としても個人としても殆どなかった-「見て見ぬふり」
ヨーロッパ人の中には「ユダヤ人が酷い目に遭っても構わない」との心理を持つ人々がそれなりの数いた
多くのユダヤ人が虐殺された事実から、二度とこのような悲劇が起こらないように1948年「ユダヤ人のための国家」イスラエルが建国された

・イエスを十字にかけたユダヤ人
ユダヤ人がヨーロッパで嫌われた原因の一つは聖書「マタイによる福音書」-ユダヤ教の改革運動をしていたイエスはユダヤ教の老師たちに睨まれ、捕まって、ローマ帝国ゴルゴタの丘の十字架に架けられ処刑
このときローマ帝国総督ピラトは、集まったユダヤ人にイエスを殺すべきかと問うと、ユダヤ人たちは「イエスを殺せ。その血の報いが我が子孫にかかってもよい」と言った
ユダヤ人の王国はローマ帝国に滅ぼされ、ユダヤ人たちは土地を追われたディアポラス(大離散)により、大勢のユダヤ人がヨーロッパに住むようになった
ローマ帝国の国教キリスト教徒たちは「イエスを十字架にかけたユダヤ人は、自分の子孫が血の報いを受けても構わないと言った」としてユダヤ人に接する→ユダヤ人差別の大きな根拠

・お金に強いユダヤ人の印象
中世ヨーロッパで差別の対象だったユダヤ人には「職業選択の自由」がなかった→誰もなりたがらない「金貸し」金融業にユダヤ人が取り組む
ユダヤ人は「土地の所有」も認められなかった→子孫に受け継がせるものは「現金」か「人から奪われることのない財産」即ち教育
ユダヤ人が現代においても教育を大事にするのは歴史的に「土地を相続させることができない」との制約を課せられていたから
差別を受けながらよく働き、よく学ぶユダヤ人たちから多くの金持ちが誕生→ヨーロッパのキリスト教徒から「あいつら、しぶとく金儲けしやがって」と益々嫌われ差別が広がる
シェイクスピアの「ヴェニスの商人」の「金儲けのためなら何でもする」シェイロックという金貸しが当時のヨーロッパの典型的ユダヤ人像
1904年日露戦争時日本は戦費調達のため発行した国債を買ったのがユダヤ人、当時ロシヤでもユダヤ人への差別が激しく、ロシヤが負けて政治体制が変わりユダヤ人差別がなくなることを期待した

・ヨーロッパ人自らの贖罪のために
ユダヤ人たちは「反ユダヤ主義」に対抗するためユダヤの王国があった場所に自分たちの国を作る運動「シオニズム運動」起こす
このきっかけは1894年当時フランスの軍人だったユダヤ人アルフレド・ドレフェスがスパイ容疑で逮捕され証拠が無いのに終身禁固刑を言い渡された完全な冤罪の「ドレフェス事件
ユダヤ人たちは「差別や偏見から逃れた生活を送るために、自分たちの国を作るしかない」と決意を固める
シオニズム運動は、第二次世界大戦後、ナチスドイツの行った残虐行為の実態が明らかになったことで世界的に一気に盛り上がる
ユダヤ人への差別・虐待を薄々知っていながら見ぬふりをしていたヨーロッパ人の中からも助けの手を差しのべなかったことを悔やみ、自らの贖罪のために「ユダヤ人に何かをしてあげなければならない」と考える人が出てきた→シオニズム運動が急ピッチに進行

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