平成30年 9月26日(水):初稿 |
○「”池上彰の世界を知る学校”紹介-EUの理想と現実1」の続きで、備忘録を続けます。 ・EU統一通貨「ユーロ」誕生 EU成立当時、ドイツはマルク、フランスはフラン等各加盟国独自の通貨→通貨を交換する度に手数料がかかり各国をまわるとお金は半減→統一通貨の必要性 先ず欧州通貨単位というバーチャルな単位「ECU(エキュ)」登場→1973年ECUを基本の計算単位として各国通貨の交換レート決定 1995年EU首脳会議で「ユーロ」との名前誕生、決済通貨としての正式導入は1999年1月、通貨・コインが作られ現金通貨として運用が始まったのは2002年1月 ・500ユーロ紙幣は血の匂い 最も発行量の多い通貨は500ユーロ(日本円6万円以上)、しかし一般には使われない。使うのは大量のお金をコンパクトに運ぶことが必要なマフィアのみ。ヨーロッパではマフィアの地下経済が活発。 ・金融政策と財政政策のおさらい 金融政策とは、中央銀行が金利を調整で市場流通のお金の量を調整して景気をコントロールすること、金利を下げれば流通量増え景気を良くし、上げれば流通量を減らし景気を抑制 財政政策とは、国に入ってくるお金の量と、国が使うお金の量を管理することで世の中の景気を調整すること、赤字国債での公共事業で世の中にお金を供給し景気を良くし、国債発行を停止してお金の量を減らし景気抑制 アベノミクスの第一の矢が金融政策、第二の矢が財政政策、第三の矢が新規事業・新開発 ・通貨統合のデメリット ユーロは欧州中央銀行(ECB、日本での日本銀行の役割)が発行、加盟国により景気に差がある→ECBはヨーロッパ全体を見通しながら金利を決めるので中間にしかならない その結果、景気のドイツ等良い国は益々景気が良くなり、ギリシャ等景気の悪い国は不景気から脱出できない→国毎に景気動向の格差が広がる ヨーロッパ統合により国家単位での金融政策ができなくなり、各国ができるのは財政政策のみ→ヨーロッパ統合によるデメリット ユーロ安によりドイツ等輸出国はどんどん景気が良くなり、ギリシャのように景気の悪い国はいつまで経っても不景気から脱出できない ・欧州合衆国の成立には時間がかかる 欧州合衆国が成立すれば「一つの大きな国」になるので金融政策・財政政策バランスを見ながら執り行うことができ、加盟国格差の問題が解消する しかし、欧州合衆国ができると予算編成権を欧州合衆国に預けることになるので、特に小さな国は犠牲にされるのではと反対が多く、欧州合衆国構想は前進しない ・ドイツ人の驚くべき効率性 ギリシャ人よりドイツ人の方が年間労働時間は短い、ギリシャ人は個人経営事業主が多く長く働くが、ドイツ人はサラリーマンが多く時間内は徹底的に働き残業をしない ドイツ人は、仕事とプライベートの時間を峻別し、、仕事時間は密度の濃い働きをする→この積み重ねがドイツの経済力を支えている ・なぜイギリスはEUから脱離しようとしたか 最も大きな問題は「移民問題」、EU圏内はどの国でも自由に移動して住居を構え働くことができる、そのルールで移動するのが「移民」 2004年東欧諸国がEU加盟後、東欧諸国労働者が大量にイギリス移民となり、その仕送りで東欧諸国に豪邸が建つ 「難民」とは「自国にいると迫害を受け、或いはその恐れがあり、海外に逃れる必要のある人」、難民もイギリス入国チャンスをうかがう-難民は難民条約で受け容れ拒否は不可。 イギリスへ行きたがる理由は、働く場所・社会保障が充実、英語が公用語で、かつての植民地出身者のコミュニティが発達し、そのコミュニティに入ると仕事の紹介その他援助がある イギリスが移民問題に悩まされた背景は、イギリスは世界中の多くの人にとって行きたい場所であること イギリスは人口6000万人ほどだったのが、この10年間で数百万人規模の移民を受け入れ、外国人に仕事を奪われ、公共サービスも享受しにくくなっていると不満を持つイギリス人が増加 EUから離脱しても「難民」問題から逃げられないが「移民」問題は解決したいとEUからの離脱を決めた 以上:1,667文字
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