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ビクトル・モンヘ・セラニートの音楽の魅力は

平成21年 5月20日(水):初稿
○このHPのフラメンココーナーをお読み頂き,時々、フラメンコに関する有益な情報をご提供頂くAさんから、「久しぶりの東京3連泊でギター練習に打ち込む」を読んでのご感想を頂き、ビクトル・モンヘ・セラニートの音楽の魅力談義となりました。

○Aさんのお話では、クラシック音楽をやってきたご友人にパコやその他のDVD・CDを上げたらセラニートの曲は素晴らしいと絶賛されたそうで、その理由として、低音歌声と高音歌声の絡みが絶妙だと指摘され、そして自身もフラメンコをやると言って教則本を取り寄せて練習を始めたとのことです。パコの演奏については確かに凄いけれども、機銃掃射みたいで印象に残らないと余り評価されなかったそうです。

○なるほどと納得しました。私自身は、パコもセラニートもいずれも大好きですが、パコの曲は聞くだけで,余り挑戦する気にはなれませんでした。それは、正に機銃掃射みたいな桁外れの速いスケールを弾けるはずがないとの思いもあり、兎に角、雲の上の人で私には手が出せないとの諦めが先行していたからです。

○しかし、セラニートに関しては,何となく普通の人に近い、普通の人が大変な努力をして,あれだけの音楽を作り上げたという感じで、パコのように雲の上の人で、到底近寄れないと諦めさせない、何か人間的な魅力を感じてきました。それはセラニートの醸し出す音楽自体に人間的魅力があるからではないかと思っています。しかし、その技術もパコに勝るとも劣らない面もあり、素人の私の演奏は所詮猿真似に過ぎませんが、少しでもセラニートっぽく弾けたと思うと堪らない快感を感じます。正に自己満足の極地ですが(^^;)。

○先日の瀬田先生のレッスン時に、セラニートは、クラシックギタリストにも好まれ、その大家の1人ナルシソ・イエペスにも気に入られてアドバイスを受け、a(薬指)、m(中指)、i(人差し指)三本を連続してスケールを弾くことを薦められ、僅か1ヶ月半でJ.S.サグレラス作曲「蜂雀」のa(薬指)、m(中指)、i(人差し指)三本指による驚異的スピードでの演奏スタイルを完成させたとの話をお伺いしました。

○学生時代、このセラニートの「蜂雀」を聴いて驚嘆し、スケール(音階)練習にも最適の曲と思って、相当な時間をかけて繰り返し練習し、何とか指でなぞることは出来ました。しかしセラニートのように驚異的スピードで且つ高い音楽性を保っての演奏など到底無理で単なる指の運動に留まっていました。私はスケール全編をm(中指)、i(人差し指)交互に弾く練習をしていましたが、セラニートはa(薬指)、m(中指)、i(人差し指)三本連続で弾いていたとのお話を聞き、私もこの方法で再挑戦しようかとも考えております。
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