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ギター演奏における左手運指の重要性2

平成21年 5月 4日(月):初稿
「ギター演奏における左手運指の重要性1」を続けます。
セゴビア、サビーカス、パコ、セラニートを初めとするスペイン人ギター名手の演奏は、どんなに速いスケールでも一つ一つの音が確実に且つ力強く出ているのは、スケール(音階)等での右指の桁外れなスピードは当然として、左指も全く無駄なく合理的にの動いているからです。映像で観るとそのことが良く判ります。

○30数年前の大学生の時、NHKのTV番組に出演したセラニートの演奏に驚嘆したことを今でも良く覚えています。特に驚いたのは左指の動きでした。指盤の上を這い蹲ると表現するしかない、その動きは、あたかも指に吸盤がついているが如く、必要な音を出すのに最小限の動作で指盤の上を這い蹲っていました。なお、中途半端なギタリストの左指は指盤の上を派手に踊り回ります。

○このセラニートの演奏を観て以来、「ギター演奏における左手運指の重要性1」に記載したとおり、左指を指盤に出来る限り近づけたまま演奏するように気をつけてきたつもりでしたが、先般、瀬田先生のレッスンを受けて、まるで甘かったことを痛感させられました。

○それは左指でフレットを押さえても必要な音を出し終わると離していましたが、ひとたび押さえたらその音を出し終わっても指盤から離さないままにしておくことでした。私は、必要な音を出し終わったらフレットから離すも、出来る限り離す距離を短くする、せいぜい1,2㎝くらいの高さに留める努めてきたつもりでした。

○ところが瀬田先生のレッスンでは、ひとたび左指で必要なフレットを押さえたら、次に別な箇所を押さえるまで原則として押さえたままにしておくべきと教えられ、これまでの認識の甘さを痛感させられたのです。このレッスンを受けて、改めてセラニートの演奏の左指の動きを注意して観察すると、瀬田先生の言うとおり、いったん押さえた左指は次に別な箇所を押さえるときまで押さえたままにしています。

○このひとたび押さえた左指は次に必要な動作を来るまで押さえたままにしておく指使いが、セラニートの左指の動きを極端に小さいものにしていました。押さえたままにしておくと音が消えませんので,消音が必要なときは弦を押さえたまま僅かに浮かして消音をするも押さえはそのままにしておくようです。

○しかし原則は押さえたままとしても、押さえたままにしておくことで他の指の動きが制約されて素早い動きが出来ないのでは、本末転倒ですので、兎に角、その曲を弾くのにどのような左指の動きが無駄な動きを排除して最も合理的に目的を達するかを徹底して検証して左指の動きを決め、繰り返し練習することの重要性を瀬田先生にシッカリと認識させて頂きました。
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