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映画「クライマーズ・ハイ」を観て

平成20年 7月28日(月):初稿
○平成20年7月19日午前に東北地方南部の仙台の梅雨明け宣言が出されました。今年は雨らしい雨がないまま梅雨明けかと思ったら、その後仙台地方は、梅雨に入ったようなパッとしない天気が続いています。お陰で海の日を含む3連休は、曇りで夏の厳しい日差しのないまま、また26日(土)、27日(日)の2日間は霧雨の中、テニスを楽しむことが出来ました。しかしやはり夏には夏に相応しいカッとする暑い日差しが欲しいとも思った次第ですが、梅雨明け宣言後、本日7月28日まで夏らしい日差しがありません。

○そこで23年前の暑い夏を思い起こすそうと午後、MOVIX仙台で、今話題の映画「クライマーズ・ハイ」を観てきました。23年前、昭和60年の夏、8月5日に34歳を迎えましたが、この夏は私の人生でも最も厳しい試練の夏でした。その年の5月最初結婚に破れ、独身に戻り、離れた長女を思い一日一度は涙し、夏だというのに夏休みの行楽など全く無縁で、極端な自信喪失状態に陥り暗い顔での生活が続いていました。

○8月11日長女の1歳の誕生日でしたが、会えば辛くなるだけと離婚以来長女と面会する気力もなく、誕生日のプレゼントとして大きな縫いぐるみを宅急便で贈っただけでした。翌8月12日夜、国分町のあるバーで1人寂しく飲めない酒を飲んでいたときでしたが、日航ジャンボ機が消息を絶ったとの臨時ニュースが入って来ました。

○驚いて自宅に戻り、それからは次々と飛び込むTVの臨時ニュースに釘付けとなりました。翌13日早朝には事故の概要が判明し、その凄まじさに驚愕し、遺体の損傷が余りにも酷くてその確認作業が難航しているとの報道がしばらくの間連日続いたのを良く覚えています。その中で4名の生存者が居てしかも全員女性との報道に感動しました。

○で、肝心の映画「クライマーズ・ハイ」ですが、一言で言えば、「消化不良」でした。最大の原因は、赤外線補聴システムヘッドホンのボリュームを最大に上げても難聴の私には、役者の台詞が4割程度良く聞き取れず意味不明のところがあったからです。特に主役の堤真一氏の台詞がボソボソして聞き取りづらいところが多くストーリー展開が良く理解できない箇所が多々ありました。しかし堤氏の演技力には安定感がありました。

○平成20年の大河ドラマ篤姫鑑賞が日曜日夜の楽しみとなっていますが、家定役で人気沸騰した境雅人氏がここでも大変良い役者ぶりを見せています。家定役では若いのに何とも味のある役者だと感心してみていましたが、この人は将来どんな大役者になるか楽しみです。

○この映画は原作を読んでから観ないと判りづらいのではと思いました。大好きな山崎努氏が、血も涙もないワンマン社長役で、その秘書がセクハラされた言葉が出てきました。しかし昭和60年当時この言葉が通用していたとは思えず違和感を感じ、また何でこの場面に続いてこの場面になるのか理解不能なところが多く、ストーリー展開は雑に過ぎるのではとも感じました。しかし、大事件を前にしての新聞社のドタバタぶり、熱気が良く伝わってきて、一件の価値ある映画とは思い、DVDが出たら直ぐ購入します。DVDには日本語字幕をつけて貰いたいところですが。
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