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フラメンコギター”Serranito (セラニート)”の思い出

平成20年 1月 6日(日):初稿
○私は中学2年からギターを始め、中学3年から東京音楽アカデミーギター科の通信指導を受けてクラシックギター中心に学び、高校2年の時、西条誠氏のフラメンコギターを聞いてフラメンコギターに憧れるようになり、大学1年から3年秋まで週1回仙台の相崎勝利先生のフラメンコギター教室に通いました。

○私が大学時代フラメンコギターに没頭した最大の理由は大学2年の春、仙台電力ホールでスペインの天才フラメンコギタリスト「パコ・デ・ルシア」の演奏を聴いて大感激したことですが、「パコ・デ・ルシア」だけが好きだった訳ではなく、パコ出現前フラメンコギターの一時代を築いた「サビーカス」、更にパコと同時代でパコ程目立つ存在ではなかったのですが根強いファンを持つ「Serranito (セラニート) 」も大ファンとなりそのレコードを繰り返し聴いたものでした。

○私がフラメンコギターを始めた昭和40年代前半当時のフラメンコギター教則本の代表は、日本へのフラメンコギター普及の草分けと言われる伊藤日出夫氏の著作でした。しかしこの教則本に掲載されたフラメンコギター曲は「サビーカス」等の名手の弾く曲に比べてレベルが低く余り面白くない曲が殆どでした。

○フラメンコギターを弾くと称するためには「サビーカス」を初めとする名人がレコード収録した曲と同じ曲を弾きこなすことが一つのステイタスであり目標でした。昭和46年4月、念願の相崎勝利先生のフラメンコギター教室に入門した私は早速「サビーカス」等名人のレコード収録曲を教えて頂きたかったのですが、教則本として故高田鍵三先生著演奏会用フラメンコ代表作品集の曲からレッスンが始まりました。

○1年程かけて演奏会用フラメンコ代表作品集16曲全曲について丁寧なレッスンを受けこの過程でフラメンコギターの基礎を習得してから、ようやく相崎先生が採譜された「サビーカス」等フラメンコギター名人のレコード収録曲のレッスンに入りました。その中で私が最も力を入れて練習した曲が「Serranito (セラニート) 」の「ヘレスのフラメンコ(ブレリアス)」でした。

○この「ヘレスのフラメンコ(ブレリアス)」は「Serranito (セラニート) 」独特の細かくて速いパッセージが多く当時の私にとって大変な難曲でしたが数ヶ月かけて一応一通り弾きこなせるようになりました。しかしフラメンコにとって最も重要な独自のリズムの取り方が巧く行かず最後まで相崎先生の合格点は得られませんでした。

○「Serranito (セラニート) 」のレコード収録曲で次に熱心に練習した曲が、「暁のギター(カンパニジェーロス)」でした。「Serranito (セラニート) 」の曲としては、その他に「ファルーカ」も熱心に取り組みましたが、一番気に入った曲が「暁のギター(カンパニジェーロス)」であり、今般、YouTubeでビデオを見つけたこともあり、「アルハンブラの想い出」、「影を慕いて」に次いで取り組もうと思っているところです。
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