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映画”切腹”に41年ぶりの感動!

平成17年12月 4日(日):初稿
○平成17年12月3日(土)の夜、中学1年時の昭和39年以来41年ぶりに仲代達也主演の映画「切腹」を見て大感動でした。映画「切腹」を観たいと思ったのは仲代達也氏の日経新聞私の履歴書を読んだからです。

仲代達也氏の日経新聞私の履歴書は、大変興味深く、面白く、毎日楽しみながら読みました。演劇論を巡って三船敏郎氏や中村錦之介氏と大喧嘩をし、それをきっかけに三船氏とは疎遠になるも、中村錦之介氏とは大の友人なった話し、妻宮崎恭子氏との夫婦の絆の強さ等大いに感動し、特に妻恭子氏との話は、正に「互いに今度生まれてくるときも一緒になろう」と確信する堅固に結ばれた理想の夫婦のように感じました。

三船敏郎氏との確執も興味深いものでした。三船氏は「世界のミフネ」と呼ばれた日本を代表する大スターで、私も「椿三十郎」等何回も繰り返し見て大ファンを自認しております。三船氏は師とも言うべき黒澤明監督ともうまく行かなくなり、正妻と派手な離婚劇を繰り返した挙げ句一緒になった愛人にも晩年見捨てられ、不遇な最期を送り、周囲の人間関係コントロール術は劣っていたようですが、仲代氏の文章で何となくその理由が実感できました。

○映画「切腹」ですが、私の記憶には、千々岩求女扮する石浜朗氏の脂汗を流しながら苦悶を重ねて竹光で切腹を試みる壮絶悲惨なシーンだけが瞼にクッキリ焼き付いていましたが、その他のシーンやストーリー展開は殆ど忘却の彼方でした。

○今回41年ぶりに観た「切腹」は素晴らしいの一言でした。日本語字幕がついており、難聴の私は、日本語字幕を観ながら鑑賞しましたが、耳で聞いただけでは判らない言葉もその漢字の書き方から意味もハッキリ判り大変勉強になります。

○日本語字幕でシッカリ台詞をを確認すると脚本が練りに練られてガッチリと構成されていることがよく判ります。時代考証をした上で江戸言葉を使っているものと思われますが、漢字で正確に表現されると一つ一つの台詞の意図がよく見えてきます。

仲代達也氏扮する津雲半四郎の良く透る声での重厚な台詞の言い回しは小気味よく耳に響き、更に対立する三国連太郎氏、丹波哲郎氏の台詞も格調高く見事に決まっております。殺陣は、椿三十郎等での三船敏郎氏の目にも止まらぬ太刀さばきに比べると少々見劣りしますが、リアルで見応えがあります。兎に角、一度は観て損はしない映画です。
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